2008年5月27日火曜日

ビッグムービー

昔ながらの古き良きコメディ。観方によって笑い転げることも切なくなることもできる。過度に下品でもなく、もちろん決して上品でもない。F・オズ×S・マーティンの真骨頂といったところだろう。“分かる人には分かる”じゃ興行的には失敗なんだろうけども“好きな人にはたまらない”ということで二重丸。
それにしてもやっぱりE・マーフィーは巧い。個人的にはあまり好きな役者じゃないんだけど彼の後に続く同系統の売れてる役者さんと比べても安心感が違う。時代の変化って残酷だと思うけどまだまだ活躍できる場所はあるはずだ。
キャストだけみるともっと予算をつぎ込めたとも思えるが、ずいぶんと低予算で作ったようだ。まさにボーフィンガーを地で行くB級ぶりは画面から滲み出てくる。その辺りからして泣けるのだが、ハリウッドにしがみつく映画人達の想いとパワーを思いっきり皮肉って笑い飛ばしてしまおう。

そういえばいつの頃だったか、ハリウッドで妙な新興宗教が流行ってるというニュースを見たことがあって、初見の時にずいぶん背中の冷たくなる思いをしたのを覚えているのだが、この映画が公開される前だったか後だったか。

原題:BOWFINGER
製作年:1999
製作国:アメリカ
時間:97
監督:フランク・オズ
脚本:スティーヴ・マーティン
撮影:ウエリ・スタイガー
出演:スティーヴ・マーティン
エディ・マーフィ
ヘザー・グレアム
クリスティーン・バランスキー
テレンス・スタンプ
ジェイミー・ケネディ
バリー・ニューマン
ロバート・ダウニー・Jr

2008年5月23日金曜日

カオス

J・ステイサム、W・スナイプス共演のクライムアクションサスペンスって“ウリ”だけで観たけど、やっぱり物足りない。思わせぶりな展開は嫌いじゃないけど、イマイチ捻りが足りないというか、伏線の撒き具合が足りないというか、情報の小出しで煙に巻くのが先行して、一番の見所であるはずのミスディレクションが上手く行ってない。なので後半の謎解きパートに入る前に大体の見当が付いてしまう。しかも、終わり方が府に落ちない。いや、かっこ良く決めたかったところなんだろうけど、やられた感がないのでちっともすっきりしない。
スピーディーな展開で最後まで突っ走るので、観てて飽きることはないと思う。R・フィリップは当時30歳くらいのはずだが若い。高校生でもいけるんじゃないかと思う感じは新米刑事のお坊ちゃんというイメージにはぴったりなんだろうが、その割には結構血の気の多い役柄だったのも変な感じ。
気になったのはJ・ワデル。コナーズ(J・ステイサム)を見る目にキュンときた(笑)これからの出演作に期待。

原題:CHAOS
製作年:2005
製作国:カナダ
イギリス
アメリカ
時間:107
監督:トニー・ジグリオ
脚本:トニー・ジグリオ
撮影:リチャード・グレートレックス
出演:ジェイソン・ステイサム
ウェズリー・スナイプス
ライアン・フィリップ
ジャスティン・ワデル
ヘンリー・ツェーニー
ニコラス・リー
ジェシカ・スティーン
ロブ・ラベル
ジョン・カッシーニ
デイモン・ジョンソン
ポール・ペリ
キーガン・コナー・トレイシー
ナターシャ・マルテ
タイ・オルソン
テリー・チェン

