2004年6月27日日曜日

バトル・ロワイアルII ~鎮魂歌~

前作に比べるとただ暴力性が増しただけで、その分ドラマ性が減って面白くなくなっている。
戦闘シーンのリアリティを求めたのは良いが、元々展開にリアリティが感じられない分何も伝わってこなかった。エンターテイメントとしても問題提起としてもイマイチ。残念なことに社会的影響だけは大きかったようだ。
舞台劇でならもっと良い脚本ができそうだ。
藤原竜也はあまり映画向きでない気がする。彼の喋り方は舞台のそれではないだろうか。

原題バトル・ロワイアルII ~鎮魂歌~
製作年2003
製作国日本
時間133
監督深作欣二
深作健太
原作高見広春
脚本深作健太
木田紀生
撮影阿部亙英
出演藤原竜也
前田亜季
前田愛
忍成修吾
酒井彩名
竹内力
ビートたけし
津川雅彦
三田佳子

2004年6月26日土曜日

東京ゴッドファーザーズ



原題東京ゴッドファーザーズ
製作年2003
製作国日本
時間90
監督今敏
原作今敏
脚本今敏
信本敬子
撮影須貝克俊
出演(声)江守徹
梅垣義明
岡本綾
飯塚昭三
加藤精三
石丸博也
槐柳二
屋良有作

2004年6月25日金曜日

踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!

大掛かりなドラマということで。スクリーンじゃなくてテレビの拡大枠で十分でしょう。もちろん嫌いではない。ただ、5年ぶりの続編だからか、笑いを含め全体的な焦点が時代とズレてしまっている気がした。それも映画というメディアだからかもしれない。
官僚と現場の対決もいい加減別の形で観たい。パターンは大事だが、お腹いっぱいだ。テレビシリーズや前作ではもう少しリアリティがあった(もちろん本当の意味でのリアリティはない)と記憶しているのだが、今回はあまりにもはっちゃけすぎではなかろうか。
キャラクター過多で描ききれないなら、もう少しポイントを絞って作って欲しい。せっかく面白いシリーズなのだから、もっと大事に作ろうよ。

原題踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
製作年2003
製作国日本
時間138
監督本広克行
脚本君塚良一
撮影藤石修
出演織田祐二
柳葉敏郎
深津絵里
水野美紀
ユースケ・サンタマリア
北村総一郎
小野武彦
斉藤暁
いかりや長介
岡村隆史

2004年6月24日木曜日

パッション

エンターテイメントとして観るには痛すぎるのだが、最後まで目を離せなかった。キリストの最後の12時間ということだが、聖書は読んだことがないので、M・ギブソンがこだわったという細部というのがどの部分であるのかはわからない。しかし、受難というには惨すぎるほどのその生々しさ、痛々しさは十分に伝わってきた。これを観た熱心なキリスト教信者が心臓発作を起こしたり、犯罪者が自首してきたりという話も聞くが頷ける気がする。
M・ギブソンの「キリストを殺したのは我々全員だ」というコメントは、脚本にそのまま描写されている。鞭を打ちつけながら笑う兵士達と遠巻きに見つめる野次馬。弟子たちでさえ何もできず、それは観客である我々でさえ同じことだということだ。関係ない、責任はないと言ってしまうのは簡単だが、人間の業から目を逸らしてばかりではいけないと訴えているのだろう。
これを史実と観るか、フィクションと観るかは、キリスト教徒ではないので言わずもがな。ラストショットは希望の意味だと受け取った。

原題THE PASSION OF THE CHRIST
製作年2004
製作国アメリカ
イタリア
時間127
監督メル・ギブソン
脚本メル・ギブソン
ベネディクト・フィッツジェラルド
撮影キャレブ・デシャネル
出演ジム・ガヴィーゼル
マヤ・モルゲンステルン
モニカ・ベルッチ
ロザリンダ・チェレンターノ
クラウディア・ジェリーニ
ルカ・リオネッロ
フランチェスコ・デ・ヴィート
フリスト・ナーモフ・ショポフ
セルジオ・ルビーニ
トニ・ベルトッレリ

