2008年9月1日月曜日

主人公は僕だった

たぶん誰しもが一度は考えたことのあるであろう題材だと思うけど、良くも悪くも無難にまとめたという感じだろうか。鑑賞後に思い返しても、それほどドラマティックでもファンタジックでもロマンティックでもない。ほどほど。コミカルさもトラジカルさもほどほど。逆にそのヌルさがハロルド(W・フェレル)の人柄や人生にぴったりとも言える。巧く言えないけど、優しくもあり厳しくもあるその全体的な雰囲気が、現実味のない物語に現実感を与えていると感じた。そういった意味では良くできていると言えるのかもしれない。
登場人物が知る由もない先の展開を知ってしまった時に物語はどうなるのか。書き手と読み手と登場人物が同じ舞台に立ってしまうという矛盾は悲劇なのか喜劇なのか。結末を想像するのは難しくない。「世界を良くしたい」という気持ちが散りばめられた優しい作品だった。

W・フェレルはコメディアンとしてはあまり好きな役者じゃないんだけど、今回は凄く良い。たぶんキャラ作りは普段のドタバタコメディのそれと基本路線で変わらないはず。もっとこういったコメディ丸出しじゃない作品にも沢山出演したら良いのに。
M・ギレンホール。決して美人でないけど好みの女優さん。あの笑顔がキュートだ。それだけで癒されてしまった。あのクッキーが食べたい。
D・ホフマンやE・トンプソンがどっしりとベースを支えているからこそのファンタジーで、所謂“超越者”の立場を守っている。ラスト間際のこの二人の会話こそこの映画の根底にある主題なのだろう。
Q・ラティファがさらりと出ているが、もうちょっと活躍して欲しかったかも。

原題:STRANGER THAN FICTION
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:112
監督:マーク・フォースター
脚本:ザック・ヘルム
撮影:ロベルト・シェイファー
出演:ウィル・フェレル
エマ・トンプソン
ダスティン・ホフマン
クイーン・ラティファ
マギー・ギレンホール
リンダ・ハント
トニー・ヘイル
クリスティン・チェノウェス
トム・ハルス

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