2008年5月18日日曜日

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

なんと言うか、観賞後にジワジワと澱が積もっていく感じ。どうも腑に落ちない。どこに気持ちを持っていけばいいのだろうか。
いつものことだけど、封切り前の宣伝ではこの作品をコメディとして売り込んでいて、それにまんまと引っ掛かってしまったのが悔しい。コメディセンスはT・ハンクスと監督のお茶目さであって、これをコメディのジャンルに入れるのには真っ向から反対しておく。
で、楽しさを期待して観てしまったからなのか、元々そういう脚本だからなのか未だ判断できてないんだけど、困っている。
伝記だということは知っていた。一番すんなりいくのはチャーリー(T・ハンクス)に感情移入することなんだけど、まずそれができなかった。俳優のせいではなく、物語の構成のせいだろう。どうせなら、彼が議員になる時期のエピソードとか、他の議員へ影響力を持つことになるエピソードなんかがあるといいのに。
また戦争への介入が、ようは“金”なんで、状況の推移が分かり難い。これは単に歴史的知識がないだけなのかもしれないけど、一介の議員が主人公の秘密工作なんで、スパイ映画のような“現場”のスリルは皆無。それなら、下院内の予算の引っ張り合いを前面に出して、腹の探り合い的な法廷モノのようなシーンがあれば白熱もするのにそれもない。
ロマンスがスパイス程度なのは仕方ないとしても、あっさりしすぎ。ジョアン(J・ロバーツ)やガスト(F・S・ホフマン)、ボニー(A・アダムス)などなど魅力的なキャラクタが登場しながら、そこはほとんど触れずに展開してしまう。事実は小説よりも奇なりというが、それ以上に現実は地味という見本だと思った。
別の観方をすれば、アメリカやCIAのやり方、当時の裏話の開示、なによりラストシーンの不条理さなど感じるところは分かる。分かるけど、どうも腑に落ちない…。

原題:CHARLIE WILSON'S WAR
製作年:2007
製作国:アメリカ
時間:101
監督:マイク・ニコルズ
原作:ジョージ・クライル
脚本:アーロン・ソーキン
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
出演:トム・ハンクス
ジュリア・ロバーツ
フィリップ・シーモア・ホフマン
エイミー・アダムス
ネッド・ビーティ
オム・プリ
エミリー・ブラント
ケン・ストット
ジョン・スラッテリー
デニス・オヘア
ジャド・タイラー
ピーター・ゲレッティ
ブライアン・マーキンソン
クリストファー・デナム
トレイシー・フィリップス
ウィン・エヴァレット
メアリー・ボナー・ベイカー
レイチェル・ニコルズ
シリ・アップルビー

2008年5月17日土曜日

インランド・エンパイア

難解といえばそうだし、そうでもないといえばそうでもない。やっぱりD・リンチの世界なのね。嫌いじゃないけど、朝っぱらから観る作品ではなかった。彼の作品に関しては様々なところでウンチクが書かれているのでそこはごっそり省く。
3時間という長丁場は、意外にも全く気にならなかった。5つの世界を一つに観るところで酔いそうな感じもないことはないが、展開についていこうとして頭を捻りながらも最後まで乗り切った。確かに疲れたがある意味心地良い。どこかのインタビュー記事にあったが、監督曰く「ストーリーも大事だけどこの映画は音楽を聴くように観て欲しい」と言うとおり、物語として観ると破綻するんだけど、あまり考え込まずに観ると割りにすんなり世界観に入れるような気がした。

原題:INLAND EMPIRE
製作年:2006
製作国:アメリカ
ポーランド
フランス
時間:180
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ
撮影:デヴィッド・リンチ
エリック・クレーリー
オッド・イエル・サルテル
オーレ・ヨハン・ロシュカ
出演:ローラ・ダーン
ジェレミー・アイアンズ
ハリー・ディーン・スタントン
ジャスティン・セロー
カロリーナ・グルシュカ
スコット・コフィ
グレイス・ザブリスキー
ダイアン・ラッド
ジュリア・オーモンド
アマンダ・フォアマン
ジョーダン・ラッド
スタンリー・カメル
メアリー・スティーンバージェン
ローラ・ハリング
ナスターシャ・キンスキー
マイケル・パレ
ウィリアム・H・メイシー
裕木奈江
ピーター・J・ルーカス
クシシュトフ・マイフシャク
エリック・クレーリー
出演(声):ナオミ・ワッツ

