2004年5月12日水曜日

ダウン

導入部は面白そうに感じた。エレベータが意思を持ったように狂い人を襲う。しかも超高層ビルだ。パニック系のホラーで、一体どんなオチを付けてくれるのだろうかとかなり期待してしまった。ところが…。
D・マース自身による『悪魔の密室』(未見)のリメイクだそうだが、B級ホラーの焼き直しはやっぱりB級だということだ。CG技術の向上で簡単に人が襲われるシーンを撮れるようになってしまってから、スプラッタやスラッシュホラーならCGの恩恵は計り知れないが、カメラワークと編集技術による昔ながらのおどろおどろしい“怖さ”の表現が少なくなってしまったのは非常に残念だ。
これなら、題名は失念したが、ハイテクビル(死語?)全体が暴走してしまったという映画の方が面白みがあった。如何せんエレベータの管理システムが暴走した程度じゃ、襲う側のできることに制限がありすぎ。暴走したシステムとの対決シーンもあまりにもお粗末だった。整備士の元海兵隊という設定をもっと活かしたクライマックスがあっても良かったはずだ。コメディとして再構成した方がかなり面白くなったと思われる。
N・ワッツを始め、M・アイアンサイドやE・ハーマン、D・ヘダヤにしてもかなり気の抜けた演技をしているように観えた。

原題DOWN
製作年2001
製作国アメリカ
時間111
監督ディック・マース
脚本ディック・マース
撮影マーク・フィルペルラン
出演ジェームズ・マーシャル
ナオミ・ワッツ
エリック・タール
マイケル・アイアンサイド
エドワード・ハーマン
ダン・ヘダヤ
ロン・パールマン

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