2008年5月10日土曜日

ブラック・スネーク・モーン

たぶん多くの例に漏れず中々刺激的な予告に煽られて観たクチです。アメリカ南部における人種差別をベースにした暴力とセックス。それをS・L・ジャクソンとC・リッチが・・・と思っていたんだけど、全くそんなことはなかった。女房を弟に寝取られたラザラス(S・L・ジャクソン)がセックス依存症で破滅的なレイ(C・リッチ)を拾うことでお互いに立ち直ろうとするハートウォーミングな物語。
途中宗教的な色合いが濃くなるのかとも心配したが、さすが南部。ベースに神が居ても生活に密着してるのはブルース。S・L・ジャクソンって歌もギターも巧いのね。冷静に思い返せば設定は面白いが案外軽い展開だったものの、若さと老い、白人と黒人、男と女、我侭と忍耐、若いカップルに往年のカップルなどなど、色んな対比が程よく感じられて、それを音楽が繋げていくような感じ。ラストの展開は少々急ぎ過ぎな気もしないでもないが、ラストシーンはただのハッピーエンド的な映画の終わりではなく問題を抱えながらも彼らの人生が続いていくという感じで好印象。
ブルースの基本は愛だというそのままの、愛を感じる作品でした。

原題:BLACK SNAKE MOAN
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:115
監督:クレイグ・ブリュワー
脚本:クレイグ・ブリュワー
撮影:アメリア・ヴィンセント
出演:サミュエル・L・ジャクソン
クリスティナ・リッチ
ジャスティン・ティンバーレイク
S・エパサ・マーカーソン
ジョン・コスラン・Jr
マイケル・レイモンド=ジェームズ
キム・リチャーズ

ステップ・アップ

もっとダンス一本やりなのかと勝手に想像していたけど、けっこうドラマも成り立ってて良かった。監督が振り付けもやっているそうで、さすがにダンスの見応えはあったし、カメラワークもかなり切り替わりが激しいんだけどあまりそれが気にならない。音楽も良いし、色んなシーンで色んなダンスが見れて楽しかった。予定調和のステレオタイプなドラマとはいえ、クライマックスもそれなりにグッときたし嫌いではない。ノリの良さから言うと他にも良いダンスムービーはあるが、ダンスの見せ方や映画として巧くバランスが取れていると言う意味では良くできていると思う。
ヒップホップの“ゆるさ”とモダンダンスの“堅苦しさ”ってほんと紙一重。ラップとクラシックの融合と一緒だけど、ハマるとかなり格好良い。

あんまりサントラって気にしないんだけど、この映画のサントラは中々良い。

原題:STEP UP
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:100
監督:アン・フレッチャー
原案:デュエイン・アドラー
脚本:デュエイン・アドラー
メリッサ・ローゼンバーグ
撮影:マイケル・セレシン
出演:チャニング・テイタム
ジェナ・ディーワン
マリオ
ドリュー・シドラ
ヘヴィー・D
ダメイン・ラドクリフ
ディシャーン・ワシントン
ジョシュ・ヘンダーソン
レイチェル・グリフィス

2008年5月6日火曜日

スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい

コンセプトは好きだが、ラストがちょっと…。
この手の作品で言うともっと弾けた感じでコメディ要素を出さないとすっきりしないような気がする。ドラマとしてじっくり描くには濃いキャラクタが多すぎ。結局、タイムクライシスも鉢合せによるパニックも、行き当たりばったりの面白さもすべて中途半端になってしまった感がある。しかもラストがあれじゃなんのカタルシスも得られないのが残念。なんだかなぁ。中々面白い出演陣だと思うし、見せ場も沢山あっただろうに、もうひとつひねりと勢いが足りない感じ。Q・タランティーノ好きには物足りない。
また、劇中の台詞にある“唐突な死”だったり“無常さ”だったりを意識するには昇華しきれてない感じ。確かに唐突に訪れる無常な死はあったがそのまんまだし、エンターテイメントとしてその戦いを楽しむ間もなく終わってしまうし。
唯一良かったのはA・キース。彼女を見たのは初めてだけどアーティストだったのね。かっこいいよ。女優として大成して欲しいな。コモン(これまた初めて知った)とのツーショットは惚れ惚れする。この二人でスピンアウトの作品を1本作って欲しいくらい。

原題:SMOKIN' ACES
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:108
監督:ジョー・カーナハン
脚本:ジョー・カーナハン
撮影:マウロ・フィオーレ
出演:ライアン・レイノルズ
レイ・リオッタ
アリシア・キーズ
アンディ・ガルシア
ジェレミー・ピヴェン
ベン・アフレック
ピーター・バーグ
タラジ・ヘンソン
クリス・パイン
マーティン・ヘンダーソン
ジェイソン・ベイトマン
コモン
ネスター・カーボネル
ジョセフ・ラスキン
ジョエル・エドガートン
トミー・フラナガン
ケヴィン・デュランド
マシュー・フォックス
モーリー・スターリング

不機嫌な赤いバラ

最近ではあまりみかけなくなった(というか作りにくくなった?)ハートフルコメディ。設定も展開も「そりゃないだろう」というかなり無茶に思える作品だけど、そんなことを気にしてたらこの手の映画は楽しめない。S・マクレーンの可愛らしさと、案外はまっていたN・ケイジの掛け合いとふれあいを素直に受け止めよう。
クライマックスの事件はかなり面食らった(あまりにそれまでの雰囲気から逸脱してた)けど、まぁそれはそれ。見終わって笑顔でいられるんだから良しとしよう。ただ、もうちょっと色々とほったらかしにされている伏線を巧く取り込んで欲しかったかな。ところで、これって誰かモデルになるような人物がいるんだろうか?