2008年5月15日木曜日

トランスフォーマー

オリジナルのアニメは全く知らないが、アクション映画としては中々派手で面白かった。ドラマ性に期待したらいけません。単純にスピード感溢れるロボット達の変身シーンと格闘シーンを楽しむのが吉。これは今の時代に作られるべくして作られた作品でしょう。エイリアンも流行ってるようだし、何より一昔前のCGではとてもこの映像は作れない。
人間を殺したくないがために仲間を見殺しにするのも厭わないリーダーが、結局最後はもみくちゃになって街の人間たちを巻き込みながら(蹴散らしながら?)悪者と格闘戦を繰り広げる辺り、呆れる以上に思い切りの良さに脱帽。一つ間違えれば失敗してたかもしれないコメディ路線も案外良かった気がする。とりあえず楽しいと思えただけに、間違えても続編なんか作らずにここで終わって欲しい。
見たことのある役者さんが多々脇を固めているようだけど、TVドラマ中心に活躍する人が多いみたい。誰でも知ってる有名人を起用していないのも悪くなかった理由の一つだと思われる。そうそう、ヒロイン役のM・フォックスがキーラ・ナイトレイ風で可愛らしかった。これから無事にキャリアを伸ばして欲しいものだ。

原題:TRANSFORMERS
製作年:2007
製作国:アメリカ
時間:144
監督:マイケル・ベイ
原作:アレックス・カーツマン
ロベルト・オーチー
ジョン・ロジャース
脚本:アレックス・カーツマン
ロベルト・オーチー
撮影:ミッチェル・アムンドセン
出演:シャイア・ラブーフ
ミーガン・フォックス
ジョシュ・デュアメル
ジョン・ヴォイト
ジョン・タートゥーロ
レイチェル・テイラー
タイリース・ギブソン
アンソニー・アンダーソン
ケヴィン・ダン
ジュリー・ホワイト
アマウリー・ノラスコ
バーニー・マック
W・モーガン・シェパード
マイケル・オニール
ザック・ウォード
クリス・エリス
グレン・モーシャワー
ジョン・ロビンソン
トラヴィス・ヴァン・ウィンクル
ソフィー・ボバル
出演(声):ピーター・カレン
マーク・ライアン
ヒューゴ・ウィーヴィング
レノ・ウィルソン

2008年5月14日水曜日

女神が家(ウチ)にやってきた

S・マーティンとQ・ラティファの共演で、面白くならないわけがない。とは言うものの、世代も人種も性別もスタイルも全く正反対の二人。そのままピーター(S・マーティン)とシャーリーン(Q・ラティファ)に当てはまることだけど、この二人の関係がまたあやうい。薄氷の上を歩いているみたいに際どい空気を作っている感じだ。
何度も声を上げて笑うシーンがあるけど、全体的にはこの二人の相性はぴったりとは言い難い。それでも面白いと思うのはコメディアンとしてのそれぞれの力量だけでなく脇役の力に因るところが大きいのではないだろうか。
S・マーティンにはこれからもハートフルコメディの王道を進んで欲しい。中途半端に突拍子もない作品には出ないで欲しい。Q・ラティファにはもっともっとメジャー作品に出演して欲しい。

原題:BRINGING DOWN THE HOUSE
製作年:2003
製作国:アメリカ
時間:105
監督:アダム・シャンクマン
脚本:ジェイソン・フィラルディ
撮影:ジュリオ・マカット
出演:スティーヴ・マーティン
クイーン・ラティファ
ユージン・レヴィ
ジョーン・プロウライト
ジーン・スマート
キンバリー・J・ブラウン
アンガス・T・ジョーンズ
ミッシー・パイル
マイケル・ローゼンバウム
ベティ・ホワイト
スティーヴ・ハリス
ジム・ヘイニー
ヴィクター・ウェブスター

2008年5月12日月曜日

ローグ アサシン

まぁなんというか、アウトローな組織間の対立に巻き込まれた刑事の物語・・・ってセガールの得意分野だ(笑)それはともかく、J・リーとJ・ステイサムのアクションってだけで観てみたんだけど、どうもノれなかった。全体的に中途半端な翳のせいか、それともアクションが物足りないのか、浅い展開のせいか。
薄い脚本をカメラワークと出演陣の演技だけで乗り切ったという感じだろうか。
“日本の文化”という意味では、欧米人の最大公約数的なものを全部放り込んでおいて日本人にはウケを狙ったとしか思えないものが数々散りばめられている。「下手の横好き」と書かれた垂れ幕には思わず吹き出した。
クライマックスの“裏切り”はそうきたかと意外性はあったけど、そこに集約されるカタルシスがないのが残念だ。ラストもいただけない。それならそれで、導入部分をもっと大事に描く必要があったのではないだろうか。
さて、台詞も含めて日本に関する描写において「おしい!(笑)」と思わせる部分は、もはや突っ込みどころではなくて間違い探しみたいなものなので、ソコを重点に楽しむのも一興。

