2004年5月29日土曜日

マスター・アンド・コマンダー

骨太の人間ドラマかと勝手に想像していたが、そんなことは全くない。これは趣味の問題だが、海洋大スペクタクルロマンと観る向きもあるものの、それも感じない。歴史に(歴史小説にも)疎いせいもあって、時代背景に思いを馳せることもない。
史実を基にした原作が長編シリーズとしてあると聞いた。「歴史の一齣を切り取ったワンシーン」であるだけに、エンターテイメントとしてはイマイチ盛り上がりに欠ける。原作を読んでいれば、各キャラクターに思い入れもできてもっと楽しめたかもしれないのが残念。
戦闘シーンの迫力は認めるが、一昔前ならともかく、最近では迫力があるのは当たり前のような風潮があるので、特に目新しくも感じず。どこに視点を置いて観るか、最後まではっきりできなかった。たぶんもう一回観ればもう少し感じも変わるのだろうが、機会があれば・・・程度。
R・クロウよりもP・ベタニー(マチュリン医師)が光っていた。さらにM・パーキス(ブレイクニー)がもっと良い。負傷したシーンでは痛々しくて観ていられなかったが、その後の彼の前向きさには目が潤む。士官候補生としてオーブリー艦長(R・クロウ)を目指しながらマチュリン医師に師事するところなんて、彼の将来を考えると感じ入ってしまう。一応のクライマックスで彼が剣を片手に「突撃~!!」というシーンは涙ものだ。
イマイチと書きながら、結構気に入ってることに気が付いた。
ラストシーンでオーブリー艦長とマチュリン医師が顔を見合わせて浮かべる表情は、エンターテイメント作品としては“あり”だろうが、作品のイメージが持つ史実としては“なし”だろう。あのワンシーンだけ浮いてしまってる。

メモ:日本映画興行界における海外作品の広告コピーの酷さには定評がある(?)が、今回の「窮地に立つ英国軍が、一人の艦長のもとへ送り込んだのはまだ幼い少年たちであった…。」等のキャッチコピーに対して、一部のファンがブエナビスタやJAROに対して行動を起こしたという話を聞いた。そして多少の改善があったとか。凄いことだ。これを機に全体的に改善されれば良いなと祈るばかりである。それにしても確かにこの宣伝内容はないだろうと感じる。

原題MASTER AND COMMANDER: THE FAR SIDE OF THE WORLD
製作年2003
製作国アメリカ
時間139
監督ピーター・ウィアー
原作パトリック・オブライアン
脚本ピーター・ウィアー
ジョン・コリー
撮影ラッセル・ボイド
サンディ・シセル
出演ラッセル・クロウ
ポール・ベタニー
ビリー・ボイド
ジェームズ・ダーシー
マックス・パーキス
リー・イングルビー
マックス・ベニッツ

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