原題:GUARDING TESS
製作年:1994
製作国:アメリカ
時間:95
監督:ヒュー・ウィルソン
脚本:ヒュー・ウィルソン
ピーター・トロクヴェイ
撮影:ブライアン・J・レイノルズ
出演:シャーリー・マクレーン
ニコラス・ケイジ
オースティン・ペンドルトン
エドワード・アルバート
ジェームズ・レブホーン
リチャード・グリフィス
デヴィッド・グラフ
ジョン・ローゼリアス
デイル・ダイ
ハリー・J・レニックス

2008年5月4日日曜日

フロストバイト

B級バンパイアホラーなんだけど、なんともはや。
極夜(白夜の反対でずっと夜)に起こる吸血鬼の恐怖ってのも中々面白いシチュエーションだとは思うんだが、如何せん無駄な説明シーンが多すぎ。妙なサイドストーリーも入れすぎ。で、結局一番の見せ所であるパーティの殺戮シーンはないし。ボスキャラは弱すぎだし。中途半端な説明とかは恐怖に水を差すだけだし、戦時中の出来事とか導入部としては効果的かもしれないけどその伏線が全く活かされてないし、無軌道な若者の無責任な行動が引き起こす惨劇とかはすでに20年も前に使い古された設定だと思うがいかがなものか。結局追いかけられる怖さもなくあっさり捕まって最後はそれかよ。
DVDにあったメイキング映像で、監督が鼻高々に語るVFXの効果だとかクリーチャーの造詣だとかを聞いててなんだか空しい。ハリウッド至上主義ではないが、これはちょっといただけない。これならもっと低予算でもっと怖いものが作れたんじゃないだろうか。予告はもうちょっと面白そうだったんだけどなぁ。それにしてもこれが(単館とは言え)劇場公開されるなんて…もっと面白くてビデオスルーした作品がなんぼでもあっただろうに。
そうそう、IMDbではホラーとコメディにカテゴリされてたけど、確かにコメディとして観たらもうちょっとマシに思えるかも。

原題:FROSTBITEN
製作年:2006
製作国:スウェーデン
時間:96
監督:アンダシュ・バンケ
脚本:ダニエル・オイアンラトヴァ
撮影:クリース・マリース
出演:ペートラ・ニールセン
カール=オーケ・エリクソン
グレーテ・ハヴネショルド
ヨーナス・カールストロム
エンマ・T・オーベリィ
ペール・ローフベリィ

スウィニー・トッド 悪魔の理髪師

ジョニー・デップ版と間違えた(笑)
BBCのテレビドラマ版だったわけなんだけど、基になった伝説の猟奇殺人(事実か都市伝説かの境界は曖昧で、彼が実在したかどうかは証明されていないらしい)ということで、幾つも同名作品があるみたいだ。このR・ウィンストン版はホラーというよりかなり歪んではいるがロマンスに近い脚本になっている。
「殺人の動機は犯人以外の“普通の”人が納得したいがために後から理由付けされるだけだ。」という見解を読んだことがあるが、そのとおりかもしれない。このトッド(R・ウィンストン)は言葉数が少なく朴とつで生真面目。彼が、夫にDVを受けているラヴェット夫人(E・デイヴィス)のために殺人を続けるのもわかるような気がする。最初の犠牲者は個人的な復讐で衝動的なものだったんで、最初から彼女ためだと只の色ボケだけどそうじゃないところが良かった。
「切り裂きジャック」もそうだけど、昔のロンドンって怖いところだ(笑)

原題:SWEENEY TODD
製作年:2006
製作国:イギリス
時間:92
監督:デイヴ・ムーア
脚本:ジョシュア・セント・ジョンストン
撮影:ウルフ・ブランタス
出演:レイ・ウィンストン
デヴィッド・ブラッドリー
エシー・デイヴィス
トム・ハーディ
ラデュ・アンドレイ・ミク
アンソニー・オドネル
デヴィッド・ワーナー

2008年5月3日土曜日

オール・ザ・キングスメン

中々豪華な出演陣なんだけど、全体的に大人しい。ウィリー(S・ペン)の脂っこさというか強引さを前面に出す演出なのかもしれないが、その割にはS・ペンがミスキャストな印象が否めない。S・ペンは巧いけどあんまり政治家向きな顔と声をしてない気がする。尖った感じの雰囲気は静かな怖さはあっても怒鳴り散らすタイプの恫喝には向いてない。だからせっかくの周囲の枯れた演技が効果的とはいえなくなっている。というわけでウィリーがやり手だけど怨まれて当然という心証を得るにはイマイチだった。どうせならジョン・トラボルタとかアレック・ボールドウィンの方が似合ってる気がする。それからアダム(M・ラファロ)の動機もちょっと希薄すぎるなぁ。
ラストの血が交わりモノクロからカラーに変わるシーンは、非常に象徴的というか意味深だと思われるが、全く理解できなかった。これが人種問題が絡んだストーリーなら分かるんだけど・・・。
原作のモデルになったヒューイ・ロングというルイジアナ州の知事が実在するそうで、映画で描かれるような半生と最期だった(誇張や脚色はあるにせよ)ようだ。

原題:ALL THE KING'S MEN
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:128
監督:スティーヴン・ザイリアン
原作:ロバート・ペン・ウォーレン
脚本:スティーヴン・ザイリアン
撮影:パヴェル・エデルマン
出演:ショーン・ペン
ジュード・ロウ
アンソニー・ホプキンス
ケイト・ウィンスレット
マーク・ラファロ
パトリシア・クラークソン
ジェームズ・ガンドルフィーニ
ジャッキー・アール・ヘイリー
キャシー・ベイカー
タリア・バルサム
トラヴィス・M・シャンパーニュ
フレデリック・フォレスト
ケヴィン・ダン