原題:WAR
製作年:2007
製作国:アメリカ
時間:103
監督:フィリップ・G・アトウェル
脚本:リー・アンソニー・スミス
グレゴリー・J・ブラッドリー
撮影:ピエール・モレル
出演:ジェット・リー
ジェイソン・ステイサム
ジョン・ローン
デヴォン青木
ルイス・ガスマン
石橋凌
マシュー・セント・パトリック
ナディーヌ・ヴェラスケス
アンドレア・ロス
マーク・チェン
ケイン・コスギ
ケネディ・ローレン・モンタノ
テリー・チェン
ポール・ジャレット

2008年5月10日土曜日

ブラック・スネーク・モーン

たぶん多くの例に漏れず中々刺激的な予告に煽られて観たクチです。アメリカ南部における人種差別をベースにした暴力とセックス。それをS・L・ジャクソンとC・リッチが・・・と思っていたんだけど、全くそんなことはなかった。女房を弟に寝取られたラザラス(S・L・ジャクソン)がセックス依存症で破滅的なレイ(C・リッチ)を拾うことでお互いに立ち直ろうとするハートウォーミングな物語。
途中宗教的な色合いが濃くなるのかとも心配したが、さすが南部。ベースに神が居ても生活に密着してるのはブルース。S・L・ジャクソンって歌もギターも巧いのね。冷静に思い返せば設定は面白いが案外軽い展開だったものの、若さと老い、白人と黒人、男と女、我侭と忍耐、若いカップルに往年のカップルなどなど、色んな対比が程よく感じられて、それを音楽が繋げていくような感じ。ラストの展開は少々急ぎ過ぎな気もしないでもないが、ラストシーンはただのハッピーエンド的な映画の終わりではなく問題を抱えながらも彼らの人生が続いていくという感じで好印象。
ブルースの基本は愛だというそのままの、愛を感じる作品でした。

原題:BLACK SNAKE MOAN
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:115
監督:クレイグ・ブリュワー
脚本:クレイグ・ブリュワー
撮影:アメリア・ヴィンセント
出演:サミュエル・L・ジャクソン
クリスティナ・リッチ
ジャスティン・ティンバーレイク
S・エパサ・マーカーソン
ジョン・コスラン・Jr
マイケル・レイモンド=ジェームズ
キム・リチャーズ

ステップ・アップ

もっとダンス一本やりなのかと勝手に想像していたけど、けっこうドラマも成り立ってて良かった。監督が振り付けもやっているそうで、さすがにダンスの見応えはあったし、カメラワークもかなり切り替わりが激しいんだけどあまりそれが気にならない。音楽も良いし、色んなシーンで色んなダンスが見れて楽しかった。予定調和のステレオタイプなドラマとはいえ、クライマックスもそれなりにグッときたし嫌いではない。ノリの良さから言うと他にも良いダンスムービーはあるが、ダンスの見せ方や映画として巧くバランスが取れていると言う意味では良くできていると思う。
ヒップホップの“ゆるさ”とモダンダンスの“堅苦しさ”ってほんと紙一重。ラップとクラシックの融合と一緒だけど、ハマるとかなり格好良い。

あんまりサントラって気にしないんだけど、この映画のサントラは中々良い。

原題:STEP UP
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:100
監督:アン・フレッチャー
原案:デュエイン・アドラー
脚本:デュエイン・アドラー
メリッサ・ローゼンバーグ
撮影:マイケル・セレシン
出演:チャニング・テイタム
ジェナ・ディーワン
マリオ
ドリュー・シドラ
ヘヴィー・D
ダメイン・ラドクリフ
ディシャーン・ワシントン
ジョシュ・ヘンダーソン
レイチェル・グリフィス

