2004年6月12日土曜日

キャスト・アウェイ

期待せずにふらっと入った映画館で観た時には素直に泣いた。無人島でのサバイバルは雨の中のキスシーンへの前振りでしかない。監督の意図する主題はそこにはないが、あのシーンが一番良かった。また、別れが切なくて、生き残った意味を見失いかけた後にくる何もない交差点での一瞬の出会いと、道の先にある未来のショットでカタルシスを得た。あの羽のマークは島からの脱出と未来への道標としての象徴となって、観終わって清々しい気分を味わえた。
かなり酷評もされたこの作品だが、144分はあまり長くは感じなかったし、余計な音や台詞まで無くして緊張感(現実味)を高める手法などは単純に凄いと思った。
無人島での4年間がざっくり省かれているのは微妙なところ。あれ以上だと長すぎるが、やっぱり絶望する場面がないのは残念だ。のめり込むのに少し物足りない。
“時間”がこの映画のキーワードだが、時間に縛られるのではなく、有効に使うことの意味を考えさせられた。
このところ、T・ハンクスはヒューマンドラマを描きたくて仕方がないようだが、ファンとしては昔のようなコメディに出演する彼を観たい。

原題CAST AWAY
製作年2000
製作国アメリカ
時間144
監督ロバート・ゼメキス
脚本ウィリアム・ブロイルズ・Jr
撮影ドン・バージェス
出演トム・ハンクス
ヘレン・ハント
クリストファー・ノース
ニック・サーシー
ラリ・ホワイト
ジェニファー・ルイス

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