2004年5月31日月曜日

g@me.

久しぶりにこういったトレンド俳優(死語?)を起用したオママゴト的映画を観た気がする。しかし、結構よくできてた。ラッキーだったのは原作を読む前にこの作品を観たこと。藤木直人も仲間由紀恵も固いなりに好演していた。聞くと原作では佐久間(藤木直人)はもっと厭味な奴で、ロマンスよりサスペンス性が高いとか。映画はロマンスの比重が高いので原作を読んでからだときっと物足りないと感じただろう。
時間があれば原作を読んだ後にもう一度観てみたい。
IZAMはちょっと可哀想な扱いだったな・・・。

原題g@me.
製作年2003
製作国日本
時間105
監督井坂聡
原作東野圭吾
脚本尾崎将也
小岩井宏悦
撮影佐々木原保志
出演藤木直人
仲間由紀恵
石橋凌
宇崎竜童
IZAM

2004年5月30日日曜日

スクール・オブ・ロック

ハートフル学園コメディなんて思ってたら大間違い。路線としては『ミュージック・オブ・ハート』のロック版じゃなくて『天使にラブソングを』のロック版と言うべきか。作中に「ロックに理由なんてない」という歌詞が出てくるが、ロック以前に音楽に理由なんていらない。ただひたすら音楽に身を任せ勢いのあるノリで最後まで楽しめる。
J・ブラックのロックオタクぶりが良かった。いつも思うが、音楽の才能がある人が羨ましい。J・キューザックがどこでハジけるのかと待っていたが、途中見せ場がありながら最後まで割りに大人しめだったのは残念。あのあたりは“THE MAN”を代表してる意味合いからかな。

原題THE SCHOOL OF ROCK
製作年2003
製作国アメリカ
時間110
監督リチャード・リンクレイター
脚本マイク・ホワイト
撮影ロジェ・ストファーズ
出演ジャック・ブラック
ジョーン・キューザック
マイク・ホワイト
サラ・シルヴァーマン
ジョーイ・ゲイドス・Jr
ミランダ・コスグローヴ
ケヴィン・クラーク
レベッカ・ブラウン

2004年5月29日土曜日

マスター・アンド・コマンダー

骨太の人間ドラマかと勝手に想像していたが、そんなことは全くない。これは趣味の問題だが、海洋大スペクタクルロマンと観る向きもあるものの、それも感じない。歴史に(歴史小説にも)疎いせいもあって、時代背景に思いを馳せることもない。
史実を基にした原作が長編シリーズとしてあると聞いた。「歴史の一齣を切り取ったワンシーン」であるだけに、エンターテイメントとしてはイマイチ盛り上がりに欠ける。原作を読んでいれば、各キャラクターに思い入れもできてもっと楽しめたかもしれないのが残念。
戦闘シーンの迫力は認めるが、一昔前ならともかく、最近では迫力があるのは当たり前のような風潮があるので、特に目新しくも感じず。どこに視点を置いて観るか、最後まではっきりできなかった。たぶんもう一回観ればもう少し感じも変わるのだろうが、機会があれば・・・程度。
R・クロウよりもP・ベタニー(マチュリン医師)が光っていた。さらにM・パーキス(ブレイクニー)がもっと良い。負傷したシーンでは痛々しくて観ていられなかったが、その後の彼の前向きさには目が潤む。士官候補生としてオーブリー艦長(R・クロウ)を目指しながらマチュリン医師に師事するところなんて、彼の将来を考えると感じ入ってしまう。一応のクライマックスで彼が剣を片手に「突撃~!!」というシーンは涙ものだ。
イマイチと書きながら、結構気に入ってることに気が付いた。
ラストシーンでオーブリー艦長とマチュリン医師が顔を見合わせて浮かべる表情は、エンターテイメント作品としては“あり”だろうが、作品のイメージが持つ史実としては“なし”だろう。あのワンシーンだけ浮いてしまってる。

メモ:日本映画興行界における海外作品の広告コピーの酷さには定評がある(?)が、今回の「窮地に立つ英国軍が、一人の艦長のもとへ送り込んだのはまだ幼い少年たちであった…。」等のキャッチコピーに対して、一部のファンがブエナビスタやJAROに対して行動を起こしたという話を聞いた。そして多少の改善があったとか。凄いことだ。これを機に全体的に改善されれば良いなと祈るばかりである。それにしても確かにこの宣伝内容はないだろうと感じる。

原題MASTER AND COMMANDER: THE FAR SIDE OF THE WORLD
製作年2003
製作国アメリカ
時間139
監督ピーター・ウィアー
原作パトリック・オブライアン
脚本ピーター・ウィアー
ジョン・コリー
撮影ラッセル・ボイド
サンディ・シセル
出演ラッセル・クロウ
ポール・ベタニー
ビリー・ボイド
ジェームズ・ダーシー
マックス・パーキス
リー・イングルビー
マックス・ベニッツ

2004年5月28日金曜日

キューティ・ブロンド/ハッピーMAX

前作が現実感をベースにしてエル(R・ウィザースプーン)の弾けぶりを描いたものだったから面白かったのだが、今回は彼女の弾けっぷりをベースに脚本を書いたという感じがして、あまりにも現実味がなさ過ぎ。何にも気にせず観ても少々無理が多い。シリーズということでより派手に、より面白くという意気込みは分かるが失敗してると言わざるを得ない。部分的には面白かったとは言えるものの、R・ウィザースプーンの魅力だけでは持たない。難を言えば、相手役のヴィクトリア(S・フィールド)が目立たなかったせいか。実力はある俳優だから脚本的な部分だろうが、物足りない。『デンジャラス・ビューティ』のケイティ(キャンディス・バーゲン)くらいのインパクトは欲しいところ。

