2003年2月14日金曜日

模倣犯

そりゃもう最悪。何が最悪って、脚本が最悪。原作が面白かっただけに残念だ。原作ではストーリーは単純だが、これでもかっていうほど登場人物の掘り下げをしてて非常に読み応えがあったから、映像化するときはどこにスポットを当てて観せてくれるのだろうかと、楽しみにしてのに・・・。
展開は説明不足でわけがわからないシーンの切り張りだし、クライマックスは盛り上がりに欠けた上にピース(仲居正広)の最期は失笑もん。ラストシーンに至ってはなんだそりゃ?せめてどこかに伏線くらいかませようよ。全体に奇を衒い過ぎだよ。誰にも感情移入できないし、問題提起にもなってないよ。インデペンデンスで作ってももっとましになったと思うのだが。正月のかくし芸大会みたい。
原作を読まずに観た人はどんな感想を持ったのだろうか。

原題模倣犯
製作年2002
製作国日本
時間123
監督森田芳光
原作宮部みゆき
脚本森田芳光
撮影北信康
出演仲居正広
藤井隆
津田寛治
山崎努
木村佳乃

2003年2月13日木曜日

ハリー・ポッターと秘密の部屋

前作とは違い、今回は原作を読んでからずいぶんと時間が経ってたので、別物として観た。という意味ではそれなりに面白かった。
後で気が付いたが抜けてるエピソードがあったり、説明不足な部分(これは原作を知ってるから気にならなかったが)があったようだ。やはり161分は決して短くないが、それでも原作の面白さを出すには短すぎるようだ。しかも次回に繋がる重要な要素を今回全部抜いてしまったのが非常に気になる。こうなると次回作はもっと原作から離れてしまうと思うのだが。脚本に苦労しそうだ。
また、3人の成長振りは今後加速するだろうから、4作目辺りではもう原作を読んで得るイメージとかなりかけ離れてしまいそう。原作者のイメージはともかく、文章から思い描くハリーはまだまだ子供なのだ。
とかく『ロード・オブ~』と比較してしまうが、このシリーズ(非原作)は子供向けということを忘れてしまうと辛口にならざるを得ない。原作を忘れ、気を楽にして素直にスクリーンに入り込もう。

原題HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS
製作年2002
製作国アメリカ
時間161
監督クリス・コロンバス
原作J・K・ローリング
脚本スティーヴ・クローヴス
撮影ロジャー・プラット
出演ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン

2003年2月12日水曜日

ボーン・アイデンティティー

M・デイモンってば好きな役者さんなんだけど、いまいちパッとしないね。当たり役がないせいかね。『オーシャンズ11』や『ラウンダーズ』の役柄も良い感じだったけど、『リプリー』でみせたような静かな狂気をもっと演じて欲しいな。
今回はちょっと中途半端な感じ。記憶はないが体が覚えてる暗殺者としての一流の腕というのは十分に魅せてくれたが、あまりにも怯えた理性との違和感がありすぎる。中盤から怒涛の追っかけっこはスピーディで良いのだが、ジェイソン(M・デイモン)の投げやり感がどうにも拭えなくてすっきりしない。分かりやすい脚本に慣れすぎてるのかもしれないが、もうちょっと“前半の訳もわからずに追いかけられるサスペンス要素と後半の反撃に転じるアクション要素をはっきりさせても良かったのではないだろうか。全体的に流れる暗い翳を意識しての演出なら成功してるがエンターテイメントとしてはイマイチ。
嫌いではないが、面白かったとは言い切れない。

原題THE BOURNE IDENTITY
製作年2002
製作国アメリカ
時間119
監督ダグ・リーマン
原作ロバート・ラドラム
脚本トニー・ギルロイ
撮影オリヴァー・ウッド
出演マット・デイモン
フランカ・ポテンテ
クリス・クーパー

