2008年4月5日土曜日

バス男

なんちゅーユルさ(笑)
いわゆる脱力系ムービーってやつなんだろうけど、ここまで徹底してヌルいのに途中飽きてこないのは凄いことだ。邦題で敬遠していた(オタク繋がりは理解できるが、あまりにもこじつけだろう。そのまんま“ナポレオン・ダイナマイト”の方がぴったりだと思う)んだけどこれは案外拾い物だった。
予備知識なしで観たから最初の30分までで、これはもしかしてメゲるかもしれないと心配したのだが、ちょうどいいタイミングで次から次へと展開していくので、ゆる~いながらも結構テンポは速い。学園モノとも青春モノとも微妙に違う、どこにでも居そうで中々見かけないちょっと(かなり?)ヘンな、愛すべきキャラクタたちの日常を描いた作品。軽すぎず、重くない。超低予算作品ながらアメリカのティーンに絶大な支持を受けたというのも分かる気がする。
それにしても主だったキャラクタもそれを演じる役者さんも皆良い感じ。ほとんど知らない役者さんだけど、あのヒラリー・ダフのお姉ちゃんだったり、『24』の2ndシーズンに出てる人だったり(これは写真を見ても全くの別人に見える)『ウォーター・ワールド』の子役だったり、その他観てるTVシリーズ等でちょこちょことどこかで見かけてるはずの役者さんがいた。ま、そんなことはどうでも良くて、エンディングロールの最後までちゃんとユルいままオチをつけて満足。休日の昼間にはぴったりのチョイスだった。

原題:NAPOLEON DYNAMITE
製作年:2004
製作国:アメリカ
時間:95
監督:ジャレッド・ヘス
脚本:ジャレッド・ヘス
ジェルーシャ・ヘス
撮影:マン・パウエル
出演:ジョン・ヘダー
エフレン・ラミレッツ
ジョン・グリース
アーロン・ルーエル
ディードリック・ベーダー
ティナ・マジョリーノ
サンディ・マーティン
ヘイリー・ダフ
トレヴァー・スナー ドン
ションドレラ・エイヴリー
エミリー・ティンドール

2008年4月2日水曜日

レッスン!

音楽に合わせて体を動かすっていうのはそれだけで楽しくなれるから凄い。いや、踊れないけど。ピエール(A・バンデラス)が「ほら、歩けたらもう踊れてる。」と言って軽いステップを踏むんだけど、なんだか羨ましくなった。社交ダンスは一人ではできないし(笑)
これ実話を基にした作品で、実在する社交ダンスに関して凄い経歴を持つピエール氏がニューヨークを基盤して全米中に今なお広がり続けているダンス教室を広める第一歩を描いている。「社交ダンスを教えることで、男の子は女性に対する敬意を、女の子には自信を、そしてお互いに信頼を得ることを教えているんですよ。」とPTAに説明するシーンがあるのだけど、ああ情操教育ってこういうものなんだろうなってストンと入ってきた。アメリカで生き抜くために強くありながら人の善意を受け取れる余裕を持つことが、どれほど大変かなんて日本でぬるく生きている僕には想像もつかないけど。
映画のできとしては今ひとつ感がある。絵的に地味なのかもしれないけど、元々ダンスの地力がある子達だからか社交ダンスが上達する風景が省かれているのと、大会に向けて皆で盛り上がっていく雰囲気が薄くて、幾つかのイベントをこなしたらいきなりラスボスの前に立っていたった上に、しかもラスボスがあっさり倒れて戦った手ごたえもない感じと言ったらわかるだろうか。全体として優等生的にジェントルにまとまっているが、踊り(躍り)足りない。実話としているわけではないんだから、もっと感情的にあざとくても良かったのではないだろうか。

原題:TAKE THE LEAD
製作年:2006
製作国:アメリカ
時間:117
監督:リズ・フリードランダー
脚本:ダイアン・ヒューストン
撮影:アレックス・ネポンニアシー
出演:アントニオ・バンデラス
ロブ・ブラウン
ヤヤ・ダコスタ
アルフレ・ウッダード
カティア・ヴァーシラス
ローラ・ベナンティ
ダンテ・バスコ
ジェナ・ディーワン
マーカス・T・ポールク
イライジャ・ケリー