原題LEGALLY BLONDE 2: RED, WHITE & BLONDE
製作年2003
製作国アメリカ
時間95
監督チャールズ・ハーマン=ワームフェルド
原作イヴ・アーラート
デニス・ドレイク
ケイト・コンデル
脚本デニス・コンデル
撮影エリオット・デイヴィス
出演リース・ウェザースプーン
サリー・フィールド
ボブ・ニューハート
ルーク・ウィルソン
ジェニファー・クーリッジ
レジーナ・キング
アラナ・ユーバック
ジェシカ・コーフィール
ブルース・マッギル
ダナ・アイヴィ
メアリー・リン・ライスカブ
スタンリー・アンダーソン

2004年5月27日木曜日

フォーチュン・クッキー

J・L・カーティス主演のコメディというだけで観た。内容はよくある入れ替わりもの(?)だが、肩に力を入れずに楽しめるという意味で良くできた作品。そういえば母娘の入れ替わりって案外珍しいか。とは言え、この作品は『フリーキー・フライデー』という1976年のバーバラ・ハリスとジョディ・フォスター出演作のリメイクだそうで。
オープニングで少しもたつく感があったが、それはすぐに気にならなくなった。J・L・カーティスとL・ローハンは入れ替わる前より後の方が、それぞれ活き活きとして見えたのが面白い。相変わらずJ・L・カーティスのかっこよさとコメディセンスの同居には惚れ惚れするが、時間が経つにつれ可愛く見えてきたL・ローハンが意外に良い感じ。子役から大人の演技へ変貌を遂げる時期でもあるから、これから大事にして欲しい。
母娘という設定上、入り込んで涙するというところまではいかなかったが、さすがに娘のスピーチにはほろっとくるものがある。丁寧に作られたというより勢いに乗ってしまったという印象そのままに、勢いに乗って最後まで観ることのできるライトコメディ。

原題FREAKY FRIDAY
製作年2003
製作国アメリカ
時間97
監督マーク・S・ウォーターズ
原作メアリー・ロジャース
脚本ヘザー・ハッチ
レスリー・ディクソン
撮影オリヴァー・ウッド
出演ジェイミー・リー・カーティス
リンゼイ・ローハン
マーク・ハーモン
チャド・マイケル・マーレイ
ハロルド・グールド
ライアン・マルガリーニ
スティーヴン・トボロウスキー
クリスティナ・ヴィダル
ヘイリー・ハドソン

2004年5月26日水曜日

ドーン・オブ・ザ・デッド

オリジナルと比較する必要はない。『ゾンビ』とは全く別物。
随分と“疾走するアンデッド”に賛否両論あるようだが、それほど違和感はなかった。『28日後』でもすでに走ってたしね。コマ割りもあるが、その分展開にスピードがあって良かった。これはホラー映画というよりもアクション映画という意味合いの方が強い。登場人物も意外に多く、必要最低限以上にはキャラクターを掘り下げることも特にしてないし、人間関係も希薄。
いやいや、そんなことを気にしていてはこの映画は観ていられない。妙なブラックジョークと生存者の勢いに乗って最後まで観れば良い。一瞬戸惑ってしまう変則的なラストもにやりとさせられた。

原題:DAWN OF THE DEAD
製作年:2004
製作国:アメリカ
時間:98
監督:ザック・スナイダー
脚本:ジェームズ・ガン
オリジナル脚本:ジョージ・A・ロメロ
撮影:マシュー・F・レオネッティ
出演:サラ・ポーリー
ヴィング・レームズ
ジェイク・ウェバー
メキー・ファイファー
タイ・バーレル
マイケル・ケリー
ケヴィン・ゼガーズ
リンディ・ブース

2004年5月25日火曜日

チャーリーと14人のキッズ

可もなく不可もなく。子供たちとそれを取り巻く大人たちをほのぼのと笑わせてくれる。行き過ぎのお涙頂戴もなし、ちょっとだけ演説めいたことはあったけど、特別厭味でもなく。
子供たちの世話をするトリオを始め、出てくるキャラクターはみんなステレオタイプではあるが別に気にならかった。E・マーフィーですらいつものように露出し過ぎにはならずに見事にはまっている。うん、これはこれで凄いことかもしれない。
敵役のハリダンを演じていたA・ヒューストンは『アダムス・ファミリー』以後『エバー・アフター』以来か。久しぶりに観た。顔は強面だが毒がないからあんまり嫌な人に見えなかったんだが、ファミリー映画だしね。
登場時にはちょい役かと思ったS・ザーンどこかで観たことがあると思ったら『ユー・ガッタ・メール』に出演してたんだね。その前に『フレンズ』の第2シーズンで、アイススケーターでホモだと思われていたフィービーの元夫役として出ていたとは。

原題DADDY DAY CARE
製作年2003
製作国アメリカ
時間92
監督スティーヴ・カー
脚本ジェフ・ロドキー
撮影スティーヴン・B・ポスター
出演エディ・マーフィ
ジェフ・リーガン
スティーヴ・ザーン
レジーナ・キング
ケヴィン・ニーロン
ジョナサン・カッツ
リサ・エデルスタイン
シオバン・ファロン・ホーガン
レイシー・シャベール
ローラ・カイトリンガー
レイラ・アルシエリ
アンジェリカ・ヒューストン