2004年6月23日水曜日

デイ・アフター・トゥモロー

パニックものに欠かせないドラマ性が全くないと言っても良く、そういう意味ではあまり観る価値はないのだが、どうせ観るなら映像はすばらしいので映画館のような大きなスクリーンがベスト。あまりにも唐突にやってくる氷河期だが、笑っていられるほど能天気でも居られないだけの迫力は見事だろう。
D・クエイドは『インナー・スペース』で好きになった役者。『D・O・A』や『グレート・ボールズ・オブ・ファイアー』『トラフィック』など面白い作品に出演していながら日本ではほとんど人気が出なかった。メグ・ライアンの元夫だということもあまり知られてないようだ。今年50歳になる彼だが、残念なのは年齢なりの渋い雰囲気が出ていないこと。主役を張るには物足りない気がする。
関係ないが、題名からは昔テレビドラマであった『ザ・デイ・アフター』を思い出す。

原題THE DAY AFTER TOMORROW
製作年2004
製作国アメリカ
時間124
監督ローランド・エメリッヒ
原作ローランド・エメリッヒ
脚本ローランド・エメリッヒ
ジェフリー・ナックマノフ
撮影ウエリ・スタイガー
出演デニス・クエイド
ジェイク・ギレンホール
イアン・ホルム
エミー・ロッサム
ジェイ・O・サンダース
セーラ・ウォード
アージェイ・スミス
タムリン・トミタ
オースティン・ニコルズ
ダッシュ・ミホク
カール・アラッキ
ケネス・ウェルシュ

2004年6月22日火曜日

スターシップ・トゥルーパーズ2

なんか、勢いだけで作ってしまったという感が否めない。ドラマシリーズもあるらしいが、本国ではそれほどの人気なのだろうか。疑問だ。
こういう作品は嫌いではないが、さすがに前作ほど予算が取れなかったのか、虫たちとの攻防戦に迫力がない。戦いが次の段階に進んだと言えばそれまでだが、昔あった『V』シリーズを思わせるような尻すぼみ感だけが印象に残った。

原題STARSHIP TROOPERS 2: HERO OF THE FEDERATION
製作年2003
製作国アメリカ
時間92
監督フィル・ティペット
原作ロバート・A・ハインライン
脚本エド・ニューマイヤー
撮影クリスチャン・セバルト
出演ビル・ブラウン
リチャード・バージ
コリーン・ポーチ
エド・クイン
ドリュー・パウエル
エド・ローター
ケリー・カールソン
サイ・カーター
ブレンダ・ストロング
ローレンス・モノソン
ジェイソン=シェーン・スコット
サンドリーヌ・ホル

2004年6月21日月曜日

恋愛適齢期

熟年男女の恋愛。二人とも可愛いじゃないですか。
J・ニコルソンもD・キートンもそれぞれらしい設定の二人が、小気味いい会話のテンポをファンタジックに魅せてくれる。
ストーリーはごくありふれたものかもしれないが、かなり新鮮に観れた。安心して観れる大人のファンタジーだ。女性の視点で描かれたもであることは確かだが、素直に観れば男にとっても十分楽しめる。
ところで、K・リーヴスはミスキャストだよね。

原題SOMETHING'S GOTTA GIVE
製作年2003
製作国アメリカ
時間128
監督ナンシー・マイヤーズ
脚本ナンシー・マイヤーズ
撮影ミヒャエル・バルハウス
出演ジャック・ニコルソン
ダイアン・キートン
キアヌ・リーヴス
フランシス・マクドーマンド
アマンダ・ピート
ジョン・ファヴロー
ポール・マイケル・グレイザー
レイチェル・ティコティン

2004年6月20日日曜日

21グラム

人が死ぬ瞬間に体重が21g減るという話は聞いたことがある。科学的に説明できないためにそれが魂の重さだという意見があるとか。
命って何だ?生きるって何だ?と直球勝負で問いかけられる。生活に疲れているときに観るには少し重いが、そういうときだからこそ観たい作品。「それでも人生は続く」という台詞が心に残る。
とにかくB・デル・トロが良い。生活に苦しみ、人生に苦悩し、神様に依存しながらもしっかりと地に足のついた男の表情を見事に魅せている。事の前後で顔つきから雰囲気まで変わっていく演技はさすがだったS・ペンやN・ワッツの勢いも良かったが二人がかすれて見える。
ストーリーが単純な分、時間軸を切り貼りした表現は緊張感を保つために良いとは思うが、少し細かすぎな気がする。

