2003年10月12日日曜日

アンダーワールド

ヴァンパイア好きとしてはどんなにマイナーでも観ない訳にはいかない。特に目立つ俳優が出ているわけではないものの、大作にそこそこの役どころで出ている人たちが多い。予算の関係だろうか。まぁこういった作品には顔と名の通った役者がいないほうが良いというのは確か。
どうでもいいことではあるが、主役であるセリーンを演じるK・ベッキンセイルは、種族の敵であるルシアンを演じるM・シーンと交際していた(4歳になる娘が居るとか)が、この作品の撮影中にL・ワイズマン監督と恋に落ち、現在婚約中だとか。
タイトルが示す通り、全編通して画面が暗い。おどろおどろしい感じではなく、最近のアクション映画にあるような硬質感がある。ヴァンパイアとライカン(獣人のこと。この作品ではワーウルフがメイン)の戦争っていうのはアイディアとしては好き。個人的にはこの二つの種族の戦闘シーンは柔と剛の戦いだと想像していたのだが、作中では銃撃戦がメインで多少のワイヤーアクションはあるものの少々物足りない。K・ベッキンセンのレザースーツ姿と凛々しい表情はカッコいいのだが、イマイチアクションが硬いのも残念。
全体的に物語りの入り込みが足りないまま終盤まで行ってしまうので、映像としては良くても(ライカンの変身シーンは良かった)印象に薄くて浅い。セリーンとマイケル(S・スピードマン)とのロマンスもハードに纏めたかったのだろうが、何とも言えず中途半端。結局人物像として一番印象に残ったのはルシアンだけだった。
ラストで次回作を匂わしているが、果たして制作費が集まるのだろうか。TVシリーズとしては良いかもしれない。

原題UNDERWORLD
製作年2003
製作国アメリカ
時間121
監督レン・ワイズマン
脚本ダニー・マクブライド
撮影トニー・ピアース=ロバーツ
出演ケイト・ベッキンセイル
スコット・スピードマン
シェーン・ブローリー
マイケル・シーン
ビル・ナイ
アーウィン・レダー
ソフィア・マイルズ

2003年10月11日土曜日

アイデンティティ

予備知識を全く無しで観た。二つの平行する物語がどこでどんな風に交わるのかと、想像しながら観ていたが、良い意味で裏切られた。割りと好き嫌いがある作品だと思われるので、密かにオススメする。
出演陣も嬉しい。J・キューザックはもちろんだが、A・ピート(『隣のヒットマン』、『チェンジング・レーン』等)やR・リオッタ(『不法侵入』、『ハンニバル』、『ジョンQ』等)、C・デュバル(『パラサイト』、『ノイズ』、『ゴースト・オブ・マーズ』等)などなど好みの俳優がイイ。
全体の雰囲気はヒッチコックかキングを思わせる。サイコサスペンスともSFとも取れる展開はクライマックスで意外な結末を見せてくれた。決して大作ではないが、十分に楽しめる作品。ラストシーンはありがちかもしれないが、ハッピーエンドでないのもらしくていい。

原題IDENTITY
製作年2003
製作国アメリカ
時間90
監督ジェームズ・マンゴールド
脚本マイケル・クーニー
撮影フェドン・パパマイケル
出演ジョン・キューザック
レイ・リオッタ
レベッカ・デモーネイ
アマンダ・ピート
ジョン・ホークス
アルフレッド・モリナ
クレア・デュヴァル
ウィリアム・リー・スコット
プルイット・テイラー・ヴィンス
ジョン・C・マッギンレー
ブレット・ローア
レイラ・ケンズル

2003年10月10日金曜日

ファム・ファタール

っつーかオチで思わず突っ込んでしまった。デ・パルマファンに言わせると、まぁ予想できるオチだったらしいが、特に何も考えずに観ていただけに意表を突かれた。
ボレロの音楽と共に進むのんびりとした雰囲気(サスペンスなのでそれなりに緊張感はあるが、間の取り方が巧く踊っているように進むストーリーがゆったり感をかもし出している)がやけに画面の雰囲気と合ってて、しかもその多少苛々とさせる進行がニコラス(A・バンデラス)の心情とリンクするように感じるところが凄い。本来主役はロール(R・ローミン=ステイモス)だし、彼女中心に展開していくのだが、自分が男だからか、ニコラスに感情移入して観ていた。
サスペンスというにはまったりとしすぎている気もするが、これはこれでいいのだろう。途中飽きそうで飽きないのも見せ方が上手いからなのだろうし、行き過ぎに思えるエロティックなシーンも堪能してしまった。それから、A・バンデラスのオカマな演技を見せてくれたのには笑った。あんまり長く続かなかったのは残念。
ちなみに、この映画の音楽は坂本龍一が担当している。