2004年5月24日月曜日

N.Y.式ハッピー・セラピー

最初の10分は苦痛だった。実はこの手のブラックジョークはあまり好きではない。『大災難』のような個人のわがままならともかく、誤解と思い込みが原因や悪意のある理不尽な仕打ちをコメディとして観るのはフィクションだと分かっていても楽しめない。本人の努力で回避できるかもしれないと感じれば尚更イライラが募る。さらっと流す分には良いんだけどね。
きっとハッピーエンドだろうと、気にしなければ笑えたかもしれない。いや、結末を知った今だから再見では笑って観れるかもしれない。まぁあまり何度も観る作品ではないだろうが。
A・サンドラーの意気地のなさはまるで自分を見せられているようで歯がゆいばかり。だから余計に笑い飛ばせなかった。彼の作品はあまり沢山観たわけではないが、演出も演技も古臭いというか泥臭い。別の言い方をすれば身近なんだけど、映画に求めるのは非現実感なので、少し違う気がする。
J・ニコルソンの嫌らしい親父ぶりはさすが。腹立たしいシーンはほとんど彼が原因なのだが、彼のチャーミングさで最後まで観ることができた。それにしてもやり過ぎだろうと思うが。
L・ガスマンの出演も嬉しかったが、W・ハレルソンのオカマには笑った。とはいっても再度登場するまで気が付かなかったのだが。また、ジュリアーニ前N.Y.市長やノンクレジットだがキレた女の子役でヘザー・グレアム、大人になった虐めっ子役でジョン・C・ライリー、盲目の老人役でハリー・ディーン・スタントンとちょっと嬉しいキャスティングににやりとした。

原題ANGER MANEGEMENT
製作年2003
製作国アメリカ
時間105
監督ピーター・シーガル
脚本デヴィッド・ドーフマン
撮影ドナルド・マカルパイン
出演アダム・サンドラー
ジャック・ニコルソン
マリサ・トメイ
ルイス・ガスマン
ジョナサン・ローラン
カート・フラー
ウディ・ハレルソン
ジョン・タートゥーロ

2004年5月23日日曜日

シャンハイ・ナイト

『シャンハイ・ヌーン』(未見)の続編。前作を観てなくても十分に楽しめた。所々に前作を観たファン向けのお遊びがあるようだが、分からなくても気にならない程度。特に何にも考えずにコメディアクションを楽しめるように作られているのはJ・チェンの作品ならでは。
劇中、アーサー・コナン・ドイルやシャーロック・ホームズ、チャーリー・チャップリンなどお遊びが入っているが、苦笑してしまい素直に笑えなかった。こういったアクションコメディにはそんな小細工な笑いは不要だ。
それにしてもJ・チェンも随分と歳を取ったね。今年で50歳。さすがに全盛期のキレはなくなり、アクションスターからコメディアンとしての動きに変わってきてるのを観ると、寂しいやら嬉しいやら。それでも、流行のワイヤーアクションなしでこれだけ魅せてくれるのはJ・チェンならではだね。ハリウッドにおける彼の扱いにはイマイチ納得いかない部分が多いのだけれども、こうしてスクリーンで観ていられるなら仕方がないことかもしれない。
O・ウィルソンはピンでは辛いが、こうして相方に恵まれると光る。J・チェンとの掛け合いは『アイ・スパイ』でのエディ・マーフィーとよりも合ってると思う。あまり息の長く続くコンビではないかもしれないが、次作でも共演を果たしているようなので、お楽しみだ。

原題SHANGHAI KNIGHTS
製作年2003
製作国アメリカ
時間114
監督デヴィッド・ドブキン
脚本アルフレッド・ガフ
マイルズ・ミラー
撮影エイドリアン・ビドル
ハーヴェイ・ハリソン
出演ジャッキー・チェン
オーウェン・ウィルソン
ドニー・イェン
アイダン・ギレン
ファン・ウォン
トム・フィッシャー
ジェマ・ジョーンズ
アーロン・ジョンソン
オリヴァー・コットン

2004年5月22日土曜日

アップタウン・ガールズ

予備知識なしで観たら、ファンタジックな導入部に単なるコメディだと思っていたらすっかり裏切られた。もちろん良い意味で。
モリー(B・マーフィー)の世間慣れがそのまま画面に現れているようで、一貫してファンタジックな雰囲気は崩さないものの、徐々に現実味が出てくる。それに反比例(ある意味比例)するように頑だったレイ(D・ファニング)は子供らしさを取り戻していく。
女の子の友情物語でもあるこの作品は、男が観ても違和感はない。スポットが完全に二人の関係に絞られているから、周囲のキャラクターが多少希薄な気もするが、それを補ってあまりある主人公の二人の演技はさすがに定評があるだけはある。残念ながらB・マーフィーの出演作は『ジャスト・マリッジ』しか観ていないので、コメディアンヌの彼女しかしらない。近いうちに他の作品も観てみたいものだ。D・ファニングは細さと白さが目立ってしまって彼女らしい可愛さが少々殺がれていた気がする。役どころからするとあれでいいのだろうがね。

原題UPTOWN GIRLS
製作年2003
製作国アメリカ
時間93
監督ボアズ・イェーキン
原作アリソン・ジェイコブス
脚本ジュリア・ダール
モー・オグロドニック
リザ・デヴィッドウィッツ
撮影ミヒャエル・バルハウス
出演ブリタニー・マーフィ
ダコタ・ファニング
マーリー・シェルトン
ドナルド・フェイソン
ジェシー・スペンサー
ヘザー・ロックリア
オースティン・ペンドルトン