原題21 GRAMS
製作年2003
製作国アメリカ
時間124
監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本ギジェルモ・アリアガ
撮影ロドリゴ・プリエト
フォルトゥナート・プロコッピオ
出演ショーン・ペン
ペニチオ・デル・トロ
ナオミ・ワッツ
シャルロット・ゲンズブール
メリッサ・レオ
ダニー・ヒューストン
クレア・デュヴァル

2004年6月19日土曜日

ビッグ・フィッシュ

残念ながら、思うほど泣けなかった。ファンタジックな展開は面白く観たが、息子ウィル(B・クラダップ)が父エドワード(A・フィニー/E・マクレガー)に対して感じていたはずの愛情を画面からは全く感じなかった。ただただ困惑するばかりで、クライマックスまで困惑したまま絆を結びなおす暇もなく父は逝ってしまう。これじゃ感情移入ができない。葬儀のシーンをもう少し長くすれば、思い出と共に生き生きとする父を思い返して泣けたかもしれない。
A・フィニーは『エリン・ビロコビッチ』のときのままの気さくな親父。自分の親父だったら大変だろうけど、友達の親父としては最高かも。『アニー』(82年度版)のウォーバック氏として出演してたとは気が付かなかった。
D・デヴィート、S・ブシェミを始め、その他にも個性的な俳優陣を眺めるだけでも楽しい作品に仕上がってる。もし、子供に自分の人生を語るとすれば、ドクターベネット(ロバート・ギローム)が言うように、やはり脚色をして面白おかしく伝えたいと思う。そういう意味ではエドは大したストーリーテラーだったはずだ。何も真実だけが全てじゃないよね。

原題BIG FISH
製作年2003
製作国アメリカ
時間125
監督ティム・バートン
原作ダニエル・ウォレス
脚本ジョン・オーガスト
撮影フィリップ・ルースロ
出演ユアン・マクレガー
アルバート・フィニー
ビリー・クラダップ
ジェシカ・ラング
ヘレナ・ボナム=カーター
アリソン・ローマン
スティーヴ・ブシェミ
ダニー・デヴィート

2004年6月18日金曜日

座頭市

これは座頭市という名を借りただけの全く違う作品であることを認識してから観るべきだろう。観ればすぐ分かる。座頭市である必要が全くないのだから。
金髪であることや、タップダンス、CGを多用した派手な血しぶきなども別に賛否両論でるほどのことはない。時代劇という形態をとったエンターテイメントなんだから。そういう意味ではさすが北野監督というべきだろう。少々臭すぎる演出が鼻につかないこともないが、それは彼のスタイルだしね。
某局のかくし芸大会の延長という意見もあるが、それも良し。これは確かに面白い。ただ、名作というにはお遊びが過ぎるだけ。
色々と細かいところで日本映画に対するこだわりみたいなものがあるようだから、一度は観ても損はない。

原題座頭市
製作年2003
製作国日本
時間115
監督北野武
原作子母沢寛
脚本北野武
撮影柳島克己
出演ビートたけし
浅野忠信
夏川結衣
大楠道代
橘大五郎
大家由祐子
ガダルカナル・タカ
石倉三郎
柄本明

2004年6月17日木曜日

黄泉がえり

面白かった。是非原作を読みたくなった。残念ながら学芸会の域をでない草なぎくんの演技は観ててだいぶと寒いものがあるし、本来オムニバスでもっと深く描かれてたであろう甦った人たちのドラマが薄かったのを差し引いても面白いと思えたのはなぜだろう?
あまりにも唐突な柴崎コウのコンサートだったが、歌は心に響いた。良い歌だと思う。
冷静に考えると大したこともないはずなのだが、ともかく印象には残った作品になった。

原題黄泉がえり
製作年2002
製作国日本
時間126
監督塩田明彦
原作梶尾真治
脚本犬童一心
斉藤ひろし
塩田明彦
撮影喜久村徳章
出演草なぎ剛
竹内結子
石田ゆり子
哀川翔
山本圭壱
伊東美咲
忍足亜希子
寺門ジモン
柴咲コウ
田中邦衛