2008年5月6日火曜日

スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい

コンセプトは好きだが、ラストがちょっと…。
この手の作品で言うともっと弾けた感じでコメディ要素を出さないとすっきりしないような気がする。ドラマとしてじっくり描くには濃いキャラクタが多すぎ。結局、タイムクライシスも鉢合せによるパニックも、行き当たりばったりの面白さもすべて中途半端になってしまった感がある。しかもラストがあれじゃなんのカタルシスも得られないのが残念。なんだかなぁ。中々面白い出演陣だと思うし、見せ場も沢山あっただろうに、もうひとつひねりと勢いが足りない感じ。Q・タランティーノ好きには物足りない。
また、劇中の台詞にある“唐突な死”だったり“無常さ”だったりを意識するには昇華しきれてない感じ。確かに唐突に訪れる無常な死はあったがそのまんまだし、エンターテイメントとしてその戦いを楽しむ間もなく終わってしまうし。
唯一良かったのはA・キース。彼女を見たのは初めてだけどアーティストだったのね。かっこいいよ。女優として大成して欲しいな。コモン(これまた初めて知った)とのツーショットは惚れ惚れする。この二人でスピンアウトの作品を1本作って欲しいくらい。

原題:SMOKIN' ACES
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:108
監督:ジョー・カーナハン
脚本:ジョー・カーナハン
撮影:マウロ・フィオーレ
出演:ライアン・レイノルズ
レイ・リオッタ
アリシア・キーズ
アンディ・ガルシア
ジェレミー・ピヴェン
ベン・アフレック
ピーター・バーグ
タラジ・ヘンソン
クリス・パイン
マーティン・ヘンダーソン
ジェイソン・ベイトマン
コモン
ネスター・カーボネル
ジョセフ・ラスキン
ジョエル・エドガートン
トミー・フラナガン
ケヴィン・デュランド
マシュー・フォックス
モーリー・スターリング

不機嫌な赤いバラ

最近ではあまりみかけなくなった(というか作りにくくなった?)ハートフルコメディ。設定も展開も「そりゃないだろう」というかなり無茶に思える作品だけど、そんなことを気にしてたらこの手の映画は楽しめない。S・マクレーンの可愛らしさと、案外はまっていたN・ケイジの掛け合いとふれあいを素直に受け止めよう。
クライマックスの事件はかなり面食らった(あまりにそれまでの雰囲気から逸脱してた)けど、まぁそれはそれ。見終わって笑顔でいられるんだから良しとしよう。ただ、もうちょっと色々とほったらかしにされている伏線を巧く取り込んで欲しかったかな。ところで、これって誰かモデルになるような人物がいるんだろうか?

原題:GUARDING TESS
製作年:1994
製作国:アメリカ
時間:95
監督:ヒュー・ウィルソン
脚本:ヒュー・ウィルソン
ピーター・トロクヴェイ
撮影:ブライアン・J・レイノルズ
出演:シャーリー・マクレーン
ニコラス・ケイジ
オースティン・ペンドルトン
エドワード・アルバート
ジェームズ・レブホーン
リチャード・グリフィス
デヴィッド・グラフ
ジョン・ローゼリアス
デイル・ダイ
ハリー・J・レニックス

2008年5月4日日曜日

フロストバイト

B級バンパイアホラーなんだけど、なんともはや。
極夜(白夜の反対でずっと夜)に起こる吸血鬼の恐怖ってのも中々面白いシチュエーションだとは思うんだが、如何せん無駄な説明シーンが多すぎ。妙なサイドストーリーも入れすぎ。で、結局一番の見せ所であるパーティの殺戮シーンはないし。ボスキャラは弱すぎだし。中途半端な説明とかは恐怖に水を差すだけだし、戦時中の出来事とか導入部としては効果的かもしれないけどその伏線が全く活かされてないし、無軌道な若者の無責任な行動が引き起こす惨劇とかはすでに20年も前に使い古された設定だと思うがいかがなものか。結局追いかけられる怖さもなくあっさり捕まって最後はそれかよ。
DVDにあったメイキング映像で、監督が鼻高々に語るVFXの効果だとかクリーチャーの造詣だとかを聞いててなんだか空しい。ハリウッド至上主義ではないが、これはちょっといただけない。これならもっと低予算でもっと怖いものが作れたんじゃないだろうか。予告はもうちょっと面白そうだったんだけどなぁ。それにしてもこれが(単館とは言え)劇場公開されるなんて…もっと面白くてビデオスルーした作品がなんぼでもあっただろうに。
そうそう、IMDbではホラーとコメディにカテゴリされてたけど、確かにコメディとして観たらもうちょっとマシに思えるかも。