2004年5月21日金曜日

バッドボーイズ2バッド

のっけから派手なカーチェイス。これは、と期待してしまった。…が、やっぱりか。
時間の長さが意外に気にならないのは流れが段階的にきっちり分けられるせいか。原作ではなくて原案だということでもしかしたら45分のテレビシリーズの3話分を繋げたのかもしれない。
それにしても劇中の死体の扱いはブラックジョークにしてもちょっといただけない。別にグロいのは気にならないが、さらっと見せて欲しい。ちょっとしつこかった。
カメラワークも少々懲りすぎな気がする。スピード感や勢いを見せたいのは分かるが、特殊なアングルを多用するとすぐ慣れちゃって、凄まじさより見難さのほうが先に立つ。さすがに8年も経つと前作より繋ぎは巧くなってるが、その分余計な小細工が増えたかも。
M・ローレンスとW・スミスの掛け合いは健在だが、変に二人の間に陰を作ろうとして笑える部分が笑えなくなってるのは惜しい。全体的に大仰にし過ぎだな。もう少し事件の全体像は小ぢんまりとしてていいから、明るくカッコよく見せて欲しかった。とは言え、面白くなかったわけではないとだけ書いておく。

原題BAD BOYS II
製作年2003
製作国アメリカ
時間146
監督マイケル・ベイ
原案マリアンヌ・ウィバーリー
コーマック・ウィバーリー
ロン・シェルトン
脚本ロン・シェルトン
ジェリー・スタール
撮影アミール・モクリ
出演マーティン・ローレンス
ウィル・スミス
ジョルディ・モリャ
ガブリエル・ユニオン
ピーター・ストーメア
テレサ・ランドル
ジョー・パンリアーノ
マイケル・シャノン

2004年5月20日木曜日

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

遂に完結してしまった。今回のヒーローはもちろんサム(S・アスティン)。彼なしではこの物語はハッピーエンドにはなりえなかった。本来もっとフロド(E・ウッド)が頑張っても良かったのだが、純真で献身的なサムの働きがあってこそこの感動を得られた。
今回気がついたのはビルボ・バギンズを演じたI・ホルムが『エイリアン』でアッシュを演じていたということ。あれだけ強烈なインパクトのあったアッシュがいい親父になっちゃって。
DVDでは3部作パックが発売されるようなので、早速買って、一気に通しで観てから、さらに原作を読み返してみようと思う。敢えて書いておくが、確かに大作かもしれないが、決してこの3部作は名作と言える部類には入らないだろう。しかし原作にできるだけ忠実な映像化にチャレンジしたことと、それが概ね成功したことは偉業であると認めたい。いつか、このレベルの映像化を維持したままで、3クール以上の連続ドラマを製作してもらいたいと望む。

原題THE LORD OF THE RINGS: THE RETURN OF THE KING
製作年2003
製作国ニュージーランド
アメリカ
時間203
監督ピーター・ジャクソン
原作J・R・R・トールキン
脚本ピーター・ジャクソン
フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン
撮影アンドリュー・レスニー
出演イライジャ・ウッド
イアン・マッケラン
リヴ・タイラー
ヴィゴー・モーテンセン
ショーン・アスティン
ビリー・ボイド
ドミニク・モナハン
オーランド・ブルーム
ケイト・ブランシェット
ヒューゴ・ウィーヴィング
ジョン・リス=デイヴィス
バーナード・ヒル
イアン・ホルム
ショーン・ビーン
アンディ・サーキス
ミランダ・オットー

2004年5月19日水曜日

ピンポン

原作の漫画は知らないが、それなりに面白かった。難を言えば、漫画をそのまま実写化したような脚本は、漫画だからこそ面白いと思えるカット割やギャグが活かされずに少々物足りない。
試合などはCGを使った意欲的なシーンで良かった。中村獅童や荒川良々等脇のキャラクターの方が窪塚洋介より魅力的に映ったのは、あまり彼が好きじゃないからかもしれない。

原題ピンポン
製作年2002
製作国日本
時間114
監督曽利文彦
原作松本大洋
脚本宮藤官九郎
撮影佐光朗
出演窪塚洋介
ARATA
サム・リー
中村獅童
大倉孝二
荒川良々
竹中直人
夏木マリ

2004年5月18日火曜日

エヴリン

地味な作品だが泣けた。“事実を基にしている”からこその感情移入であることは否めないが、それはそれで良い。作品としては、物足りなさ一杯とも言えるものの、だからこそ個人の無力さが感じられた。裁判シーン等はあまりにも淡々としている。さらに、次々とやってくる不幸に対しても嘆き続けるだけじゃなく、周囲の尽力や運もあってひた向きに努力する登場人物達。作中ではウワベを映しているだけなのだが、生きることの力強さみたいなものを感じた。
観客に変に媚びない脚本とカメラワークがツボに嵌った。

原題EVELYN
製作年2002
製作国ドイツ
アイルランド
イギリス
アメリカ
時間94
監督ブルース・ベレスフォード
脚本ポール・ペンダー
撮影アンドレ・フレーレン
出演ソフィ・ヴァヴァスール
ピアース・ブロスナン
フランク・ケリー
エイダン・クイン
ジュリアナ・マーグリーズ
アラン・ベイツ
ステファン・リー

2004年5月16日日曜日

イナフ

DVの旦那から逃げるということで、『愛がこわれるとき』みたいなサイコサスペンスを期待したが残念。いや、展開は似てるかもしれないが、スリム(J・ロペス)が精神的にも肉体的にも強すぎ。しかも旦那(B・キャンベル)が全然怖くない。それでも逃げ出すところまでは良かった。
しかし、仕方がないとはいえ、逃げるしかない状況に追い込まれた原因である子供の精神的苦痛をほとんど無視するようなスリムの行動はあまりにも痛い。立ち向かい打ち倒すというのはいかにもハリウッド的な発想なのはいいとしても、肉弾戦に持ち込んで観客の気分をすっきりさせようという安直な展開はどうなんだろうか。気楽に観るような内容ではないだけに、全然すっきりしない。あの旦那は確かにいけ好かない奴ではあるが、あそこまで執拗になるタイプとしては描かれてなかったし、あそこまでされるほどでもないだろう。あの手の男は他に痛い目に会わす方法があったはずだ。あんな親父が居るんだから。
DVに苦しむ女性たちならもしかしたら気分良く観れたのだろうか。あまりそうは思えないのだが。