2004年6月16日水曜日

ぼくんち

西原理恵子原作の同名漫画は(自分でも意外だったが)未読。これは読まねばと思った次第。
普通に面白かった。ある種のまったり感と、一歩間違えると苛々しそうになる間がツボに入った。一太(矢本悠馬)二太(田中優貴)の子役としての稚拙さや、一人浮いてしまっているかの子(観月ありさ)も狙ってのキャスティングなら凄い。決して否定ではなく、周囲の日常に入り込んだ非日常たちというイメージにハマった。所々やりすぎやろ、と感じなくもないが、ありそうでなさそうなギリギリの線上が面白い。
ちなみに細かい話だが、関西のようで、で、ないようなという設定だが、関西人的には“島”という設定上“瀬戸内”というほうがしっくりくる。関東人的にはなんでも一緒なのだろうがね。
不満を言えば、目線の高さがばらばらで主人公3人の誰にも感情移入できないこと。ショートストーリーを繋げた感がある。これは監督の意図したところかもしれないが、淡々としすぎてラストでこみ上げるという感覚を得られなかったのが残念。まぁ、そこが西原ワールドらしいのかもしれない。
作中、二太が言う「(普通は)あったかいごはんの中や思う」というのはグッとくるものがあった。これは名言だ。それから、ラストシーンで、やはり二太が、あれだけ頼りにしてる一太ではなくかの子の言う「こいう時は笑うんや」をさらりと言うところは良いね。
そうそう、後で知ったのだが、原作者がちらりと出演してる。らしいと言えばらしい役柄だな。

原題ぼくんち
製作年2002
製作国日本
時間115
監督阪本順治
原作西原理恵子
脚本宇野イサム
撮影笠松則通
出演観月ありさ
矢本悠馬
田中優貴
真木蔵人
今田耕司
濱口優
新屋英子
南方英二
笑福亭松之助
志賀勝
岸部一徳
鳳蘭

2004年6月15日火曜日

フローズン・インパクト



原題FROZEN IMPACT
製作年2002
製作国アメリカ
時間94
監督ニール・キンセラ
脚本スコット・ブラウン
撮影ジェフ・セッケンドルフ
出演テッド・マッギンレー
リンダ・パール
ステイシー・キーチ
マイルズ・ジェフリー
ニコール・バッジ
リー・アリン・ベイカー

2004年6月14日月曜日

MAY -メイ-

サイコホラーなんだが、全然怖くない。それよりも物悲しい。
友達を作れない内気な女の子の行き着く先は…という単純明快なストーリーなのだが、メイ(A・ベティス)がたどり着く狂気への盛り上がりに欠け、唐突とも言える展開でクライマックスとも言えないエンディングになだれ込む。母親に貰ったたった一人の友達である人形が唯一ホラーの様相を呈して不気味なだけで、彼女が最後に“作る”友達もグロテスクを通り越して滑稽。ただ彼女の最後の台詞は誰しも一度は感じたことのある疎外感だと理解できるだけに悲しさと切なさが余韻として耳に残る。
客観的に観てるとポリー(A・ファリス)にしてもアダム(J・シスト)にしても素直に友達になろうとしていると思えるのに、メイの人間関係を築くことへの激しい欲求とその行動の空回りがあまりにも悲しい。本来なら幼児期に経験すべき人との繋がりを作る方法を身につけることができないと程度の差はあっても、皆メイのようになる可能性があるのかもしれない。
A・ベティスは綺麗な女優さん。狂気のメイ役としてどっぷりはまった演技を見せてくれる。狂気に染まる前と後とでは別人のような錯覚に陥るほど見事な変身ぶり。『17歳のカルテ』(未見)ではその演技力が高く評価されているということで是非観てみたい。
A・ファリスは『ホット・チック』でキュートな女の子のイメージが先にあったから、少し幼い妖艶さにドキッとした。

原題MAY
製作年2002
製作国アメリカ
時間94
監督ラッキー・マッキー
脚本ラッキー・マッキー
撮影スティーヴ・イェドリン
出演アンジェラ・ベティス
ジェレミー・シスト
アンナ・ファリス
ジェームズ・デュヴァル
ニコール・ヒルズ
ケヴィン・ゲイジ