原題:FROSTBITEN
製作年:2006
製作国:スウェーデン
時間:96
監督:アンダシュ・バンケ
脚本:ダニエル・オイアンラトヴァ
撮影:クリース・マリース
出演:ペートラ・ニールセン
カール=オーケ・エリクソン
グレーテ・ハヴネショルド
ヨーナス・カールストロム
エンマ・T・オーベリィ
ペール・ローフベリィ

スウィニー・トッド 悪魔の理髪師

ジョニー・デップ版と間違えた(笑)
BBCのテレビドラマ版だったわけなんだけど、基になった伝説の猟奇殺人(事実か都市伝説かの境界は曖昧で、彼が実在したかどうかは証明されていないらしい)ということで、幾つも同名作品があるみたいだ。このR・ウィンストン版はホラーというよりかなり歪んではいるがロマンスに近い脚本になっている。
「殺人の動機は犯人以外の“普通の”人が納得したいがために後から理由付けされるだけだ。」という見解を読んだことがあるが、そのとおりかもしれない。このトッド(R・ウィンストン)は言葉数が少なく朴とつで生真面目。彼が、夫にDVを受けているラヴェット夫人(E・デイヴィス)のために殺人を続けるのもわかるような気がする。最初の犠牲者は個人的な復讐で衝動的なものだったんで、最初から彼女ためだと只の色ボケだけどそうじゃないところが良かった。
「切り裂きジャック」もそうだけど、昔のロンドンって怖いところだ(笑)

原題:SWEENEY TODD
製作年:2006
製作国:イギリス
時間:92
監督:デイヴ・ムーア
脚本:ジョシュア・セント・ジョンストン
撮影:ウルフ・ブランタス
出演:レイ・ウィンストン
デヴィッド・ブラッドリー
エシー・デイヴィス
トム・ハーディ
ラデュ・アンドレイ・ミク
アンソニー・オドネル
デヴィッド・ワーナー

2008年5月3日土曜日

オール・ザ・キングスメン

中々豪華な出演陣なんだけど、全体的に大人しい。ウィリー(S・ペン)の脂っこさというか強引さを前面に出す演出なのかもしれないが、その割にはS・ペンがミスキャストな印象が否めない。S・ペンは巧いけどあんまり政治家向きな顔と声をしてない気がする。尖った感じの雰囲気は静かな怖さはあっても怒鳴り散らすタイプの恫喝には向いてない。だからせっかくの周囲の枯れた演技が効果的とはいえなくなっている。というわけでウィリーがやり手だけど怨まれて当然という心証を得るにはイマイチだった。どうせならジョン・トラボルタとかアレック・ボールドウィンの方が似合ってる気がする。それからアダム(M・ラファロ)の動機もちょっと希薄すぎるなぁ。
ラストの血が交わりモノクロからカラーに変わるシーンは、非常に象徴的というか意味深だと思われるが、全く理解できなかった。これが人種問題が絡んだストーリーなら分かるんだけど・・・。
原作のモデルになったヒューイ・ロングというルイジアナ州の知事が実在するそうで、映画で描かれるような半生と最期だった(誇張や脚色はあるにせよ)ようだ。

原題:ALL THE KING'S MEN
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:128
監督:スティーヴン・ザイリアン
原作:ロバート・ペン・ウォーレン
脚本:スティーヴン・ザイリアン
撮影:パヴェル・エデルマン
出演:ショーン・ペン
ジュード・ロウ
アンソニー・ホプキンス
ケイト・ウィンスレット
マーク・ラファロ
パトリシア・クラークソン
ジェームズ・ガンドルフィーニ
ジャッキー・アール・ヘイリー
キャシー・ベイカー
タリア・バルサム
トラヴィス・M・シャンパーニュ
フレデリック・フォレスト
ケヴィン・ダン