原題ENOUGH
製作年2002
製作国アメリカ
時間115
監督マイケル・アプテッド
脚本ニコラス・カザン
撮影ロジェ・ストファーズ
出演ジェニファー・ロペス
ビリー・キャンベル
ジュリエット・ルイス
テッサ・アレン
ダン・ファターマン
ノア・ワイリー
ブレッド・ウォード
ジャネット・キャロル
ビル・コッブス

2004年5月15日土曜日

NARC ナーク

重い。派手な映像中心の映画を観慣れると、たまにこういった視覚効果が重要な要素である作品を観たときにうっかり見過ごしてしまいそうになる。圧倒的に暗い画面の中で寒色と暖色の使い分けで緩急をつけつつ、ハンディカメラを多用することで、緊迫感を煽る。もちろん俳優陣の技量があってこその視覚効果である。
J・パトリックは最後まで彼だと気が付かなかったくらい『スピード2』のときとは演技力も含めて正反対。麻薬潜入捜査官の辛さと悲哀が滲みでていた。R・リオッタは体型も変わったが嫌らしさがなくなって良くなった。ラストシーンなどは今までの彼からは信じられないような、涙を誘われる深みのある演技。あの嫌らしさが彼らしさでもあったが、今後は意識して使い分けができるのなら、出演作にかなり幅ができるのではないだろうか。
全体的には地味な作品なので、さらっと観てしまうとほとんど印象に残らないかもしれないが、これがデビュー作でしかもオリジナル脚本を書いたというJ・カーナハン監督は今後が楽しみでもある。彼を高く評価したトム・クルーズは今回この作品の製作総指揮に名を連ねている。しかも『M:I3』の監督を彼に任せることになったとか。新人ではる監督がどれほどの発言権を持てるかは甚だ疑問ではあるものの、ただのアクション大作にはしないで欲しいと願うのだ。

原題NARC
製作年2002
製作国アメリカ
時間105
監督ジョー・カーナハン
脚本ジョー・カーナハン
撮影アレックス・ネポンニアシー
出演ジェイソン・パトリック
レイ・リオッタ
ダン・リーズ
ロイド・アダムズ
チー・マクブライド
クリスタ・ブリッジス
アラン・ヴァン・スプレンジ
アンナ・オープンショー
バスタ・ライムズ

2004年5月14日金曜日

猟奇的な彼女

軽い感じのラブコメディかと思って油断していたら良いロマンスだった。3つのチャプターにわけれられたストーリーは、“前半戦”のコメディ中心でで自然に入り込み、“後半戦”で落ち着いたロマンスに引き込まれ、“延長戦”でしっとりと泣かせてくれる。気負いせずに観たせいもあってすっかりハマッた。展開はベタベタの予定調和だが、回りくどさも変ないやらしさもなく久々にストレートな恋愛モノなのが新鮮だった。
彼女(J・ジヒョン)-そう言えば最後まで“彼女”の名前が出てこなかったのは面白い-の行動とキョヌ(C・テヒョン)の対応が非常に身近な(ある意味身につまされる)ので二人の心境はよく理解できる。だからこそ二人の関係の変化が切なくて嬉しかった。
原作はインターネット上で公開された体験談を基にした書き込みだそうだ。“猟奇的”という言葉は韓国の今時の意味では、ホラー的要素はなく、“個性的”とか“クールな”とかカッコいいというイメージで使われているそう。確かにズケズケと物言う(ついでに手も出る)彼女はカッコよく目に映るのだが、それが強がりであるからこそ男には可愛くて仕方がない、って…わはは。
ラストで二人がIDをかざして店に入るショットが挿入されるが、これがまた良い。もちろんカッコいいベストショットであるだけでなく、二人の過去も未来もこのショットに集約されていると感じた。単なるべたな恋愛映画として終わるのではなく、このショットがあるおかげで観終わったときに清々しさが出て心に印象に残る作品になった。

原題MY SASSY GIRL
製作年2001
製作国韓国
時間122
監督クァク・ジェヨン
原作キム・ホシク
脚本クァク・ジョヨン
撮影キム・ソンボク
出演チョン・ジヒョン
チャ・テヒョン
キム・インムン
ソン・オクスク
ハン・ジンヒ
キム・イル

2004年5月13日木曜日

千年女優

ストーリーはシンプル。少女時代に出会った一人の男への想いを綴ったかつての大女優の半生を描いた物語。しかしその見せ方が何とも言えず面白い。ドキュメント番組を制作するという設定をベースに女優千代子が出演した映画のシーンと現実のシーンを織り交ぜて、ファンタジックな物語に仕上がっている。
実在するかつての日本映画へのオマージュとも言える、作中に散りばめられた数々の登場作品は、残念ながらあまりにも日本映画の知識に乏しいために分からないが、その遊び心と愛情は十分に感じられた。
何とも言えず儚くて切ない想いの詰まった作品なのだが、最後まで千代子の想いにぐぐぐっと引っ張られながらラストシーンの台詞にヤラレタと感じつつも、清々しい気持ちでエンドロールを眺めることになった。
この作品は、ドリームワークスの配給により世界的に公開され各地で高い評価を得たということだが、根ざした文化の違う外国の観客にはどう受け止められたのだろうか。

原題千年女優
製作年2001
製作国日本
時間87
監督今敏
原作今敏
脚本今敏
村井さだゆき
撮影白井久男
出演(声)折笠富美子
小山茉美
荘司美代子
飯塚昭三
佐藤政道
小野坂昌也
山寺宏一
津田匠子

