突然身の上に降りかかった“暴力”に対し、正気を保ったまま怒りや憤りと向き合い、それらを乗り越えていくことが“Brave One(勇者)”なんだろう。不幸な暴力に見舞われたエリカ(J・フォスター)は、九死に一生を得て自らの身は自ら守らなければと“必要に駆られて”で銃を手に入れる。物騒な都会で生きているなら“いつ出会ってもおかしくない危険な状況”で“不意に”一線を超えてしまった彼女は、そのカタルシスに溺れていく。徐々にエスカレートしていくその行動は、すでに自衛の域を超えヒロイズムとも言える使命感に変わっていく。
最近のヒーローモノによくありがちな展開ではあるが“誰にでも起こりえる”状況であり、それを肯定しない立場で描かれている(と思う)この作品の意味は小さくない。安易に殺人と正義の間で苦しむんではなく、生身の普通の人として銃を撃つ手が震えたり、失敗をする様子が生々しい。
彼女のストッパー役になるマーサー刑事(T・ハワード)の描写が薄いのもエリカに集中させたいがためなんだろう。でも彼のラストでの行動は全体としてはかなり納得のし難いものになってしまっているのが残念。
J・フォスターはさすがに綺麗。その存在感も確かだ。観ているこっちが息苦しくなる。圧倒的な存在感はNYという街並みもそうで、T・ハワードだけでなくN・アンドリュースを始めとするほかのキャストの存在感が結構希薄に感じる。それも演出だと思いたい。
| 原題: | THE BRAVE ONE |
| 製作年: | 2007 |
| 製作国: | アメリカ オーストラリア |
| 時間: | 122 |
| 監督: | ニール・ジョーダン |
| 原案: | ロデリック・テイラー ブルース・A・テイラー |
| 脚本: | ロデリック・テイラー ブルース・A・テイラー シンシア・モート |
| 撮影: | フィリップ・ルースロ |
| 出演: | ジョディ・フォスター テレンス・ハワード ナヴィーン・アンドリュース メアリー・スティーンバージェン ニッキー・カット ジェーン・アダムス |

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