2004年6月13日日曜日

ザ・メキシカン

2大スターの共演で話題になった割には二人の絡みが少ない。途中別の作品を観ているようだった。しかしオープニングとクライマックスを観ればそれが正しかったと思える。スクリーン上で絵的に何とも噛み合わない二人。それはそれで不思議な感覚だった。
全編を通じてメキシコから感じる荒廃したイメージも良かった。間の抜けた好青年を演じるB・ピットは楽しかった。J・ロバーツもJ・ガンドルフィーニのお陰でキュートだった。だがしかし・・・何か決めてに欠ける作品であったことは否めない。ほんとならもっとおバカムービーだったのを無理やりロマンスにもっていったのではないだろうか。

原題THE MEXICAN
製作年2001
製作国アメリカ
時間127
監督ゴア・ヴァービンスキー
脚本J・H・ワイマン
撮影ダリウス・ウォルスキー
出演ブラッド・ピット
ジュリア・ロバーツ
ジェームズ・ガンドルフィーニ
デヴィッド・クラムホルツ
ジーン・ハックマン
J・K・シモンズ
ボブ・バラバン
シャーマン・オーガスタス
マイケル・セルベリス

2004年6月12日土曜日

キャスト・アウェイ

期待せずにふらっと入った映画館で観た時には素直に泣いた。無人島でのサバイバルは雨の中のキスシーンへの前振りでしかない。監督の意図する主題はそこにはないが、あのシーンが一番良かった。また、別れが切なくて、生き残った意味を見失いかけた後にくる何もない交差点での一瞬の出会いと、道の先にある未来のショットでカタルシスを得た。あの羽のマークは島からの脱出と未来への道標としての象徴となって、観終わって清々しい気分を味わえた。
かなり酷評もされたこの作品だが、144分はあまり長くは感じなかったし、余計な音や台詞まで無くして緊張感(現実味)を高める手法などは単純に凄いと思った。
無人島での4年間がざっくり省かれているのは微妙なところ。あれ以上だと長すぎるが、やっぱり絶望する場面がないのは残念だ。のめり込むのに少し物足りない。
“時間”がこの映画のキーワードだが、時間に縛られるのではなく、有効に使うことの意味を考えさせられた。
このところ、T・ハンクスはヒューマンドラマを描きたくて仕方がないようだが、ファンとしては昔のようなコメディに出演する彼を観たい。

原題CAST AWAY
製作年2000
製作国アメリカ
時間144
監督ロバート・ゼメキス
脚本ウィリアム・ブロイルズ・Jr
撮影ドン・バージェス
出演トム・ハンクス
ヘレン・ハント
クリストファー・ノース
ニック・サーシー
ラリ・ホワイト
ジェニファー・ルイス

2004年6月11日金曜日

ディープ・ブルー

ホラーにはよくある“誰が生き残るか?”という楽しみをあっさり裏切ってくれたということで、かなり意外性がある。そういう意味でかなり爽快。
深海という恐怖や襲われるという恐怖はほとんど感じない。ホラーというよりはアクションと言ったほうがいいかもしれない。役の掘り下げもイマイチな分、人間味にも欠ける。CGもなんだか最近の作品としてはずいぶんとやっつけ仕事な感があるし・・・。粗を言い出すとキリがないのだが、冒頭に書いたように大方の予想を裏切る展開ということだけでこの作品の価値がある。

原題DEEP BLUE SEA
製作年1999
製作国アメリカ
時間104
監督レニー・ハーリン
脚本ダンカン・ケネディ
ウェイン・パワーズ
ドナ・パワーズ
撮影スティーヴン・F・ウィンドン
出演トーマス・ジェーン
サフロン・バロウズ
サミュエル・L・ジャクソン
LL・クール・J
ジャクリーン・マッケンジー
マイケル・ラパポー
ステラン・スカルスガルド
アイダ・タートゥー
ダニエル・レイ
ブレント・ローム