2003年2月11日火曜日

007/ダイ・アナザー・デイ

007の20作目。ショーン・コネリー以来、007が似合う男だと思ってるP・ブロスナン。残念ながら、彼の007は今回が最後だという噂。そろそろ体力的に辛いというコメントだとか。もっと続けて欲しいものだ。
今回感じたのはやけにCGが多いこと。もちろん否定的な意見ではなく、「あぁ、このシリーズもそういう時代になったか」と思ったのだ。何ていうか、007シリーズに求めるものってジェームズ・ボンドの色っぽさとスマートさ(優雅さ)だと思ってる。まぁS・コネリーにスマートさがあったかどうかはさておき、派手なアクションなら幾らでも良い映画はある。手に汗握るアクション大作なんてものは求めてない。だからCGを多様して欲しくないと思ってしまう。ボンドがカッコよければそれでいい。
また、関西でいうところの吉本新喜劇的な“お約束”の面白さもシリーズならではの楽しみ。Qのとぼけたキャラと毎回出てくる新商品(笑)にはやはりニヤリとしてしまうのだ。それと今回は、マニーペニーにやられた。お約束を逆手にとった巧い演出。最後の最後で笑わせてくれた。
そうそう、R・パイクも可愛かったが、H・ベリーもやっぱり可愛いと明記しておく。

原題DIE ANOTHER DAY
製作年2002
製作国アメリカ/イギリス
時間123
監督リー・タマホリ
原作イアン・フレミング
脚本ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
撮影デヴィット・タッターサル
出演ピアース・ブロスナン
ハリー・ベリー
トビー・スティーブンス
ロザムンド・パイク
リック・ユーン
マドンナ(カメオ出演)

2003年2月10日月曜日

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔

映画公開時のコピー“第一部は序章でしかなかった。”は嘘じゃなかった。3時間あまりの大作だけど、全く気にならず。おどろおどろしくて、わくわくして、温かくて、圧倒的。正にファンタジーの王道。前作のラストは尻切れ感が否めなかったが、今作はすっきり終わる(もちろん第3部に続くのだが)。これはひとえに今回のメインである戦争の区切りがついてるからだろう。
セオデン王(バーナード・ヒル)の気弱さに苛々し、アラゴルン(V・モーテンセン)の活躍にハラハラし、レゴラス(オーランド・ブルーム)のカッコよさに惚れ、ギムリ(ジョン・リス=デイヴィス)のコケティッシュさを笑い、戦闘の激しさにドキドキして、もうダメだと思ったときにガンダルフ(I・マッケラン)の登場で泣きそうになった。すっかり入り込んでしまった。
これはもう次回作を期待しないわけにはいかない。

原題THE LORD OF THE RINGS: THE TWO TOWERS
製作年2002
製作国アメリカ
ニュージーランド
時間179
監督ピーター・ジャクソン
原作J・R・R・トールキン
脚本ピーター・ジャクソン
フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン
スティーブン・シンクレア
撮影アンドリュー・レスニー
出演イライジャ・ウッド
イアン・マッケラン
リヴ・タイラー
ヴィゴー・モーテンセン
ショーン・アスティン
ビリー・ボイド
ドミニク・モナハン
オーランド・ブルーム
ケイト・ブランシェット
ヒューゴ・ウィーヴィング
ジョン・リス=デイヴィス
バーナード・ヒル
イアン・ホルム
ショーン・ビーン
アンディ・サーキス
ミランダ・オットー

2003年2月9日日曜日

ワサビ

かなりの酷評を受けた作品として観たけど、結構好きかも。軽い(薄っぺらい?)コメディとしてかなり笑った。L・ベッソンの作品(監督は違うけど)としては『TAXI』に似た感じやね。日本の文化を間違えて伝えてるとえらく怒ってるコメントも見かけるが、そこはそれ。外国人から見た日本として(元々フィクションなんだし、これが日本だと思うのも違うと思うが)デフォルメされた部分が楽しいと思うのだが。随所に流れるみょうちきりんな音楽にも笑った。あれって絶対日本人向け(少なくとも日本語がわかる人向け)のギャグだと感じたのだが、どう?
出演陣も良い。J・レノは言うまでもなく、広末も(日本語の台詞は違和感あったが)好演してるし、なんと言ってもモモ(M・ミューラー)の位置がイイ!一見の価値はあると思われる。じっくり観ようと思わないで、L・ベッソンらしい“ベタベタ(スカスカ?)のギャグ”を素直に笑ってもらいたい。

原題WASABI
製作年2001
製作国フランス
時間95
監督ジェラール・クラヴジック
脚本リュック・ベッソン
撮影ジェラール・ステラン
出演ジャン・レノ
広末涼子
ミシェル・ミューラー
キャロル・ブーケ

