2004年4月17日土曜日

ホーンテッド・マンション

宣伝ではホラー感たっぷりだが、ディズニーたし、E・マーフィーだしということで、家族で楽しむには丁度良い。
ディズニーランドのアトラクションを映画化した作品であるだけに途中に出てくる999人の亡霊たちは愛嬌のあるキャラクターばかり。しかし、もう少し彼らにスポットを当てて欲しいと思うのは欲張りすぎだろうか。

原題THE HAUNTED MANSION
製作年2003
製作国アメリカ
時間99
監督ロブ・ミンコフ
脚本デヴィッド・バレンバウム
撮影レミ・アデファラシン
出演エディ・マーフィ
ジェニファー・ティリー
テレンス・スタンプ
ナサニエル・パーカー
マーシャ・トマソン
ウォーレス・ショーン
ディナ・ウォーターズ
マーク・ジョン・ジェフリーズ
アリー・デイヴィス

2004年4月16日金曜日

ペイ・チェック 消された記憶

B・アフレックってどうしてこうもっさいのだろう。出演作に恵まれてないとは思わないのだが。動きや表情にリズム感がないというべきか。よくわからん。スタイリッシュな作品で彼を観てみたい気がする。
内容は『マイノリティ・リポート』と『JM』を足して3で割ったような感じ。ちょっと足りないのだ。未来を垣間見た過去の自分から、記憶を消された自分へ宛てた幾つかのアイテム。題材は十分面白そうなのだが、映画というメディアの制限だな。2時間前後の枠の中で、謎解きを楽しむには時間が足りない。残念だ。
U・サーマンは『キル・ビル』のイメージが強いまま観てしまった。もちろん可愛らしいのだが、強い女性はそのままだった。他の出演作も観てみたい。
ラストシーンでにやりとはさせてくれたが、未来を見るとやっぱりそれか、とも思った(笑)

原題PAYCHECK
製作年2003
製作国アメリカ
時間118
監督ジョン・ウー
原作フィリップ・K・ディック
脚本ディーン・ジョーガリス
撮影ジェフリー・L・キンボール
ラリー・ブランフォード
出演ベン・アフレック
アーロン・エッカート
ユマ・サーマン
コルム・フィオール
ジョー・モートン
ポール・ジアマッティ
マイケル・C・ホール

2004年4月15日木曜日

死ぬまでにしたい10のこと

題材的にはアメリカかフランスの映画かと思っていたら、スペインとカナダとは意外だった。中々重い主題だが、やはり色々と考えされられるものがある。自分がアン(S・ポーリー)の立場ならリストに何を書くだろう。今は想像もつかないが、彼女の挙げた10のことは、可笑しいやら悲しいやら。でも身近に感じた。案外そんなものかもしれない。
ここでもM・ラファロがかなり良い感じで出演している。『イン・ザ・カット』や『ハッピー・フライト』とそれぞれタイプの違う男を演じている。地味だが地に足の付いた俳優という感じがして好印象。
ラストシーンでアンの語りと共に流れる、彼女の死後の周りの人たちの様子が彼女の想いに包まれてる雰囲気をちゃんと受け取れたのが救い。彼女の死は悲しいことではあるが、観終わったときににっこりとできるのは良い作品であったということだろう。

原題MY LIFE WHITHOUT ME
製作年2003
製作国カナダ
スペイン
時間106
監督イザベル・コヘット
脚本イザベル・コヘット
撮影ジャン=クロード・ラリュー
出演サラ・ポーリー
スコット・スピードマン
デボラ・ハリー
マーク・ラファロ
レオノール・ワトリング
アマンダ・プラマー
ジュリアン・リッチングス
マリア・デ・メディロス
アルフレッド・モリナ