原題FEMME FATALE
製作年2003
製作国フランス
アメリカ
時間115
監督ブライアン・デ・パルマ
脚本ブライアン・デ・パルマ
撮影ティエリー・アルボガスト
出演レベッカ・ローミン=ステイモス
アントニオ・バンデラス
ピーター・コヨーテ
エリック・エブアニー
エデュアルド・モントート
ティエリー・フレモン
グレッグ・ヘンリー
リエ・ラスムッセン
フィオナ・カーソン

2003年10月9日木曜日

閉ざされた森

あれよあれよと言う間に話が進んでいき、一体誰が本当のことを言っていて誰が嘘を言っているかを考えている内にクライマックスからエンディングを迎えてしまった。登場人物も整理しきれないが、兵士の供述を回想シーンのようにフラッシュバックさせるので、それも整理しきれないままになった。
特に考えずに観てもそれなりに面白いと思うが、やはりこれはDVDで一時停止をしながら推理を働かせて観るのが良いだろう。とりあえずもう一度観たいと思った。そうそう、主題が全然違うが、状況的に『JSA』を思い出した。
J・トラボルタがいい感じの役柄で出ている。『パルプ・フィクション』の時の雰囲気と言おうか。含みのあるにやりとした時の目が良いよね。
S・L・ジャクソンも相変わらず。やっぱり悪役(?)が似合う。C・ニールセンは『ミッション・トゥ・マーズ』『ストーカー』と重要な役で観てるにも関わらず、印象が薄い。巧い役者さんだとは思うが・・・見た目が普通すぎるのか。いや、こういう巧いバイプレイヤーが居てこその映画なんだけどね。
バックに流れるボレロが印象的。

(2009/05/17再見)
全体的に画面が暗い上に迷彩を施した外国人の顔と名前が一致し辛いのは相変わらずだけど、それでも初見よりも内容を把握しながらの鑑賞で、もう少し細かい設定や台詞、伏線に気付くことができた。やっぱ面白い。J・トラボルタが良いわ(笑)
酷評が多いけど、僕は好き。


原題BASIC
製作年2003
製作国アメリカ
時間98
監督ジョン・マクティアナン
脚本ジェームズ・ヴァンダービルト
撮影スティーブ・メイソン
出演ジョン・トラヴォルタ
コニー・ニールセン
サミュエル・L・ジャクソン
ジョヴァンニ・リビシ
ブライアン・ヴァン・ホルト
テイ・ディグス
ティム・デイリー
クリスチャン・デ・ラ・フエンテ
ダッシュ・ミホク
ロゼリン・サンチェス
ハリー・コニック・Jr

2003年10月8日水曜日

S.W.A.T.

予告に騙された。期待しなきゃそれなりに楽しめたかもしれないが、“街全体が襲ってくる”とか“最後まで一緒に闘えると思っていた”なんて煽るだけ煽っておいてそんなシーンは全体にしてみればほとんど意味のない部分だったりする。何度も何度も判っているのだが、相変わらす騙されてしまう。
個人ではなく組織を中心にした硬派なドラマ風かと思ったりもしたがそんなこともなく、それでもジム(C・ファレル)を描ききれていないし、しかもクライマックスはド派手なアクションになってしまった。色んな要素を詰め込みたいのは判るがもう少し焦点を絞ったら、続編とか作れそうなのにね。

原題S.W.A.T.
製作年2003
製作国アメリカ
時間111
監督クラーク・ジョンソン
原案ロン・ミタ
ジム・マクレイン
脚本デヴィド・エアー
デヴィッド・マッケンナ
撮影ガブリエル・ベリスタイン
出演サミュエル・L・ジャクソン
コリン・ファレル
ミシェル・ロドリゲス
LL・クール・J
ブライアン・ヴァン・ホルト
ジェレミー・レナー
ジョシュ・チャールズ
オリヴィエ・マルティネス
レグ・E・キャシー