2003年2月8日土曜日

スパイ・ゲーム

これ、めずらしく試写会で観た。そのときの感想は「もう1回観たい」。
残念ながらそれほど話題にならなかったようだが、お勧めする。ちょっと気を抜くと展開がわからなくなるが、それが面白い。最後まで目が離せない。ヒロイン(?)がちょっと物足りない気がするが、そこはそれ。R・レッドフォードとB・ピットだけを観てればよろしい。スピード感はあるが緊迫感がない分、楽(これは誉めてるんです)。会話と映像の端々で見せる伏線にあとでちゃんとニヤリとさせてくれるので最後まですっきり観ることができる。ただし、じっくり観たい気分なら止めておいたほうがいい。これは軽く観るための映画だ。
新旧の男前が前面に出てる割には厭味じゃないのが不思議だ。B・ピットはどこまでいってもB・ピットだが、R・レッドフォードもどこまでいってもR・レッドフォードなんだな、と改めて思った。二人ともどんな役もこなせるだろうけど、監督からすれば使い辛い役者さんなんだろうな。

原題SPY GAME
製作年2001
製作国アメリカ
時間127
監督トニー・スコット
脚本マイケル・フロスト・ベックナー
デヴィッド・アラタ
撮影ダニエル・ミンデル
出演ロバート・レッドフォード
ブラッド・ピット
キャサリン・マコーマック
スティーブン・ディレイン
ラリー・ブリックマン

2003年2月7日金曜日

メメント

ラストシーンから始まって画面が変わるごとに時系列を逆に進んでいくという見せかたは面白い。ストーリーは非常に単純。しかし観終ってももんもんとしたモノが後を引く。聞くところによると、公開当時はリピーターが多かったとか。力入れて台詞と場面をしっかり見てれば『もう一度観ないと分け判らん』とは思わなかった。確かに頭(記憶力)は使うが・・・。それより一体誰が嘘をついてるのか?誰が真犯人なのか?を考えてると『え?まじ?』と良い感じで裏切られ、それと同時にゾッとする。集中して観てれば中だるみはあんまり気にならないと思う。あんまり細かい部分に気を取られないように見たほうが楽しめる。
それにしても真実はどこにあるのか?自分の記憶がどこまで正しいのか?彼はこれからどうなるのか?気になって仕方がない。これってしっかり監督の思惑にはまってるんだろうな。
G・ピアースは『タイムマシン』の時にはなんともたよんない感じでミスキャストだと思ったんだけど、『L.A.コンフィデンシャル』とこの作品ではその存在感のなさがばっちり(笑)。J・パントリアーノは『ミッドナイト・ラン』や『マトリックス』であったように小悪人ぶりが好き。いずれG・オールドマン的な異彩を放ってくれると嬉しいんだが。そう言えばC=アン・モスも『マトリックス』に出てたんやね。
ちなみに“MEMENTO”は“記念品/形見”という意味だそうだ。

原題MEMENTO
製作年2000
製作国アメリカ
時間113
監督クリストファー・ノーラン
原作ジョナサン・ローラン
脚本クリストファー・ノーラン
撮影ウォーリー・フィスター
出演ガイ・ピアース
キャリー=アン・モス
ジョー・パントリアーノ

2003年2月6日木曜日

ベティ・サイズモア

ベティ(R・ゼルウィガー)に惚れた(笑)。あの微妙な表情は、はっきり好き嫌いが分かれるところだろうが、他の作品ならともかく、これに関しては絶妙。彼女のために書かれた脚本と言っても過言ではないだろう。年齢を考えると微妙だということはこの際忘れたほうがいい。
コメディのつもりでお気楽モードで観てたら冒頭の殺人シーンで心臓がひっくり返った。も、もしかしてあれは笑うシーンなのか?かなり引くと思うのだが。
そこから先は最後までほのぼの。彼女の表情だけで楽しめた。勿体無いと思う伏線やシーンも幾つかあったが、そこはそれ。突っ込むまでもないことだ。
客観的に観てしまうともうそりゃ面白くもなんともないかもしれないので、ぽわわ~と心の間口を広くして観ることをお勧めする。
ところで、なぜM・フリーマンはこの役を引き受けたのだろう。全然作品の中に溶け込めてない。だからこそ、全体的に浮つき過ぎなくてすんだとも言えるが。
さらにジョージ(G・キニア)のことを“最上の男前”と評する台詞(これがまた重要な台詞だったりする)があるが、それならもっと男前をキャスティングしたほうが良かったのではないのだろうか?それともその台詞とのギャップを笑えというのか?うーん。
ついでにもう一つ。『バックトゥーザフューチャー』のお父さん役で出てたC・グローバーが好い味出してる。あの動きはそのまんまだ(笑)