2004年4月14日水曜日

ラブ・アクチュアリー

「Love actually is all around.」という言葉で始まる空港のシーン。言われてみれば、確かに空港の到着ロビーは愛に溢れている。日本ではあんまり見かけないけどね。
一見バラバラだが微妙に繋がっている19人の登場人物が織りなす愛のオムニバス。キャストの多さに戸惑うが、あまり意識せずに様々な恋愛模様を楽しむことができる。どのシーンも良いが、一番グッときたのはマーク(アンドリュー・リンカーン)がジュリエット(K・ナイトレイ)に対して行動を起こしたシーン。切なくて悲しくて、でも清々しい。帰り際に残したマークの独り言が印象に残る。
ほどよく可笑しくて、ほどよくしっとりと。ハッピーエンドばかりじゃないが、どの関係を観ても和やかになれる。ラストで流れる空港の到着ロビーのシーンはオープニングで観たときよりもさらに愛に溢れているように観えたのは感化されすぎか。
H・グラントを始めとする豪華キャストも見逃せない。A・リックマンは『ハリー・ポッター』シリーズで活躍中だが、それよりも前に『ダイ・ハード』の悪役ハンス・グルーバーを演じていたことに今更ながら気が付いた。K・ナイトレイは『パイレーツ・オブ・カリビアン』でもキュートだったが、今回もかなり控えめだが十分にその魅力を振り撒いている。C・ファースにしてもL・リニーにしてもそうだが、イギリスの実力派俳優や若手俳優達を大勢観れるという意味でも損はない。
もろ手を上げてお勧めするほど万人受けする作品ではないが、ほっとしたいときには良い。

原題LOVE ACTUALLY
製作年2003
製作国イギリス
アメリカ
時間135
監督リチャード・カーティス
脚本リチャード・カーティス
撮影マイケル・コールター
出演ヒュー・グラント
リーアム・ニーソン
コリン・ファース
ローラ・リニー
エマ・トンプソン
アラン・リックマン
キーラ・ナイトレイ
ローワン・アトキンソン

2004年4月13日火曜日

キル・ビル Vol.2

どこまでいくのかタランティーノ。興行成績そっちのけで異彩を放つ監督だが、今回も好き放題やってくれた。さすがに最後まで飽きることなく観たが、どうしても苦笑しながら観てしまう。中国のカンフーマスターとのトレーニングシーンもそうだが、確信犯的な異文化のデフォルメは欧米でどう受け止められているのかぜひ聞いてみたいものだ。

原題KILL BILL VOL.2
製作年2004
製作国アメリカ
時間136
監督クエンティン・タランティーノ
脚本クエンティン・タランティーノ
撮影ロバート・リチャードソン
出演ユマ・サーマン
デヴィッド・キャラダイン
ダリル・ハンナ
マイケル・マドセン
ゴードン・リュウ
マイケル・パークス

2004年4月12日月曜日

オーシャン・オブ・ファイヤー

宣伝で観たシーンの繋ぎや邦題から受ける印象だと『インディー・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』のようなアクションアドベンチャーをイメージしていたが、全く違った。原題にあるヒダルゴとホプキンズ(V・モーテンセン)の実話を基にした苛酷な騎馬レースのシリアスな物語だった。
だからといって面白くなかったわけではないが、観終わった後の痛快感や爽快感はなく、歴史の切なさが印象に残る。
V・モーテンセンは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで一躍有名になったが、どちらの役でもそうだったように悲壮感を漂わせる渋い演技。これから色んなところで見かけるかもしれないが、彼のような役者は派手なメジャー作品では起用が難しい気がする。

原題HIDALGO
製作年2004
製作国アメリカ
時間137
監督ジョー・ジョンストン
脚本ジョン・フスコ
撮影シェリー・ジョンソン
出演ヴィゴ・モーテンセン
オマー・シャリフ
ズレイカ・ロビンソン
アダム・アレクシ=モール
ルイーズ・ロンバード
サイード・ダグマウイ
アドニ・マロピス
C・トーマス・ハウエル

2004年4月11日日曜日

ゴシカ

常々思っていることがある。ホラー映画にスターは邪魔だ。
そしてご多分にもれず、この作品もホラーではなくサスペンスにするべきだった。出演陣は皆魅力的で実力派揃い。ダーク・キャッスル作品にしてはこれでもかというくらいのCGによる画面演出を抑えて、心理サスペンスに仕上げてるだけに残念。
クロエ(P・クルス)の言う「精神病患者(だと思われている)の言葉は誰も信じてくれない。」という状況がどれだけ恐怖心を誘うか。この辺りに焦点を合わせればサイコサスペンスとしてもっと盛り上がったと思われる。
ホラーとしては導入部まで良かったがそこ止まりだった。最後までゴーストは画面に出てこない方が、ミランダ(H・ベリー)の恐怖心を煽ることができたのではないだろうか。

