B・ウィリスらしいと言えば彼らしい雰囲気の重めな作品。無力感を持つ悩めるヒーローというのは彼の一つのテーマなんだろうか。『アンブレイカブル』はその際たる例だろうが、『ティアーズ・オブ・ザ・サン』『ジャスティス』『シックスセンス』もそう。テーマは違うが『12モンキーズ』や『アルマゲドン』『ダイ・ハード』もそういった匂いを感じる。フィルモグラフィを見るともっとはっきりするのは“救出(特に子供)”というテーマ。弱者はもちろん、主人公自身の救済という作品がかなりある。凡人が窮地に力を発揮するというよりヒーローが凡人のように悩み努力するという姿の方が主人公に感情移入しやすいし、娯楽性があって良いのだろう。少なくともその方が好みだ。しかもB・ウィリス作品は過渡にうじうじ悩むところに焦点を当てずに望む望まないに関わらずガシガシ行動を起こすのが良い。ただ、エンドロールで物語が終わってしまうすっきり感は少なく、その後の登場人物達の生活を心配させるようなエンディングが多いのも事実。エンターテイメントでありながら、生活感がある物語が多いと感じるのは考えすぎだろうか。今回は製作にも絡んでいるせいか、特にその辺りの雰囲気を強く感じた。原作は未読だが、主人公が交渉人であることから、『交渉人』ような駆け引きを想像してで観たが全く違う。『コール』も思い出したが、犯人は勢いだけで始まった立てこもり事件なのでずぶの素人で(だからこその恐怖はあるが)、細かい伏線や仕掛けもない。アクションシーンも抑えてあるし、軸になる事件そのものはこそげられるだけこそぎ落としている。だったら何が面白いのかというと、そこは前述したブルース節。ジェフの苦悩と否応なにし追い込まれる状況に対応せざる負えない緊迫感だ。ラストは少々強引ではあるが、一気に畳み込まれて、そしてやっぱりエンドロールを観ながら、「うーん」と唸ってしまうのだった。
ちょい役ではあるが、彼の本当の娘(R・ウィリス)がジェフ(B・ウィリス)の娘・アマンダとして出演している。それと、すっかり丸坊主に見慣れたB・ウィリスだが、オープニングの白いものの混じった髭面も結構いける。髭櫛をぶら下げたまま電話を握るシーンは、緊迫しているのだが笑ってしまった。
| 原題 | HOSTAGE |
| 製作年 | 2005 |
| 製作国 | アメリカ |
| 時間 | 113 |
| 監督 | フローラン・シリ |
| 原作 | ロバート・クレイス |
| 脚本 | ダグ・リチャードソン |
| 撮影 | ジョヴァンニ・フィオーレ・コルテラッチ |
| 出演 | ブルース・ウィリス ケヴィン・ポラック ジョナサン・タッカー ベン・フォスター ミシェル・ホーン ジミー・ベネット マーシャル・オールマン セレナ・スコット・トーマス ルーマー・ウィリス |

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