2004年6月10日木曜日

PERFECT BLUE

良質のサスペンス。きっと原作も面白いのだろうが、これは映像で観る方が面白いと思う。また、サトウトシキ監督、前田綾花主演による実写版『PERFECT BULE 夢なら醒めて…』もあるそう。ただ、アニメならではの描写が見事なだけに実写でどこまで夢と現実の交錯を表現できているのかと思うとあまり期待はしないほうが良いだろう。
現実世界での未麻(岩男潤子)と劇中劇『ダブルバインド』における未麻の役とが、精神的に追い詰められていく彼女の夢と現実として絡めて描かれていくところには、サスペンスを観る上で展開を先読みしようとする観客心理を見事に誘導していく。しかも結末までしっかりと期待を裏切らない。
内容的にはそれほど飛びぬけているとは思わないが、最後まで十分に楽しませてもらった。
この作品は海外でも高く評価されているそうだ。ジャパニメーションが世界に認知されているのは、単にアニメーションとしての完成度の問題だけではなく、こういった地に足の付いた脚本とその表現力があってこそなんだろうと改めて感じさせてくれた作品。これがなぜ実写だとチープになってしまうのだろう。

原題PERFECT BLUE
製作年1998
製作国日本
時間81
監督今敏
原作竹内義和
脚本村井さだゆき
撮影白井久男
出演(声)岩男潤子
松本梨香
辻親八
大倉正章
秋元洋介
塩屋翼
堀秀行
篠原恵美

2004年6月9日水曜日

アルマゲドン

同時期に公開された『ディープ・インパクト』と題材が被った形になった天体パニックもの。しかし、『ディープ・インパクト』がヒューマンドラマを主題にしたのとは趣きが違い、SFアクションになっている。しかも、登場人物が無駄に多い上に癖のある役者が揃っていてごちゃごちゃとしているようだが、強引とも思える展開で最後まで楽しんだ。あまつさえ、別れのシーンでは涙してしまったくらい。ほどよく散りばめられたブラックジョークも面白かった。
久しぶりにB・ウィリスらしくない作品だが、悪ガキを束ねるガキ大将としてはよくマッチしていた。B・アフレックとL・タイラーのカップルはイマイチなのだが、脇を固める出演陣に引っ張られる形になっていてあまり気にならなかったのが良かった。お祭り気分で観ると良い。
それにしても松田聖子のシーンはカットすべきだろう。

原題ARMAGEDDON
製作年1998
製作国アメリカ
時間150
監督マイケル・ベイ
脚本ジョナサン・ヘンズリー
J・J・エイブラムス
スコット・マイケル・ローゼンバーグ
撮影ジョン・シュワルツマン
出演ブルース・ウィリス
ベン・アフレック
リヴ・タイラー
ウィル・パットン
スティーヴ・ブシェミ
ピーター・ストーメア
キース・デヴィッド
ウィリアム・フィクトナー
マイケル・クラーク・ダンカン
オーウェン・ウィルソン
ビリー・ボブ・ソーントン
クリス・エリス
ジェイソン・アイザックス
ケン・ハドソン・キャンベル
ウド・キア

2004年6月8日火曜日

CUBE

予備知識なしで見た初見の時も良かったが、続編を観た後だとこの作品の面白さがさらに際立つ。全く状況の説明がないまま、登場人物と同じ心境に放り込まれる脚本は秀逸。次に何が起こるのか、どこに向かうのかもわからないまま、ハッピーエンドだかバッドエンドだかそれすらわからないエンディングを迎える。想像力を書き立てられるのが楽しい。
登場人物は全てステレオタイプだが、それも脚本としてのキャスティングではなく、作中の黒幕によるそれだと考えれば何を目的として彼らを“CUBE”の中に閉じ込めたのかまで考えることができる。
何にせよ、面白い異色作であることには変わりはないが、続編を作るのは愚の骨頂であることは確か。

原題CUBE
製作年1997
製作国カナダ
時間91
監督ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本ヴィンチェンゾ・ナタリ
アンドレ・ビジェリク
グレーム・マンソン
撮影デレク・ロジャース
スコット・スミス
出演モーリス・ディーン・ウィン
ニコール・デ・ボア
デヴィッド・ヒューレット
アンドリュー・ミラー
ニッキー・グァダーニ
ウェイン・ロブソン
ジュリアン・リッチングス