原題GOTHIKA
製作年2003
製作国アメリカ
時間97
監督マチュー・カソヴィッツ
脚本セバスチャン・グティエレス
撮影マシュー・リバティーク
出演ハリー・ベリー
ロバート・ダウニー・Jr
チャールズ・S・ダットン
ジョン・キャロル・リンチ
バーナード・ヒル

2004年4月10日土曜日

コンフィデンス

特別目新しいということもないクライムストーリー。信頼(コンフィデンス)できるのは金か仲間か。ハラハラも展開のスピードも、スマートさも笑いもラストのどんでん返しも全てそこそこ。B級映画ここにありというところだろうか。全てそこそこな分バランスが取れてて、割と安心して観ていられる。反面、盛り上がりに欠ける。
E・バーンズ(ジェイク役)は『プライベート・ライアン』『15ミニッツ』『ブロンドライフ』に出演していたときの脇を固める2枚目という立場そのまま。今回はもちろん主役なんだけど、さらっと演じすぎてて印象に残らない。男前なんだけどねぇ。R・ワイズはほどよく軽く流してる感じで、見せ場がないのが残念だ。驚いたのがD・ホフマンやA・ガルシアが出演してること。観れば、二人とも楽しんでいる感がある。

原題CONFIDENCE
製作年2003
製作国アメリカ
時間97
監督ジェームズ・フォーリー
脚本ダグ・ユング
撮影ファン・ルイス・アンシア
出演エドワード・バーンズ
レイチェル・ワイズ
アンディ・ガルシア
ダスティン・ホフマン
ポール・ジアマッティ
ブライアン・ヴァン・ホルト
フランキー・G

2004年4月9日金曜日

レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード

エル・マリアッチシリーズ第3作。なんてことは全く知らずに観たが、そういえば前作『デスペラード』は観たな。シリーズであることは全く気にしなくて良い。監督から製作、脚本、撮影、編集、果ては音楽までR・ロドリゲスが一人で手掛けてるというインディーズみたいな作品ではあるが、出演は豪華。A・バンデラスの自己陶酔の極みも良いがそれは前作で堪能したから、やっぱりJ・デップのカッコよさに目がいく。バカバカしいほどのガンアクションを単純に楽しめないとちっとも面白くないかもしれないが、エンターテイメントとして十分に面白い。欲をいうなら敵側に強いガンマンが欲しかったか。
出演者皆で楽しんでいるという感じ。残念ながら見せ場の少ないW・デフォーもイヤラシさ満載だし、意外に嬉しかったのはM・ローク。随分老けて太ったようだが、何とも言えないあの雰囲気は相変わらず。
こういった作品は大好きだ。

原題ONCE UPON A TIME IN MEXICO
製作年2003
製作国メキシコ
アメリカ
時間101
監督ロバート・ロドリゲス
脚本ロバート・ロドリゲス
撮影ロバート・ロドリゲス
出演アントニオ・バンデラス
サルマ・ハエック
ジョニー・デップ
ミッキー・ローク
エヴァ・メンデス
ダニー・トレホ
エンリケ・イグレシアス
マルコ・レオナルディ
ウィレム・デフォー

2004年4月8日木曜日

ハッピー・フライト

『キューティ・ブロンド』まで弾けた感じのはなくても、それに近いコメディかと思っていたらかなりしっとり感漂うラブコメディでした。考えたらG・バルトローだもんね。それはないわな。
時代設定を古めにしてあるようだが、ちょっぴり控えめなカラフルさがファンタジックで面白い。印象に残る作品ではないが、落ち着いて観ていられる。M・ラファロは『イン・ザ・カット』とは全く違う感じで、キャスティングロールを見るまで気が付かなかった。目立つ役者さんじゃないが良い感じ。これからちょくちょく観掛けるのだろう。
ところで、C・アップルゲイトの存在が、違和感を感じたのは俺だけだろうか。役どころとして居ないとつまらなくなるのは分かるが、そこまで・・・という気がする。笑いのポイントというには痛すぎるしな。笑いはM・マイヤーズの役割だったはずなのだが、それも中途半端。ぼんやりと観るにはいいのだが、集中すると気になって仕方がない。うーん、根本的に何か間違ってる。

