初見での印象はとにかく“パワフル”だった。16ミリや8ミリ、テレビ画面やアニメーションまで目まぐるしく切り替わる映像、圧倒される暴力的な色使い、退廃的なミッキー(W・ハレルソン)とマロリー(J・ルイス)の言動は、強烈だった。ストーリーやメッセージよりも視覚的に惹きつけられたのは、もんもんと自堕落に生活をしていた二十歳だったから。今でも十分に刺激的なのだが、まだ落ち着いて観られるようになったのは、多少なりとも年齢を重ねたからだろうか。
Q・タランティーノが無名時代に書いた原作を、方向性でO・ストーンと折り合いが付かず原案とクレジットされたとか。今観ると、メッセージ性の強いO・ストーンらしい作品で、アメリカの歪みを映し出そうとしていることが良く分かる。大人の視点でみた若造たちの暴走でしかない。
30代半ばの今は、それはそれで十分に理解できるが、まだまだ娯楽としてQ・タランティーノが撮ったミッキーとマロリーのラブストーリーを観てみたいと思う。ウェイン(R・ダウニーJr)やマクラスキー所長(T・L・ジョーンズ)やスキャグネッティ刑事(T・サイズモア)をどう描くだろう。
10年後にはどういった感想を持つのだろうか。それも楽しみだ。
ところで、冒頭であっさりと二人に殺されてしまう役でジェームズ・ギャモンが出演していたのに気が付いて嬉しかった。彼は『メジャーリーク』シリーズの監督役で好きになった役者だ。『刑事ナッシュ・ブリッジス』ではナッシュの父親役として良い味を出していた。
原題 | NATURAL BORN KILLERS |
製作年 | 1994 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 119 |
監督 | オリヴァー・ストーン |
原作 | クエンティン・タランティーノ |
脚本 | デヴィッド・ヴェロズ リチャード・ルトウスキー オリヴァー・ストーン |
撮影 | ロバート・リチャードソン |
出演 | ウディ・ハレルソン ジュリエット・ルイス ロバート・ダウニー・Jr トム・サイズモア トミー・リー・ジョーンズ |
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