2004年6月7日月曜日

ロスト・チルドレン

こういう独特の世界観を持つファンタジーは好き。決してハッピーな物語ではないが、キャラクターは皆バイタリティに溢れ、どのキャラクターもいとおしく描かれている。全体的に鉄錆色に染められた不思議な世界は、まるっきりの異世界というよりは、昔どこかで見た風景に似ているのにでも何かが足りない。そんな不安定な空気が流れている。ひとつ間違えればダークな映画になるところを欧州的なユーモアがお伽噺として成り立たせている。
R・パールマンもD・ピノンもさすがだが、やはりJ・ヴィッテが光る。残念ながら、その後あまり活躍していないようだが、勿体無い。

原題LA CITE DES ENFANTS PERDUS
製作年1995
製作国フランス
時間113
監督ジャン=ピエール・ジュネ
脚本ジャン=ピエール・ジュネ
マルク・キャロ
ジル・アドリアン
撮影ダリウス・コンジ
出演ロン・パールマン
ダニエル・エミルフォルク
ジュディット・ヴィッテ
ドミニク・ピノン
ジャン・クロード・ドレフュス
ジュヌヴィエーヴ・ブリュネ
オディール・マレ
ミレイユ・モス
セルジュ・メリン
ジャン=ルイ・トランティニャン

2004年6月6日日曜日

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

前作から6年。その間に他のシリーズがテレビやOVAで製作され、年齢的なものもあり、ガンダムとはずいぶんと離れてしまっていた。そしてファーストガンダムの完結編といえるこの作品を観たのは今回が始めて。
『Z』『ZZ』等のシリーズは全く観ていないので、本来その後の話であるこの作品の背景がイマイチ理解しきれてないのだが、あまり気にならずに観れた。原作本ではアムロの子供が出てきたりするらしいのだが、それはそれで観たかった気がする。
残念なのはシャアが女性に対し情けなくなってしまっていること。ガンダム世界の重要なファクターである“母性”という意味では核心に迫るのかもしれないが、30歳を過ぎているであろうシャアの口から「ララァは私の母になってくれたかも・・・」などという台詞は判っていても聞きたくなかった。
画質は断然良くなっていて、ファンネル等の戦闘シーンのスピード感はさすが。誰でも考えるであろう、前3作を今完全リメイクして欲しいと思わずにはいられない。

原題機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
製作年1988
製作国日本
時間120
監督富野由悠季
原作富野由悠季
脚本富野由悠季
撮影桶田一展
長谷川洋一
刑部徹
谷口久美子
酒井幸徳
伊藤修一
出演(声)古谷徹
池田秀一
鈴置洋孝
榊原良子
白石冬美
川村万梨阿
弥生みつき
佐々木望
山寺宏一
伊倉一恵
安達忍
藩恵
嶋俊介
村山明

2004年6月5日土曜日

SF新世紀レンズマン

初めてお小遣いで映画館に足を運んだ思いで深い作品。原作は知る人ぞ知る『レンズマン・シリーズ』というスペースオペラなのだが、当時は全く知らなかった。ただ単に、その頃好きだったアルフィが主題歌を歌っているというだけで観に行った。記憶では興行的には大失敗だったように覚えている。残念ながら今でもこの映画を知っている人に出会ったことはない。
映像的には衝撃的とまではいかないものの、ワイヤーフレームCGを駆使(笑)したアンメーションにはかなり驚いたものだ。物語は好きなジャンルなので結構気に入ったのだが、何せ流行らなかったせいで単発で終わってしまっているのが残念だ。
今観ると途中、無意味とも思える長いシーンがあったり、キャラクターの掘り下げが中途半端で感情移入し難いなど粗が目に付く。案外、今なら実写で十分面白い作品が撮れるんじゃないだろうかと思わせる。

原題SF新世紀レンズマン
製作年1984
製作国日本
時間107
監督広川和之
原作エドワード・E・スミス
脚本吉川惣司
撮影八巻磐
出演(声)古川登志夫
小山茉美
大塚周夫
野沢那智
中村正
柴田秀勝
小林克也

2004年6月4日金曜日

機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編

シリーズ第3部。やはり全体としてのクライマックスであるこの第3部は涙なくして観られない。井上大輔の『めぐりあい』が流れ出す中、「僕にはまだ帰る場所があるんだ…」の台詞でどわーっと涙が溢れてくる。

