原作のアメコミは全然知らない。が、あまり知らないが故に思い入れがない分普通に面白かった。アメコミにありがちな苦悩を抱えるヒーロー像(うんざりする位ステレオタイプ)が-本来ならもっと切ないくらいのファザコンぶりなのは覗えるが-意図してかせずかはともかく画面からはあまり感じられず、単なるアクション映画として空を翔けるシーンや壁をぶち破るシーンなど『ターミネーター』にすらないほどの爽快さで楽しんだ。CG部分も幸か不幸か丁度良かった。
欲を言えば、人の繋がりをもっと深く描いて欲しいところだ。ベティ(J・コネリー)とブルース(E・バナ)の繋がりは劇中では物足りない。それほど愛し合っているようには見えない。もしかして役者の相性なのかもしれないが。もちろんデヴィッド(N・ノルティ)のあらゆる執着心もバックボーンが足りなくて迫力に欠ける。
一番印象的だったのはJ・コネリーの美しさ。表情は固いが綺麗なので許す。それと、マルチウィンドウを使ったコマ割りと変な画面の切り替え。アニメを意識したものだろうがはっきりいってうざい。コマ割りはまだしも画面の切り替えは自然な方がいい。
キャラクターを楽しむなら原作のアニメを見たほうが良いと思うのだが、続編が出ればたぶん確実に観るだろう。
原題 | THE HULK |
製作年 | 2003 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 138 |
監督 | アン・リー |
原作 | ジャック・カービー スタン・リー |
原案 | ジェームズ・シェイマス |
脚本 | ジェームズ・シェイマス マイケル・フランス ジョン・ターマン |
撮影 | フレッド・エルムズ |
出演 | エリック・バナ ジェニファー・コネリー ニック・ノルティ サム・エリオット ジョシュ・ルーカス |