2004年5月15日土曜日

NARC ナーク

重い。派手な映像中心の映画を観慣れると、たまにこういった視覚効果が重要な要素である作品を観たときにうっかり見過ごしてしまいそうになる。圧倒的に暗い画面の中で寒色と暖色の使い分けで緩急をつけつつ、ハンディカメラを多用することで、緊迫感を煽る。もちろん俳優陣の技量があってこその視覚効果である。
J・パトリックは最後まで彼だと気が付かなかったくらい『スピード2』のときとは演技力も含めて正反対。麻薬潜入捜査官の辛さと悲哀が滲みでていた。R・リオッタは体型も変わったが嫌らしさがなくなって良くなった。ラストシーンなどは今までの彼からは信じられないような、涙を誘われる深みのある演技。あの嫌らしさが彼らしさでもあったが、今後は意識して使い分けができるのなら、出演作にかなり幅ができるのではないだろうか。
全体的には地味な作品なので、さらっと観てしまうとほとんど印象に残らないかもしれないが、これがデビュー作でしかもオリジナル脚本を書いたというJ・カーナハン監督は今後が楽しみでもある。彼を高く評価したトム・クルーズは今回この作品の製作総指揮に名を連ねている。しかも『M:I3』の監督を彼に任せることになったとか。新人ではる監督がどれほどの発言権を持てるかは甚だ疑問ではあるものの、ただのアクション大作にはしないで欲しいと願うのだ。

原題NARC
製作年2002
製作国アメリカ
時間105
監督ジョー・カーナハン
脚本ジョー・カーナハン
撮影アレックス・ネポンニアシー
出演ジェイソン・パトリック
レイ・リオッタ
ダン・リーズ
ロイド・アダムズ
チー・マクブライド
クリスタ・ブリッジス
アラン・ヴァン・スプレンジ
アンナ・オープンショー
バスタ・ライムズ

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