原題VIEW FROM THE TOP
製作年2003
製作国アメリカ
時間87
監督ブルーノ・バレット
脚本エリック・ウォルド
撮影アフォンソ・ビアト
出演グウィネス・バルトロー
マーク・ラファロ
クリスティーナ・アップルゲイト
キャンディス・バーゲン
ジョシュ・マリーナ
ケリー・プレストン
ロブ・ロウ
マイク・マイヤーズ

2004年4月7日水曜日

マトリックス レボリューションズ

シリーズが進む毎に内容が判り難くなってるのは否めないが、BGVのつもりで映像だけ観るなら十分に面白いと思う。ちゃんと世界観を把握するには『アニマトリックス』も含めてシリーズ全部を通して何回か観ないといけないのだろうな。
シリーズ1作目のインパクトが強かっただけに、アクションも映像もそれ以上のものを要求するのは観客として仕方がないことだが、前作はともかく、今回はイカの大群がドックを襲撃するシーンが圧巻だった。とりあえずそれで良しとしておこう。
前作まで預言者を演じていたグロリア・フォスターがメアリー・アリスに交代していたのでどうしたのかと思っていたら、撮影の合間に亡くなったそうだ。かなり印象深い役者だっただけに残念だ。ご冥福をお祈りする。
それにしても相変わらずK・リーヴスのラブシーンにはげんなりする。だから魅力を感じないんだよなぁ。

原題THE MATRIX REVOLUTIONS
製作年2003
製作国アメリカ
時間129
監督アンディ・ウォシャウスキー
ラリー・ウォシャウスキー
脚本アンディ・ウォシャウスキー
ラリー・ウォシャウスキー
撮影ビル・ポープ
出演キアヌ・リーヴス
ローレンス・フィッシュバーン
キャリー=アン・モス
ヒューゴ・ウィーヴィング
ジェイダ・ピンケ=スミス
ランベール・ウィルソン
モニカ・ベルッチ

2004年4月6日火曜日

イン・ザ・カット

M・ライアンが脱いだ(『プレシディオの男達』でも脱いだことはあったが、ここまで赤裸々ではなかった)というのにはびっくりしたが、今までの作られたコメディアンヌとしての彼女ではなく、生身の女性がそこにいたというところで驚いた。まさに殻を脱いだという感じだ。特別演技の幅が広がったという印象はない(元々今までのラブコメ作品でも端々で見せていた面だと思っている)ものの、最後まであのいつもの笑顔がないままでも魅せられたということは凄い変化だろう。それにしても観ればみるほど彼女がニコール・キッドマンとダブると思っていたら、製作にN・キッドマンの名前があるじゃないか。彼女が演じていたらどうなっただろうと想像するのも楽しいが、やはりM・ライアンのキャスティングは成功だったと思える。
初期段階ではN・キッドマンを念頭に脚本を進めていたところにM・ライアンが是非にと勝ち取った主役の座だったそうだ。しかしそのN・キッドマンも熱意をもって製作に絡んだそうで、まさに女性による女性のための作品に仕上がったということらしい。確かに男の目から観ると単なるサスペンスである。これはこれで十分に面白いのだが、女性の目で観ると、フラニー(M・ライアン)の心情の変化というベースが加わって、かなり深い作品になっているようだ。残念ながら男であるが故か、理解はできるものの実感として感じることができない。
偶然だが、続けてM・ラファロの出演作を観ているのだが、今回の彼はかなり良い感じ。連続殺人の犯人であるようにも見えるし誠実で有能な刑事にも見える。あのイヤラシい口髭とべとつくような台詞回しのせいなのだが、彼の演技でサスペンスの緊張感が保たれたといっても過言ではないだろう。
それにしてもK・ベーコンは色んなところでちょい役で出てくるのだが、これは彼が意識的にどんな役でも手をつけようとしているのか、それとも来る仕事は拒まず精神なのか。観る方は楽しいからいいんだけどね。