2004年5月12日水曜日

ダウン

導入部は面白そうに感じた。エレベータが意思を持ったように狂い人を襲う。しかも超高層ビルだ。パニック系のホラーで、一体どんなオチを付けてくれるのだろうかとかなり期待してしまった。ところが…。
D・マース自身による『悪魔の密室』(未見)のリメイクだそうだが、B級ホラーの焼き直しはやっぱりB級だということだ。CG技術の向上で簡単に人が襲われるシーンを撮れるようになってしまってから、スプラッタやスラッシュホラーならCGの恩恵は計り知れないが、カメラワークと編集技術による昔ながらのおどろおどろしい“怖さ”の表現が少なくなってしまったのは非常に残念だ。
これなら、題名は失念したが、ハイテクビル(死語?)全体が暴走してしまったという映画の方が面白みがあった。如何せんエレベータの管理システムが暴走した程度じゃ、襲う側のできることに制限がありすぎ。暴走したシステムとの対決シーンもあまりにもお粗末だった。整備士の元海兵隊という設定をもっと活かしたクライマックスがあっても良かったはずだ。コメディとして再構成した方がかなり面白くなったと思われる。
N・ワッツを始め、M・アイアンサイドやE・ハーマン、D・ヘダヤにしてもかなり気の抜けた演技をしているように観えた。

原題DOWN
製作年2001
製作国アメリカ
時間111
監督ディック・マース
脚本ディック・マース
撮影マーク・フィルペルラン
出演ジェームズ・マーシャル
ナオミ・ワッツ
エリック・タール
マイケル・アイアンサイド
エドワード・ハーマン
ダン・ヘダヤ
ロン・パールマン

2004年5月10日月曜日

ヴァージン・スーサイズ

一言で言うと“希薄”な作品。5人姉妹の生き方と重なるような綺麗だが薄っぺらい映像は、どこまでが意図したものか疑問が残る。よく言えば繊細で大胆なカットは、あまり深く考えながら観てしまうと、単に支離滅裂としか受け取れず、それは自殺してしまう少女達にその理由を求めるようなもので辛い。
成長した男の子の回想録として始まったはずの作品が、キャラクターの掘り下げが足りないせいか、話が進むにつれ語り手としての存在感が全くなくなってしまい、結局ラックス(K・ダンスト)だけに焦点が向いてしまったため、入り込めず、切なさとやりきれなさだけが印象に残った。ただ、それらが全て意図されたものだとすれば、すっかり監督の術中に嵌ったわけなのだが。
脇を固める出演陣はさすが。しかし、あの虐待とも取れる軟禁をしてしまう母親はK・ターナーには似合わない。あの体型からして肝っ玉かあちゃんの印象を受けてしまう。静かに壊れていくという点ではJ・ウッズは巧かった。
K・ダンストは『スパイダーマン』のときにはあまり可愛いとは思わなかったが、この作品では綺麗に見える。そういえば、『チアーズ!』のときも可愛らしいと思ったかもしれない。

原題THE VIRGIN SUICIDES
製作年1999
製作国アメリカ
時間98
監督ソフィア・コッポラ
原作ジェフリー・ユージェニデス
脚本ソフィア・コッポラ
撮影エドワード・ラックマン
出演ジェームズ・ウッズ
キャスリーン・ターナー
キルステン・ダンスト
ジョシュ・ハーネット
マイケル・パレ
スコット・グレン
ダニー・デヴィート
A.J.クック
ハンナ・R・ホール

2004年5月9日日曜日

普通じゃない

相変わらずC・ディアスのキュートなこと。ただの金持ちのバカ女でも彼女ならなんでも許す。
オープニングで天使が出てきた時点で“普通じゃない”ことは分かるが、そりゃもうハチャメチャ。と言いたいところだが、コメディパートは軽くしてロマンス部分をしっかりとE・マクレガーとC・ディアスに任せて、キュートながらもハチャメチャなコメディ部分ををH・ハンターとD・リンドーにとはっきり役目を分けたことでただの非現実がファンタジーとして成立したと思われる。
まぁ深く考えて観る映画ではないことは確か。クライマックスは少々やり過ぎだが、エンドロールが可愛いから良いや。
I・ホルムやD・ヘダヤ、T・シャルーブなど渋いキャスティングもにやりとしてしまう。

原題A LIFE LESS ORDINARY
製作年1997
製作国アメリカ
時間103
監督ダニー・ボイル
脚本ジョン・ホッジ
撮影ブライアン・テュファーノ
出演ユアン・マクレガー
キャメロン・ディアス
ホリー・ハンター
デルロイ・リンドー
イアン・ホルム
モーリー・チェイキン
ダン・ヘダヤ
トニー・シャルーブ
スタンリー・トゥッチ
イアン・マクニース

2004年5月8日土曜日

彼女は最高

男ってバカよねぇ…と思ってしまう。女性の視点から観るとどう感じるのかが非常に気になるところではある。
それぞれタイプの違う男女関係を巧く絡めて、愛すべきバカな男たちを描いたラブストーリー。いかにもやって(言って)しまいそうなミスは心が痛い。わかっちゃいるけど止められない。でも愛しているんだよね。女性には、成長しないと言われそうだがそれなりに一生懸命なんです。って、誰に言い訳してるんだか。
出てくる女性たちは皆魅力的。それぞれのタイプにあったキャスティングは絶妙。J・アニストンも良いが、特にC・ディアスが良い。

原題SHE'S THE ONE
製作年1996
製作国アメリカ
時間96
監督エドワード・バーンズ
脚本エドワード・バーンズ
撮影フランク・プリンツィ
出演エドワード・バーンズ
マイク・マッグローン
ジェニファー・アニストン
マキシン・バーンズ
キャメロン・ディアス
ジョン・マホーニー
レスリー・マン
フランク・ヴィンセント