原題機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
製作年1982
製作国日本
時間141
監督富野喜幸
原作矢立肇
富野喜幸
脚本星山博之
荒木芳久
山本優
松崎健一
出演(声)古谷徹
飯塚昭三
古川登志夫
鈴木清信
白石冬美
井上瑤
鵜飼るみ子
池田秀一
森功至
藤本譲
小山茉美
田中崇
長堀芳夫

2004年6月3日木曜日

アニー

古いミュージカルだとばっかり思っていたが、1982年製作とは意外に新しい作品だった。1930年代と舞台設定が古い所為なだけか。確かに原作は古く、1932年に映画化されたミュージカル。大戦映画以外の大恐慌時代後の古い映画は大抵そうだと言っても良いと思うのだが、これもご多分にもれず“生活は大変だけど明るく生きよう”的な元気のでる内容。よくよく考えるとあまり笑ってはいられない状況に生きる元気少女アニー(A・クイン)の笑顔はさすが大勢のオーディションから選出されただけはあるビタミン剤になり得る明るさだ。
昔から何度も観ていたこの作品だが、丸坊主の億万長者ウォーバックス氏を演じているA・フィニーが、あの『クリスマス・キャロル』のスクルージや『エリン・ブロコビッチ』のエド、『ビッグ・フィッシュ』のパパ・エドだったとは今回初めて知った。確かによく観ると彼独特の口の端を少し歪めて喋る話し方をしている。癖のある良い役者さんだ。

原題ANNIE
製作年1982
製作国アメリカ
時間127
監督ジョン・ヒューストン
脚本キャロル・ソビエスキー
撮影リチャード・ムーア
出演アルバート・フィニー
アイリーン・クイン
キャロル・バーネット
バーナデッド・ピータース
ティム・カリー
アン・ラインキング
ジェフリー・ホルダー
エドワード・ハーマン
ロイス・ド・バンジー
ショウニー・スミス

2004年6月2日水曜日

機動戦士ガンダムII 哀・戦士編

シリーズ第2部。話は大きく展開していき、各登場人物個人のドラマが盛り込まれている。他の2作に比べるとのんびりとした感さえあるイベントだらけで構成されているのだが、次作のクライマックスへとなだれ込む布石として重要。
ちなみに次々と投入されるメカはこの時点ですでに覚えきれなくなっている。

原題機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
製作年1981
製作国日本
時間134
監督富野喜幸
原作矢立肇
富野喜幸
脚本星山博之
荒木芳久
山本優
松崎健一
撮影三沢勝治
斉藤秋男
平田隆文
出演(声)古谷徹
鈴置洋孝
飯塚昭三
古川登志夫
鈴木清信
白石冬美
井上瑤
鵜飼るみ子
池田秀一
森功至
藤本譲
小山茉美
田中崇
長堀芳夫
戸田恵子
間嶋里美

2004年6月1日火曜日

機動戦士ガンダム

まさにガンダム世代として育ったわけだが、いつ観てもワクワクする。大人のためのアニメであることが今観ると良く分かる。当時この作品のなにをわかったつもりでいたのか。
テレビシリーズを続けられなくなって作った劇場版3部作であることは有名だが、内容はほぼ抜けなく詰め込まれたはずなのに、展開はあまり駆け足でなく大したものだと思う。
「親父にもぶたれたことないのに」っていう台詞を一度使ってみたかったのだが、そんなシチュエーションになる前に親父にぶたれた。
ちなみに主題歌『砂の十字架』は谷村新司作詞作曲でやしきたかじんが唄っている。

原題機動戦士ガンダム
製作年1981
製作国日本
時間137
監督藤原良二
富野喜幸
原作矢立肇
富野喜幸
脚本星山博之
荒木芳久
山本優
松崎健一
撮影坂東昭雄
斉藤秋男
平田隆文
菅野淳
三浦豊作
出演(声)古谷徹
鈴置洋孝
飯塚昭三
古川登志夫
鈴木清信
白石冬美
井上瑤
鵜飼るみ子
池田秀一
森功至
藤本譲
小山茉美
田中崇
長堀芳夫