原題IN THE CUT
製作年2003
製作国アメリカ
時間119
監督ジェーン・カンピオン
原作スザンナ・ムーア
脚本スザンナ・ムーア
ジェーン・カンピオン
撮影ディオン・ビーブ
出演メグ・ライアン
マーク・ラファロ
ジェニファー・ジェイソン・リー
ケヴィン・ベーコン
ニック・ダミチ
シャーリーフ・パグ

2004年4月5日月曜日

ディボース・ショウ

それなりに面白かったのだが、ロマンティックコメディーというジャンルとしては少し物足りない。
クールで離婚専門の凄腕弁護士であるマイルズ(J・クルーニー)が訴訟相手のマリリン(K・ゼタ=ジョーンズ)に惚れてしまって変わっていく様子がぼやけている感じがするのに違和感を感じる。二人のやり取りもどうも腑に落ちない。二人のそれぞれの計略がはっきり描かれてないせいだろうか。もっと、お互いに惹かれながら相手をやり込めようとする様子が欲しかった。ユーモアも不発。
しかし、J・クルーニーは悪くなかった。こういったブラックユーモアのあるライトコメディには会うのかもしれない。『ローズ家の戦争』のマイケル・ダグラス路線で他にも観てみたい。
K・ゼタ=ジョーンズもさすがに妖艶で貫禄がある。最近よく見かけるB・B・ソーントンもちょい役だがさすがに良い味だしてる。

原題INTOLERABLE CRUELTY
製作年2003
製作国アメリカ
時間102
監督ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
原案ロバート・ラムゼイ
マシュー・ストーン
ジョン・ロマーノ
脚本ロバート・ラムゼイ
マシュー・ストーン
イーサン・コーエン
ジョエル・コーエン
撮影ロジャー・ディーキンス
出演ジョージ・クルーニー
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
ジェフリー・ラッシュ
セドリック・ジ・エンターテイナー
エドワード・ハーマン
ポール・アデルスタイン
リチャード・ジェンキンス
ビリー・ボブ・ソーントン

2004年4月4日日曜日

完全犯罪クラブ

邦題にだまされた。綿密に計算された完全犯罪を解き明かすというサスペンスを期待したもんだから、ずっこけもいいとこ。高校生二人組み(大体この時点でクラブとは言えないぢゃん)による完全犯罪の発想は良かった。かなり大雑把に描かれているが、科学捜査の盲点を突こうとした計画。しかし!しかしだよ。あまりにも突込みどころ満載すぎて、もう笑うしかない。そんな展開はないだろうよ。
B・シュローダー監督と言えば「ルームメイト」や「絶対×絶命」で秀逸なサスペンスを描いているが、今回も雰囲気は良い。ヒッチコックを彷彿させる画面イメージや全体に流れる緊張感はさすが。
キャスティングも本来主人公であるはずの高校生リチャード(R・ゴズリング)とジャスティン(M・ピット)はかなり良い感じだったにも関わらず、キャシー(S・ブロック)に重点を置いたのはなぜか?興行的な理由がかなりの部分を占めていると想像されるが、S・ブロックは製作総指揮に名を連ねるほどの力の入れよう。確かに今までの明るいイメージを払拭するような汚れ役に挑戦しているのだが、どうもミスマッチ。作り物のような表情の硬さは相変わらずなので、あまりシリアス感がでないのが敗因だろう。
サイドストーリーであるキャシーの持つ過去と主題の犯罪捜査が巧いこと絡まないのも大きなストレスになっている。沢山張った伏線がクライマックスで全てが明らかにされるような風にみせておいてほったらかしだし。
しかし、B級サスペンスとしてなら、それなりに楽しめる作品である。

原題MURDER BY NUMBERS
製作年2002
製作国アメリカ
時間120
監督バーベット・シュローダー
脚本トニー・ゲイトン
撮影ルチアーノ・トヴォリ
出演サンドラ・ブロック
ベン・チャップリン
ライアン・ゴズリング
マイケル・ピット
アグネス・ブルックナー
クリス・ペン