2003年10月7日火曜日

コンフェッション

期待した割りには・・・というのが率直な感想。でも意外に面白かった、とも思う。もっと“スピーディでスパイスが効いててハラハラさせられる”と思っていただけに、あの60年代色調の画面と妙なまったり感が漂う展開、そして後から思い返せば笑えたかもしれないというコメディ要素、さらにただ豪華なだけの出演陣(B・ピットとM・デイモンのシーンは笑った)は、微妙なバランスで薄氷の上に立っている。体調とか気分次第でハマりもブーイングもするだろう。
D・バリモアが良い。出てくるキャラクタ達の中である意味一番まともであり、一番印象深い。ペニー(D・バリモア)のおかげでストーリーとして成り立ってる感すらある。『チャーリーズ・エンジェル』のような役も好きだが、こういうシリアスなD・バリモアの方が良い。最近特に好きになった女優さんだ。
S・ロックウェルも『グリーンマイル』以降気になる役者さんで、G・オールドマンみたいなバイプレイヤーになるんだろうな、と期待している。
ところで、この原作を書いたC・バリスや『ゴングショー』を知ってるともっと楽しめたかもしれないと思うとちょっと残念。

原題CONFESSIONS OF A DAGEROUS MIND
製作年2002
製作国アメリカ
時間113
監督ジョージ・クルーニー
原作チャック・バリス
脚本チャーリー・カウフマン
撮影ニュートン・トーマス・サイジェル
出演サム・ロックウェル
ドリュー・バリモア
ジョージ・クルーニー
ジュリア・ロバーツ
ルトガー・ハウアー
マギー・ギレンホール

2003年10月6日月曜日

パニック・ルーム

オープニングのタイトルバックは気に入った。どんな作品を観てもあの手この手を使っているが、これはかなり新鮮だった。
1階から4階まで一気になめたり、窓やポットの取っ手を抜けたり、ガス管の中を通ったりするカメラワークは綺麗だし、青白い画面に映えるメグ(J・フォスター)とサラ(K・スチュワート)親子の儚さも雰囲気が出てて良いのだが、犯人が軽薄すぎる。バーナム(F・ウィッテカー)はまだマシだけど、ジュニア(J・レトー)はコメディ要素になっちゃってるし(それはそれで面白いとも言える)、ラウール(D・ヨアカム)のストーリー展開上の存在意義は判るが、必然性が見られない。
一見良質のサスペンスとも思えたが、前宣伝と監督や出演者のネームバリューでしかないような気がする。全体的に好きの範疇に入る作品ではあるが、オススメするものではないということだ。

原題PANIC ROOM
製作年2002
製作国アメリカ
時間113
監督デヴィッド・フィンチャー
脚本デヴィッド・コープ
撮影コンラッド・W・ホール
ダリウス・コンジ
出演ジョディ・フォスター
クリスティン・スチュワート
フォレスト・ウィッテカー
ジャレッド・レトー
ドワイト・ヨアカム
パトリック・ボーショー

2003年10月5日日曜日

フォーン・ブース

舞台にすると面白い脚本だなと思った。全編ほぼ電話ボックスの中だけで話が進み、一人芝居でもできそう。バリエーションも沢山できるし、面白いな。
C・ファレルの演じるダメ男っぷりは相変わらず。追い詰められて挫けていく様子がイマイチなので、それならレオン(J・イーノスIII)が撃たれた時点で腰砕けになったほうが軽薄男としては良かった気もする。ともかく今は色んな役をどんどん演じてるところを観たい。
F・ウィッテカーの位置も中途半端だった気がする。時間が短かったからかもしれないがバタバタと急にクライマックスになったかと思ったらあっさり終わってしまった。もう少し練ったほうが良かったのか、もう少しあっさりしたほうが良かったのか、ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない何とも後味の悪い終わり方。しかし、ともかく初見では最後まで惹きつけられた。
ところで、電話の主を声から想像しながら観ていたのだが、ラストシーンで出てきた彼を観て、当たっていたのにはびっくりした。すごく嬉しい。