2004年5月7日金曜日

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊

世界中でカルト的人気を誇るジャパニメーションの代表作。原作の士郎正宗が作り上げた世界を見事に押井守が消化している。二人のこの世界に対するアプローチは全く違うはずなのだが、根底にある疑問(人は何をして人と成すのか)は同じだ。
『AKIRA』でもそうだったが、原作者がこの世界観をその細部まで理解してもらおうという一種の媚が全くないことが巧く作用している。だからといって観る側に委ねることもせず、一歩間違えるとただの自己満足でしかなくなるのだが、この世界に抵抗なく浸れる者にとっては、こんなに魅力的な世界はない。
OVAでシリーズがあり、押井監督が続編を描いた『イノセンス』、もちろん原作では士郎正宗が続編を描いている。それら全てが攻殻機動隊の世界観であり、またそれぞれ独立している。色んな意味で弄り甲斐のある世界であるから、今後も様々な形態で露出することを期待している。
ハリウッドで活躍する監督や脚本家にもかなりの影響を与えたと聞く。『マトリックス』シリーズなどはその際たるものだろう。

原題GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
製作年1995
製作国日本
時間80
監督押井守
原作士郎正宗
脚本伊藤和典
撮影白井久夫
出演(声)田中敦子
大塚明夫
山寺宏一
仲野裕
大木民夫
家弓家正

2004年5月6日木曜日

バッドボーイズ

刑事もののアクションコメディは色々あるが、ノリの良さでは断トツだろう。CMディレクター出身の監督らしいカット構成は、ご多分に漏れず短いシーンでは活きるが繋ぎにもたつく。スローモーションが入るのは良いが、全体の流れからすると何の効果も得られてないし。
M・ローレンスとW・スミスの掛け合いはさすがに面白い。単なる喋り捲る面白い奴らじゃなくてカッコいいのが良い。こういった作品は脚本に無理があるなんてことは気にせずに楽しめればそれでいいのだ。
敵役としてのT・カリョは少々物足りない気もしないでもないが、好きだから許す。欲を言えば『ミッドナイト・ラン』や『マトリックス』『メメント』で小悪人を演じたJ・パントリアーノの出番がもう少し欲しかった。それから、T・レオーニのキュートさに再度惚れ直した。彼女、デヴィッド・ドゥカヴニー(『X-ファイル』シリーズ)と結婚してるんだってね。

原題BAD BOYS
製作年1995
製作国アメリカ
時間118
監督マイケル・ベイ
脚本マイケル・バリー
ジム・マルホランド
ダグ・リチャードソン
撮影ハワード・アサートン
出演マーティン・ローレンス
ウィル・スミス
ティア・レオーニ
チェッキー・カリョ
ジョー・パントリアーノ
テレサ・ランドル
マージ・ヘルゲンバーガー

2004年5月5日水曜日

トゥルーライズ


シュワちゃんの映画の中でも一番好きな作品。『ターミネーター』も良いが、下手なアクションじゃなくて、こういったコメディが良く似合う。しかし、面白さの要は脇を固める共演者。J・L・カーティスはもちろんのこと、T・アーノルドやクレジットを見るまで気が付かなかったB・パクストンが最高。
やもすればバカバカしくなりそうな小ギャグが満載だが、政治的なことや現実味は無視して単純に楽しめる。
10年の時を経て続編が製作されるという話も聞く。あまり期待しないで待っていよう。

原題TRUE LIES
製作年1994
製作国アメリカ
時間141
監督ジェームズ・キャメロン
原作クロード・ジディ
シモン・ミシェル
ディディエ・カミンカ
脚本ジェームズ・キャメロン
撮影ラッセル・カーペンター
出演アーノルド・シュワルツェネッガー
ジェイミー・リー・カーティス
トム・アーノルド
ビル・パクストン
アート・マリック
ティア・カレル
エリザ・ドゥシュク
チャールトン・ヘストン

9デイズ

邦題から受ける印象だと、タイムクライシス的なサスペンスだと思ってた。勝手な先入観だがA・ホプキンスだしね。
印象としては良い裏切られ方をした。軽いタッチのサスペンスコメディとでも言ったらいいのか。相方がC・ロックであることを考えれば、観る前に気が付いても良かった。
ストーリー展開はありきたりでアクションも特に目に付くほどでもない(A・ホプキンスのアクションはある意味見ものかもしれない。スマートではないが、巧く画面に映ることでそんなに違和感はないと思った)。しかし、オークス(A・ホプキンス)とジェイク(C・ロック)の掛け合いは面白かった。同じ“クリス”でも喋るばっかりのクリス・タッカー(彼は彼で嫌いじゃないが)とは違った落ち着きがあって魅力的な彼はクリス・タッカーとウィル・スミスを足して2で割った感じ。スタンダップコメディアンだっという経歴を見ても頷ける。もっと活躍して欲しいものだ。

原題BAD COMPANY
製作年2002
製作国アメリカ
時間117
監督ジョエル・シューマカー
原案ゲイリー・グッドマン
デヴィッド・ヒメルスタイン
脚本ジェイソン・リッチマン
マイケル・ブラウニング
撮影ダリウス・コンジ
出演アンソニー・ホプキンス
クリス・ロック
ガブリエル・マクト
ガーセル・ボーヴァイス
アドニ・マロピス
ケリー・ワシントン
ピーター・ストーメア