2004年4月3日土曜日

フレイルティ/妄執

超短期・超低予算だったそうで。観終わってその情報を知ってから思い起こせば、確かに画面構成は少なめだし、ほとんどロケだし、登場人物少ないし…納得。しかし、観ている間はそんなことを感じさせない。多少の強引さは否めないが、良い緊張感で進むストーリーは良質。
B・パクストンの妄執ぶりもM・マコノヒーの不気味な存在感も良かったが、印象に残ったのは二人の幼い兄弟が親父に影響されていく様。無意味なスプラッタシーンもなければ、押し付けがましい宗教観もない。淡々と進んでいくストーリーの合間に入るM・マコノヒーとFBI捜査官(P・ブース)とのやりとりが、クライマックスの緊張感へ着々と押し上げていく。何とも言えず小説を読むような感覚で観た。面白い。
ラストシーンでは不気味さを残したまま不思議なハッピーエンドともバッドエンドとも言えない終わり方。「神の手」とは上手いこと言ったもんだ。

(2009/05/11再見)
さすがに初見ほどの驚きはないが、やっぱりよくできた脚本だと思う。スカッと終わるやつも良いけど、こう言う何とも言えない感じも好き。やっぱこれってハッピーエンドやんな?



原題FRAILTY
製作年2001
製作国アメリカ
時間100
監督ビル・パクストン
脚本ブレント・ハンレイ
撮影ビル・バトラー
出演ビル・パクストン
マシュー・マコノヒー
パワーズ・ブース
マット・オリアリー
ジェレミー・サンプター
ミッシー・クライダー

2004年4月2日金曜日

ダミー

今まで観たM・ジョヴォヴィッチの全ての作品において、彼女にはほとんど台詞がなかったと記憶しているのだが、この作品では喋る喋る。さらに歌まで披露しておまけに踊ってしまう。かなりキュートだ。それだけでもこの作品は観る価値がある。知らなかったのだが、彼女は俳優である一方、バンドを組んで音楽活動もしているとか。確かにかなり良い声だった。しかし、ロシア訛り(彼女はウクライナ出身)はなくならないだろうか。ハリウッドでもっと活躍してもらうためにもぜひがんばって欲しいものだ。
一見地味な物語なのだが、本来ならストレスになってしまうような作品全体に感じられる“ズレ”みたいなものが見事にはまったようで良かった。A・ブロディの腹話術も巧い。懐かしさを感じるような田舎の古い町並みや画面の色構成も良い。登場人物にも展開にも苛々させられるかとも思ったが全くそんなことはなく、最後までニヤリとしたままハッピーエンドを迎える。キャスティングロールの合間に流れるエピローグには思わず吹き出してしまった。

原題DAMMY
製作年2001
製作国アメリカ
時間92
監督グレッグ・プリティキン
脚本グレッグ・プリティキン
撮影ホレイシオ・マルクィネス
出演ミラ・ジョヴォヴィッチ
エイドリアン・ブロディ
イレーナ・ダグラス
ヴェラ・ファーミガ
ジャレッド・ハリス
ロン・リーブマン

2004年4月1日木曜日

スパニッシュ・プリズナー

よく出来たサスペンス。『ノボケイン』に続くS・マーティンのシリアスサスペンス。今回は全く笑いの要素なし。彼が出演する意味があったのだろうか疑問ではあるが、面白かったし拾いものをした感があって良し。
ある程度先が読める展開ではあるものの、ここまで大掛かりな詐欺となると『ペテン師とサギ師』や『スティング』を思い出す。しかし、如何せん地味。S・マーティンにしても他の出演者も良い味を出しているし、古い映画を思わせる画面構成と落ち着いた雰囲気も良いのだが、それが仇となってる。クライマックスも現実味はあるかもしれないが盛り上がりに欠け、エンターテイメントとしては失敗している。勿体無いというか何と言うか・・・。
ちなみに“スパニッシュ・プリズナー”とは、金持ちの振りをして相手を騙す古典的な詐欺の手法を指すとか。

原題THE SPANISH PRISONER
製作年1997
製作国アメリカ
時間105
監督デヴィッド・マメット
脚本デヴィッド・マメット
撮影ガブリエル・ベリスタイン
出演キャンベル・スコット
ベン・ギャザラ
レベッカ・ピジョン
スティーヴ・マーティン
リッキー・ジェイ
フェリシティ・ハフマン
リチャード・L・フリードマン