2008年3月30日日曜日

バベル

バベルの塔の逸話をベースにしていると素直に考えれば、意思の疎通の難しさが主題なんだろう。一丁の銃を軸にそれに関わる言葉も文化も違う3家族4シチュエーションを、時間軸をばらしながら淡々と語っていく…。
構成としては面白いと思うが、観終わってまず頭に浮かぶのは疑問符だけ。広く意味を持たせようとし過ぎて全く無意味になってしまった感じ。残念ながら何の感慨も湧かなかった。巧いんだか失敗してるんだか、判断に苦しむところなんだけど、ショートムービーのオムニバスとして4つの物語を順番に見たほうがすっきりしたような気がする。
結局のところ、言葉や文化の違いなぞ全く関係なく自我がある生き物である以上主観でしかない意思の疎通の難しさを伝えようなんて無茶をするために、その上っ面だけ表現して台詞の間にメッセージを押し込んでしまったところに失敗があったのではないだろうか。「伝えるのが難しいから感じろ!」と言わんばかりの演技が延々と続くのだから、観ているほうがそれなりに受け止めようとしない限り全く意味をなさない。

当時菊池凛子が話題になっていたが、彼女の演技と言うよりは、画面の風合いから他とは違う日本パートの浮き具合が印象に残った。全体的に地に足の着いてない展開なんだけど、(なんちゃってな表現や設定はともかく)日本パートだけじっとりした雰囲気が流れていると思う。これは単に同族だからかもしれないが。

原題BABEL
製作年2006
製作国アメリカ
時間143
監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本ギジェルモ・アリアガ
撮影ロドリゴ・プリエト
出演ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊地凛子
二階堂智
アドリアナ・バラーザ
エル・ファニング
ネイサン・ギャンブル
ブブケ・アイト・エル・カイド
サイード・タルカーニ
ムスタファ・ラシディ
アブデルカデール・バラ

2008年3月29日土曜日

ザ・シューター/極大射程

原作を読んで観たくなった作品。骨太のストイックな主人公と、そのスナイパーとしての周到さと忍耐強さに惚れてたんだが、やっぱり2時間程度じゃ難しいな。全体の流れとしてはうまくまとまってる感じ。原作とはずれのある時代変換も巧くいってる。脚本が良いんだろう。要所は押さえて原作を壊さず、スピーディに展開する。ただ、良くも悪くも無難になってしまった感が否めない。
じっくりとコトを進める主人公とそうではないFBI捜査官との時間の流れ方が違う二人の対比が物語を、ジリジリさせながら引っ張っていくポイントになってたと思ったのだが、この作品ではさすがに二人を語る時間的余裕がないせいで、ニック側のストーリーがばっさり省かれていて、単なる付属になってしまったのが勿体ない。サラ(K・マーラ)とのロマンスもとりあえず残ったが、あれなら無くても良かった。
ともかく、主題の遠距離射撃の醍醐味が薄れてしまっているのが残念だ。

原題SHOOTER
製作年2007
製作国アメリカ
時間126
監督アントワーン・フークア
原作スティーヴン・ハンター
脚本ジョナサン・レムキン
撮影ピーター・メンジース・Jr
出演マーク・ウォールバーグ
マイケル・ペーニャ
ダニー・グローヴァー
ケイト・マーラ
イライアス・コティーズ
ローナ・ミトラ
ネッド・ビーティ
ラデ・シェルベッジア

