2004年6月16日水曜日

ぼくんち

西原理恵子原作の同名漫画は(自分でも意外だったが)未読。これは読まねばと思った次第。
普通に面白かった。ある種のまったり感と、一歩間違えると苛々しそうになる間がツボに入った。一太(矢本悠馬)二太(田中優貴)の子役としての稚拙さや、一人浮いてしまっているかの子(観月ありさ)も狙ってのキャスティングなら凄い。決して否定ではなく、周囲の日常に入り込んだ非日常たちというイメージにハマった。所々やりすぎやろ、と感じなくもないが、ありそうでなさそうなギリギリの線上が面白い。
ちなみに細かい話だが、関西のようで、で、ないようなという設定だが、関西人的には“島”という設定上“瀬戸内”というほうがしっくりくる。関東人的にはなんでも一緒なのだろうがね。
不満を言えば、目線の高さがばらばらで主人公3人の誰にも感情移入できないこと。ショートストーリーを繋げた感がある。これは監督の意図したところかもしれないが、淡々としすぎてラストでこみ上げるという感覚を得られなかったのが残念。まぁ、そこが西原ワールドらしいのかもしれない。
作中、二太が言う「(普通は)あったかいごはんの中や思う」というのはグッとくるものがあった。これは名言だ。それから、ラストシーンで、やはり二太が、あれだけ頼りにしてる一太ではなくかの子の言う「こいう時は笑うんや」をさらりと言うところは良いね。
そうそう、後で知ったのだが、原作者がちらりと出演してる。らしいと言えばらしい役柄だな。

原題ぼくんち
製作年2002
製作国日本
時間115
監督阪本順治
原作西原理恵子
脚本宇野イサム
撮影笠松則通
出演観月ありさ
矢本悠馬
田中優貴
真木蔵人
今田耕司
濱口優
新屋英子
南方英二
笑福亭松之助
志賀勝
岸部一徳
鳳蘭

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