原題PHONE BOOTH
製作年2002
製作国アメリカ
時間81
監督ジョエル・シューマカー
脚本ラリー・コーエン
撮影マシュー・リバティーク
出演コリン・ファレル
キファー・サザーランド
フォレスト・ウィッテカー
ラダ・ミッチェル
ケイティ・ホームズ
ポーラ・ジャイ・パーカー
アリアン・アッシュ
ティア・テサダ
ジョン・イーノスIII

2003年10月4日土曜日

アラン・スミシー・フィルム

もう、バカバカしいだけの作品。まじめに観ると損をする。ハリウッドの裏を思いっきり茶化したのは良いんだが、一般人には判り難い。途中から誰が誰だか判らなくなるし、内輪ネタ的笑いは知らなきゃ全く面白くない。仕方がないのでカメオで出てるS・スタローンとW・ゴールドバーグとJ・チェンで笑うしかなかった。

原題AN ALAN SMITHEE FILM: BURN HOLLYWOOD BURN
製作年1998
製作国アメリカ
時間86
監督アーサー・ヒラー(アラン・スミシー)
脚本ジョー・エスターハス
撮影レイナルド・ヴィラロボス
出演ライアン・オニール
クーリオ
チャック・D
エリック・アイドル
リチャード・ジェニ
レスリー・ステファンソン
サンドラ・バーンハード
シルヴェスタ・スタローン
ウーピー・ゴールドバーグ
ジャッキー・チェン

2003年10月3日金曜日

妹の恋人

M・S・マスターソンが観たいだけで買ってしまったDVD。内容には何にも期待せずに観たものの、J・デップが良いじゃない。監督が意図したというファンタジー風の画面構成良い感じでほんわかと癒された。イタイ部分もあったが、そこはそれ、好みの俳優がいるだけでOK。

原題BENNY & JOON
製作年1993
製作国アメリカ
時間99
監督ジェレマイア・チェチック
原作バリー・バーマン
レスリー・マックネイル
脚本バリー・バーマン
撮影ジョン・シュワルツマン
出演ジョニー・デップ
メアリー・スチュアート・マスターソン
エイダン・クイン
ジュリアン・ムーア
オリヴァー・プラット
ダン・ヘダヤ
ウィリアム・H・メイシー
CCH・パウンダー

2003年10月2日木曜日

スティング

往年の名作。今更何もコメントすることもないだろう。
今の時代ではこういった良質のコメディを作ることは難しいのだろうか?

原題THE STING
製作年1973
製作国アメリカ
時間129
監督ジョージ・ロイ・ヒル
脚本デヴィッド・S・ウォード
撮影ロバート・サーティース
出演ロバート・レッドフォード
ポール・ニューマン
ロバート・ショウ
チャールズ・ダーニング
アイリーン・ブレナン
レイ・ウォルストン

2003年10月1日水曜日

ミニミニ大作戦

同様のアンサンブルキャスト作品『オーシャンズ11』よりもスターとしての豪華さはワンランク落ちるかもしれないが、ノリの良さでは断然こっちの方が面白い。作り込めばもっと精密な脚本ができるのだろうが、逆に粗くすることで楽しさが倍増している感がある。しかしD・サザーランドやJ・ステイサムにもっと活躍して欲しかったとも思うし、C・セロンのアピール度も足りなかった気もする。M・ウォールバーグにもうちょっと華があったらなんてことも感じなくはない。それでもE・ノートンの存在感はさすがなもんで、面白さの小さくない部分で彼に拠るところがあると思う。ある意味お祭り気分で観るにはもってこいだろう。
1969年のオリジナルも近いうちに観たい。

原題:THE ITALIAN JOB
製作年:2003
製作国:アメリカ
時間:111
監督:F・ゲイリー・グレイ
脚本:ドナ・パワーズ
ウェイン・パワーズ
オリジナル脚本:トロイ・ケネディ・マーティン
撮影:ウォーリー・フィスター
出演:マーク・ウォールバーグ
シャーリーズ・セロン
エドワード・ノートン
モス・デフ
セス・グリーン
ジェイソン・ステイサム
ドナルド・サザーランド
フランキー・G