「アメリカ3部作」の第2弾。前作のニコール・キッドマンが演じたグレースは一人だけ完全に浮いてしまっていた美しさと清楚の中にある狂気が恐ろしくも悲しかったが、このB・D・ハワードによるグレースは綺麗だけど、まさに幼く青臭い時代のアメリカ(今も?)を象徴するようで一方的な慈愛と熱意が表に立っている。黒人奴隷の解放に躍起になる彼女はやはり白人の立場からの物言いでしかなく、ある意味親切の押し売りとも言えるのだが、それはそれぞれの視点がはなっからずれているからで、決してどちらも間違っているわけではないのだろう。人種問題に関して普段は全く気にすることのない日本に住んでいても、こういった視点や立場の違いから平行線を辿る論争として観れば、グレースと同じように怒りや脱力感、無力感を感じてしまう。今回も背景は可能な限り簡略化されているがそれはすでに気にならず、映画というより良質の舞台を観ているような感覚になる。139分という長さも最後まで気にならなかった。次は一体どんな主題が待っているのだろうか。やっぱり楽しみだ。
| 原題: | MANDERLAY |
| 製作年: | 2005 |
| 製作国: | デンマーク スウェーデン オランダ フランス ドイツ イギリス |
| 時間: | 139 |
| 監督: | ラース・フォン・トリアー |
| 脚本: | ラース・フォン・トリアー |
| 撮影: | アンソニー・ドッド・マントル |
| 出演: | ブライス・ダラス・ハワード イザック・ド・バンコレ ダニー・グローヴァー ウィレム・デフォー ジェレミー・デイヴィス ローレン・バコール クロエ・セヴィニー ジャン=マルク・バール ウド・キア ジニー・ホルダー エマニュエエル・イードーウ ジェリコ・イヴァネク |
| 出演(声): | ジョン・ハート |

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