原題NURSE BETTY
製作年2000
製作国アメリカ
時間112
監督ニール・ラビュート
原作ジョン・リチャーズ
脚本ジョン・リチャーズ
ジェームズ・フラムバーグ
撮影ジャン=イヴ・エスコフィエ
出演レニー・ゼルウィガー
モーガン・フリーマン
クリス・ロック
グレッグ・キニア
クリスピン・グローヴァー

2003年2月5日水曜日

ミルク・マネー

『ワーキング・ガール』のぽっちゃりイメージしかないからM・グリフィスがすぐには判らなかった。でもあの表情と鼻に抜ける声はやっぱり彼女独特のもので可愛らしいんだよね(っていう年齢でもないけど)。好きな女優さんなわりに彼女の出演作をほとんど観てないことを発見。一流どころだと思ってたけどあんまりメジャー作に出てないのね。
E・ハリスはやっぱりイイ。派手さはないけど、安心できる。天然系のとぼけた感じも合うんやね。
ハートフルコメディっていうのかな、ほのぼの観てあったかくなる。さらっと観るのに良いね。刺々した時に観るにはちょっと軽すぎる気はしたんだが、脚本がラジー賞とってるとは思わなんだ。そんなに悪かったかなぁ。

原題MILK MONEY
製作年1994
製作国アメリカ
時間109
監督リチャード・ベンジャミン
脚本ジョン・マトソン
撮影デヴィッド・ワトキン
出演メラニー・グリフィス
エド・ハリス
マイケル・パトリック・カーター

2003年2月4日火曜日

ギルバート・グレイプ

こういった作品は息苦しくなることが多いのだが、その閉塞感がない。いや、確かに閉塞感は存在するのだが、不快でない。最後には清々しさすら感じた。ギルバート(J・デップ)の葛藤や心の動きが自然にこっちに染みてくる。監督はスウェーデンの出身だという。外国人から見たアメリカはどこか懐かしく美しい。ましてや舞台は中西部の田舎町。それがスクリーンを通じて外国人である僕の目に優しく映る。アメリカ人にはどう映ったのだろうか。
L・デカプリオの出世作になったと観た後で聞いた。確かに巧い。障害者をいかによく巧く演じてるかどうかではなく、この作品の中に実によく溶け込んでる。役柄単体で観ると不自然な部分があっても全体的に違和感なく、あくまで兄の心の枷として存在感を発揮してる。可愛いし(笑)
J・デップ(J・ロウと間違えてた)と言えば『シザーハンズ』。男前でエキセントリックでアウトローな役を好んでディープなファンが多いというイメージ。ここでも(突飛ではないが)いい感じで田舎のにーちゃんを演じてて好き。しかしあの長髪は似合わんと思うのだが。いやいや、役柄としてはばっちりなんだけどね。知り合いに似てるからかなぁ。
他のキャスティングも絶妙。みんな押さえ気味の演技なんだけど、ちゃんと存在感があって、それでいて全体が破綻なく一方向に向いて収まってる。想い馳せれば、あの登場人物たちの日常が、過去から未来に渡りありありと想像することができる。静かに後を引く映画。

原題WHAT'S EATING GILBERT GRAPE
製作年1993
製作国アメリカ
時間117
監督ラッセ・ハルストレム
原作ピーター・ヘッジズ
脚本ピーター・ヘッジズ
撮影スヴェン・ニクヴィスト
出演ジョニー・デップ
ジュリエット・ルイス
メアリー・スティーンバージェン
レオナルド・ディカプリオ

2003年2月3日月曜日

バトルランナー

確か初めて観た当時は割に見入った記憶があったのだが・・・。今思えばシュワちゃんが観たかっただけか。
はっきり言って失敗作。古い映画にはありがちだが、チープな未来社会の世界観。中途半端な格闘シーン。突っ込むのも躊躇われるストーリー展開。強引にもほどがある。なにより登場人物たち全員の呆れるまでのセンスのないコスチューム。一体なんだこれわ?60年代に作られたのなら笑って済ませられるんだが・・・。
原作はスティーヴン・キングが別名を使って書いた作品。これは原作のせいじゃないよな(読んだことないけど)。脚本とか監督とか何とかならなかったのだろうか。それとも予算の関係なのか。作らないほうが良かった気がする。
ただ、見所はある。今観れば(豪華かどうかは別にして)見覚えのある役者が多数出演してる。「あ、この人アレに出てた人だ。こんな映画にも出てたのか。困ってたのかなぁ。それとも断れなかった理由があるのかなぁ。」と思えば中々楽しめた。