2004年5月4日火曜日

ナチュラル・ボーン・キラーズ


初見での印象はとにかく“パワフル”だった。16ミリや8ミリ、テレビ画面やアニメーションまで目まぐるしく切り替わる映像、圧倒される暴力的な色使い、退廃的なミッキー(W・ハレルソン)とマロリー(J・ルイス)の言動は、強烈だった。ストーリーやメッセージよりも視覚的に惹きつけられたのは、もんもんと自堕落に生活をしていた二十歳だったから。今でも十分に刺激的なのだが、まだ落ち着いて観られるようになったのは、多少なりとも年齢を重ねたからだろうか。
Q・タランティーノが無名時代に書いた原作を、方向性でO・ストーンと折り合いが付かず原案とクレジットされたとか。今観ると、メッセージ性の強いO・ストーンらしい作品で、アメリカの歪みを映し出そうとしていることが良く分かる。大人の視点でみた若造たちの暴走でしかない。
30代半ばの今は、それはそれで十分に理解できるが、まだまだ娯楽としてQ・タランティーノが撮ったミッキーとマロリーのラブストーリーを観てみたいと思う。ウェイン(R・ダウニーJr)やマクラスキー所長(T・L・ジョーンズ)やスキャグネッティ刑事(T・サイズモア)をどう描くだろう。
10年後にはどういった感想を持つのだろうか。それも楽しみだ。
ところで、冒頭であっさりと二人に殺されてしまう役でジェームズ・ギャモンが出演していたのに気が付いて嬉しかった。彼は『メジャーリーク』シリーズの監督役で好きになった役者だ。『刑事ナッシュ・ブリッジス』ではナッシュの父親役として良い味を出していた。

原題NATURAL BORN KILLERS
製作年1994
製作国アメリカ
時間119
監督オリヴァー・ストーン
原作クエンティン・タランティーノ
脚本デヴィッド・ヴェロズ
リチャード・ルトウスキー
オリヴァー・ストーン
撮影ロバート・リチャードソン
出演ウディ・ハレルソン
ジュリエット・ルイス
ロバート・ダウニー・Jr
トム・サイズモア
トミー・リー・ジョーンズ

2004年5月3日月曜日

いつかギラギラする日

時代劇は別にして、初めて邦画で面白いと思った作品。当時は日本でもここまで派手なアクションができるんだと関心したもんだが、今観ると少し物足りないと感じたのはカメラ割り。爆破シーンやカーアクションは俯瞰を中心にしちゃダメだよなぁ。
萩原健一や石橋蓮司、千葉新一、多岐川裕美、樹木希林と渋い役者が揃っているなか、これが久しぶりの芸能界復帰になった木村一八が割りと好印象。役どころそのままの青臭い演技だが、キャスティングとしては“あり”でしょう。荻野目慶子のキレっぷりは嫌いじゃないが、やはり浮いてしまってるのは否めない。普通の女の子だと締りがない雰囲気になるのは予想できるから、ある意味重要なキャラだとは思うが。それと、彼女の回想シーンはいらない。あんなもの挿入しなくても孤独感は出せるだろうに。
まだまだ突っ込みどころは色々あるが、全体的には緩急があって良かった。重鎮と若手の対決や、ギャングというファンタジーと生活観が滲み出るリアリティ、ブルースとロック等など表裏の対比が面白かった。
それにしても、自ら歌う『ラストダンスは私と』が流れる中、ラストシーンで神崎(萩原健一)がバスの中で銀行を見て子供みたいに目を輝かせるのが可笑しかった。
色々と御託を並べてみたが、そんなことは考えずに肩の力を抜いて単純に楽しめる作品である。

原題いつかギラギラする日
製作年1992
製作国日本
時間108
監督深作欣二
脚本丸山昇一
撮影浜田毅
出演萩原健一
木村一八
荻野目慶子
石橋蓮司
千葉真一
多岐川裕美
原田芳雄
樹木希林
安岡力也
八名信夫

2004年5月2日日曜日

リトル・マーメイド

ディズニーアニメの中では一番好きな作品。でもアンデルセンの原作とは知らなかった。無知にも程があるな。全部ごっちゃになってるかも。そういえば原作は悲恋の物語だった。もちろんそのままアニメ化しても教育テレビでしか放送しないような作品になってたのは間違いないだろうから、全く別物として、ディズニーらしいノリの良さを出したのがツボに嵌った。
何が一番良いって、あの“Under the sea”という挿入歌。南国調のあのシーンを思い出すだけで、体が動き出しそうになる。

原題THE LITTLE MERMAID
製作年1989
製作国アメリカ
時間84
監督ロン・クレメンツ
ジョン・マスカー
原作ハンス・クリスチャン・アンデルセン
脚本ロン・クレメンツ
ジョン・マスカー
出演(声)ジョディ・ベンソン
サミュエル・E・ライト
バディ・ハケット
パット・キャロル

2004年5月1日土曜日

10億分の1の男

発想が面白い。運の奪い合いをするという超能力的サスペンスと聞くとなんだかアクションかハードサスペンスかと思うが、これがまた実に退廃的なニオイが漂ったまま最後まで続く。少々間延びする感もあるが、同じゲームを何度も映さない辺りは上手い。更に運のやり取りということに多少の疑問が出始めたころに問答無用でクライマックスにもって行き、そこでマックス・フォン・シドーが引き鉄を引く瞬間には思わず「あっ!」と叫んでしまった。
良い意味でも悪い意味でもハリウッドでは決して作れないサスペンスに仕上がっている。

原題INTACTO
製作年2001
製作国スペイン
時間108
監督フアン・カルロス・フレスナディージョ
脚本フアン・カルロス・フレスナディージョ
アンドレス・M・コッペル
撮影シャヴィ・ヒメネス
出演レオナルド・スバラグリア
ユウセビオ・ポンセラ
マックス・フォン・シドー
モニカ・ロペス
アントニオ・デチェント