二宮和也の好演が光る。ある意味等身大の演技なのかもしれないが、秀一(二宮和也)の17歳という激しさや青臭さ、脆さが十分に伝わってきた。彼の「いまどきの犯罪を起こす17歳とは違うよ。あいつらは想像力が足りないんだ。」という台詞はもの凄く納得してしまった。しかし、その秀一も想像力の足りなさから、自らの首を締めることになるのだが・・・。
松浦亜弥の演技はさして気にはならなかった。彼女の持つ独特の雰囲気をそのまま巧く使った蜷川監督の腕だろう。しかし、彼女の立場はかなり重要だと思うのだが、秀一との関わりという点でほとんど描かれておらずイマイチ浮いた存在になってしまっている。他のキャスティングでは義父役の山本寛斎が失敗。秀一が殺意を持つに至るほどの荒々しさは感じられない。あれじゃ単なる汚いおやぢだ。フラッシュバックでも入れればまだマシだったか。
正直観終ってかなり重苦しい気分になった。現在の年齢として秀一を観たからか、17歳当時の自分と重ね合わせて観たからかは分からない。これは17歳に観て欲しい。そして感想を聞きたい。
原題 | 青の炎 |
製作年 | 2003 |
製作国 | 日本 |
時間 | 116 |
監督 | 蜷川幸雄 |
原作 | 貴志祐介 |
脚本 | 蜷川幸雄 宮脇卓司 |
撮影 | 藤石修 |
出演 | 二宮和也 松浦亜弥 鈴木杏 秋吉久美子 中村梅雀 山本寛斎 |
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