2008年3月9日日曜日

戦場のピアニスト

実は『海の上のピアニスト』と間違えて観た(笑)当然冒頭から重い雰囲気で始まったのでびっくり。148分という長丁場ながら大きな盛り上がりもなく、最後まで淡々と進んでいく。でも目が離せない。シュピルマン本人の回想録を基にした話だと、鑑賞後に知って妙に納得した。
戦争を舞台にした映画は沢山あるが、最近は特にリアルな戦闘シーンを目を引く作品が多い中、これだけ、戦争それ自体が他人事のように語られるものは少ないのではないだろうか。いや、もちろん彼にとっては他人事ではないのだけれど、運良く数多くの人たちに助けられながらひたすら災難が過ぎ去るのを待つ姿は、たぶん凄く共感できるだけに、戦争そのものは他人事に映っている気がした。それは単に彼の心情があまり多く語られないからなのかもしれない。原作も割とありのままを淡々と描かれているようだ。ぜひ読んでみたいと思う。

原題THE PIANIST
製作年2002
製作国フランス
ドイツ
ポーランド
イギリス
時間148
監督ロマン・ポランスキー
原作ウワディスワフ・シュピルマン
脚本ロナルド・ハーウッド
ロマン・ポランスキー
撮影パヴェル・エデルマン
出演エイドリアン・ブロディ
トーマス・クレッチマン
エミリア・フォックス
ミハウ・ジェブロフスキー
エド・ストッパード
モーリン・リップマン
フランク・フィンレイ
ジェシカ・ケイト・マイヤー
ジュリア・レイナー
ワーニャ・ミュエス
トーマス・ラヴィンスキー
ヨアヒム・パウル・アスベック
ポペック
ルース・プラット
ロナン・ヴィバート
ヴァレンタイン・ペルカ

2008年3月8日土曜日

エリザベスタウン

非常にコメントするのが難しい。観終わった直後の感想は、「なんとなくほんわりなれたし良かったんじゃない?」。でもコメントを書く段になって「ちょっと待てよ?」と思うわけで。
思い返すとホントに突っ込みどころが満載だった。登場人物たちの設定も、心情も、展開も、かなり無理があるのではないだろうか。でも個々のシーンは割りに良い雰囲気だし、キルステン・ダンストもチャーミングだし、オーランド・ブルームはちょっとアレだけど、古き良きアメリカ的なところも嫌いじゃない。ただ・・・、全体のまとまりというか繋ぎというか、がどうもちぐはぐな感じ。あまり深く考えちゃダメなんだろう。さらっと観てさらっと忘れることをお勧めする。

原題ELIZABETHTOWN
製作年2005
製作国アメリカ
時間123
監督キャメロン・クロウ
脚本キャメロン・クロウ
撮影ジョン・トール
出演オーランド・ブルーム
キルステン・ダンスト
スーザン・サランドン
アレック・ボールドウィン
ブルース・マッギル
ジュディ・グリア
ジェシカ・ビール

2008年3月6日木曜日

ワールド・トレード・センター

あの日、僕は家でチャットをしながら、テレビから流れるあの光景を見た。あまりにも非現実的で、まるで映画のワンシーンを観ているようだったが、あれから6年以上が経ち、同じようにテレビで同じシーンを観ている。
あの時、あの場所で何が起こっていたかは、実際に現場に居合わせた人たちにしかわかならい。やはりこれは限りなく現実に近い“映画”なのだろう。監督が何を考えてこれを撮ったのか知らないが、この作品は良くできていると感じた。悲惨さを強調するわけでもなく、涙を誘うわけでもなく、衝突シーンや崩壊シーンもできるだけ抑えて、憤りや怒り、悲しみではなく、ただひたすら混乱していた様子と「何かしなければ」という強い意志が、極力音を減らすことで凄くよく伝わってきた。
ほとんど最初から最後まで色んな意味で涙を流しながら観ていた。去年、あの場所に行って良かったと、今さらながらに思った。この映画を観終わった今、もう一度訪れたいとも思う。
原題WORLD TRADE CENTER
製作年2006
製作国アメリカ
時間129
監督オリヴァー・ストーン
脚本アンドレア・バーロフ
撮影シーマス・マッガーヴェイ
出演ニコラス・ケイジ
マイケル・ペーニャ
マギー・ギレンホール
マリア・ベロ
スティーヴン・ドーフ
ジェイ・ヘルナンデス