原題THE RUNNING MAN
製作年1987
製作国アメリカ
時間101
監督ポール・マイケル・グレイザー
原作リチャード・バックマン
脚本スティーブン・E・デ・スーザ
撮影トーマス・デル・ルース
出演アーノルド・シュワルツェネッガー
マリア・コンチータ・アロンゾ
ヤフェット・コットー
リチャード・ドーソン
ジム・ブラウン
アーランド・ヴァン・リドス

2003年2月2日日曜日

まごころを君に

原作は言うまでもなく『アルジャーノンに花束を』。本屋で見かける度に買おうかどうしようか迷ってた。リメイク版も話題になってから、そっちも観たいと思ってた。ただ、予備知識は“なんか泣ける話らしい”ということだけ。ユースケが主演でドラマもやってたようだが、それも観てない。ってかこれは演技が痛くて観れなかったのが正解。
もう少しファンタジー要素の強い話かと想像してたが実際は(SFをベースにしてるが)硬派な話。泣ける話ではなかった。一体どこから得た情報だったのか。不思議だ。しかもこんなに古いとは思わなかった。
作品に関しては、ストーリー後半に唐突に入るサイケデリックな映像(古いSF映画にありがち)とその後のヒロインの突然の心変わりにはびっくりした。そこから結末に向けてかなり強引な展開になるんだが、全く方向性の違う二人の監督がそこを境に分けて撮影したかと思うくらい作品の雰囲気が変わる。ラストシーンも意図するところは判るんだが、なんだか尻切れな感じが否めない。前半に散りばめられた人権問題を指摘する伏線を後半でチャーリーの口から言わせるのも性急すぎて戸惑った。
ただ、その中でチャーリーが語る社会の未来像は中々面白かった。今だから笑えるのかもしれないが。それにしてもどうも舞台劇を意識したカット割な気がする。スクリーンじゃなくて舞台でやればもっと面白いと思ったかも。
次は原作を読んでからリメイク版を観てみたい。

原題CHARLY
製作年1968
製作国アメリカ
時間104
監督ラルフ・ネルソン
原作ダニエル・キイス
脚本スターリング・シリファント
撮影アーサー・J・オーニッツ
出演クリフ・ロバートソン
クレア・ブルーム
リリア・スカラ
レオン・ジャーニー

2003年2月1日土曜日

007/ダイ・アナザー・デイ

007の20作目。ショーン・コネリー以来、007が似合う男だと思ってるピアース・ブロスナン。残念ながら、彼の007は今回が最後だという噂。そろそろ体力的に辛いというコメントだとか。もっと続けて欲しいものだ。
今回感じたのはやけにCGが多いこと。もちろん否定的な意見ではなく、「あぁ、このシリーズもそういう時代になったか」と思ったのだ。何ていうか、007シリーズに求めるものってジェームズ・ボンドの色っぽさとスマートさ(優雅さ)だと思ってる。まぁショーン・コネリーにスマートさがあったかどうかはさておき、派手なアクションなら幾らでも良い映画はある。手に汗握るアクション大作なんてものは求めてない。だからCGを多様して欲しくないと思ってしまう。ボンドがカッコよければそれでいい。,また、関西でいうところの吉本新喜劇的な“お約束”の面白さもシリーズならではの楽しみ。Qのとぼけたキャラと毎回出てくる新商品(笑)にはやはりニヤリとしてしまうのだ。それと今回は、マニーペニーにやられた。お約束を逆手にとった巧い演出。最後の最後で笑わせてくれた。
そうそう、ロザムンド・パイクも可愛かったが、ハリー・ベリーもやっぱり可愛いと明記しておく。

原題DIE ANOTHER DAY
製作年2002
製作国アメリカ
イギリス
時間123
監督リー・タマホリ
原作イアン・フレミング
脚本ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
撮影デヴィット・タッターサル
出演ピアース・ブロスナン
ハリー・ベリー
トビー・スティーブンス
ロザムンド・パイク
リック・ユーン
マドンナ